ちょうど1年ほど前ですが
「流体解析したファンネルを3Dプリンターで作って試してみた。」
って記事を書きましたが
今回はその続編です
前回のファンネルは結果はあまり良くありませんでした。
似た形状にしてみました
これも以前の記事で
セカンダリーファンネル(緑色の部品)の位置で
特性が変わりそうだと予想できたので
手軽に変更が効くような
構造にしてみました。
ファンネル間をつなぐジョイントを
簡素な丸棒(紫の部品)にして
長さの異なる丸棒を変えることで
セカンダリーファンネルの位置を変えれます
とりあえず今回は2種類の長さを試してみます。
何とか制御を入れて自動可変なんかも出来ないかと考えましたが
ちょっとハードルが高すぎかなってことで今回は固定のみです
3Dプリンターでの造形についてはDMM.makesを利用しました。
材質はエコノミーナイロン。
造形方法は明記されてませんでしたが
おそらくレーザー焼結を用いた粉末(粉体)造形だと思います。
3Dプリンターのことを話し出すと
止まらなくなりそうなんですが
出来るだけ簡単に説明しておきます。
(元々3Dプリンターメーカーに勤務してたのでね)
粉末造形は薄く引いた粉(材料)に
レーザーを当てて固め、
その上にまた粉を薄くかぶせて
レーザーを当てて固めてってのを繰り返して
造形していく方法です。
発掘するように取り出します。
色々と理由はありますがこの方式の造形は表面ザラザラで
分子間がスカスカな造形になります。
今回、材質をナイロンにしたのは
耐薬品性、耐ガソリン性が
前回使ったABSより良好だからです。
(値段が安かったってのもありますが)
なので今回についてはウレタン塗料での
コーティング処理はしていません。
これで価格は約7k円くらいです。
この業界にどっぷりつかってきた私からすると
驚異的な安さです。
製作期間が約2週間もかかりましたが
安いからOKでしょう
↓データさえあればすぐ見積りができるのもいいところ
ファンネルをバラバラで造形すると
個数が2個になり価格が高くなるので
無理やりつないで1個にして造形しました。
届いたに姿はこんな感じ。
ニッパーで繋げた部分を切り取ってヤスリで仕上げです。
ファンネル間をつなぐジョイントは
PC(ポリカーボネイト)製の
丸棒を切って作りました。
細かな細工として取付ねじが出っ張る所は
ボルテックスジェネレータ的な突起形状にしてみました。
まぁ気休めですが
出来上がったファンネルを
サーキットに持ち込んでテストしました。
とりあえずいつも使ってるオーソドックスなファンネル(以下通常ファンネル)で
基礎セッティングをした後、3Dプリンターファンネルに付け替えて走行します
まずはセカンダリーファンネルがキャブに近いほう(以下デュアルショート)で走行します。
回転の上がり方が良く言えばスムーズ、悪く言えばかったるい
特に6~8千回転は回転上昇が重く
その感じが上までつながっていく感じでした。
最初は印象悪かったんですが
不思議とアクセルが明け易く(回り方が鈍いから?)乗りやすい印象。
タイムも通常ファンネルよりも速いラップで走れる結果となりました
次の走行ではセカンダリーファンネルが
キャブから遠いほう(以下デュアルロング)での走行。
このファンネルに一番期待していたんですが、なんか微妙。。。
デュアルショートよりはエンジンは回りやすい感じですが
通常ファンネルと印象がほとんど変わらない。
タイム的にも通常ファンネルと大体一緒の結果となりました
次の走行では通常ファンネルに戻して走行してみます。
パワー感がとてもいいです。
体感的にはすごい速く感じます。
乗っていて楽しい。
ここまでの結果で、今回も失敗かぁ~って
落胆していたんですが
ラップタイムを整理していて意外なことに気づきました。
一番感触的には良くなかったデュアルショートが
一番速いラップを記録していました
アベレージ的にも一番速い。。。
そこで次の走行では、
もう一度デュアルショートで走ってみます。
この時点で体力的にかなりヘバっていたんですが、
それでも通常ファンネルよりは
速いタイムで走れていました。
ホントはもう一巡くらい比較テストしたかったんですが、
体力が限界で諦めました
この結果をどうまとめるべきか。。。。
確かにデュアルショートは遅く感じるんですが
反面アクセルが開けやすい感じもありました。
通常ファンネルやデュアルロングは
体感は速いものの乗りづらさも感じました。
その辺りがラップタイムに
影響しているのかもしれません。
正直今回だけでは結論が出ませんね。。。
再度テストを行ってみたいと思います。
ジョイントの長さを変えてみたり、
手持ちのTM22でのテストもしてみたいと思います。