小学生の頃、「ちびまる子ちゃん」読みたさに『りぼん』を買いはじめた。
中学生の頃、エッセイを読んで漫画以上の衝撃を受けた。
自分も人を笑わせられる文章を書きたいと思った。
いつか結婚するならこんな仲良し夫婦になりたい
(その後離婚してしまったが)。
いつか自分も妊娠・出産したら
「そういうふうにできている」と思えるのかなあと
ワクワクしていた。
あれから20年後、念願叶って妊娠したと分かったときは
実家の本棚の、探さなくても見つかる場所にそれは置いてあった。
頷きながら読み、
帝王切開になっても楽しそう、と思わせてくれた。
いまわたしがこうして出版業界にいるのも
健康オタクになったのも
少なからず影響があったと思っている。
笑いと毒のバランスが大好きだった。
もし(公開を前提とした)闘病記があるなら
それもあのユーモアあふれる語り口で書かれているだろうか。
きっとそれも
いつかわたしが亡くなるときに読み返す一冊になるのだろう。
さくらももこ先生のご冥福をお祈りします。
20年もののハードカバー
文庫版
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