育てたのに継いでくれない|後任問題のリアルな解決策に迫ります | ZACグループ代表取締役社長・金森秀晃オフィシャルブログ

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株式会社ZAC社長 金森秀晃のブログ。
人事制度構築、教育・研修サービスとその現場から得た気付きについて綴っています。
企業研修・コンサルティング・スクールのことから、大好きなおやつの事まで幅広いブログです。

 

「あと1年で定年なのですが、
後任が決まっていなくて焦りを感じています。
自分としてはこの人かなという後釜は想定しているのですが、
当人が“自分は◎◎さんみたいにできないので…”と及び腰で
引き受けてくれるかわかりません。
自分としては、ここまで手塩にかけて育てたのだから、
覚悟をもって引き受けてほしいと思っているのですが…
覚悟を決めてもらうにはどうしたらいいでしょうか。」

先日、事務長からこんなご相談をいただきました。

定年まであと1年。育ててきた部下に後を継いでほしいのに、
当人は自信なさそうで及び腰…
この焦りと歯がゆさは、よく伝わってきます。

結論から言うと
「さぁ覚悟を決めろ!腹をくくれ!」と迫っても、
なかなか難しいと思います。

なぜなら、
後任候補の方が「自分にはできない」と感じているのは、
意志の弱さなどではなく、先が見えない不安や
現任の事務長との比較における劣等感からきているからです。
プレッシャーをかければかけるほど、その不安は大きくなり、
むしろ逃げ腰になってしまいがちです。

では、どうすればいいか。

答えは「覚悟を迫る」のではなく、
丁寧にステップを設けて、不安を最小化していくことです。

おすすめしたいのが、こんなオファーです。
「まずは事務長代理として、一緒に事務長業務をやってみませんか。
やってみて、どうしても無理だと思えば、無理に続けなくてもいい。
逃げたことにはならないよう、あなたの立場はきちんと守ります。」

どうでしょう、ハードルがぐっと下がりませんか?

「やってみてダメでも大丈夫」という安全網があるだけで、
人は驚くほど一歩を踏み出しやすくなります。

このオファーを伝える面談も、しっかり手間をかけることが大切です。
最低でも3ステップは設けましょう。
(面談動画シリーズではおなじみの流れですね!)


【STEP1】まず「引き受けなくてもいい」と伝え、不安を徹底的に聴く

最初のステップは、安心感を与えることです。
「あなたに継いでほしいと思っているけど、無理に引き受けなくていい。
まず、何が不安なのかを聞かせてほしい」
こう切り出すことで、相手はやっと本音を話せるようになります。
「スタッフをまとめる自信がない」「急なトラブルに対応できるか怖い」「◎◎さんと比べられるのがつらい」
そういった声が出てきたら大成功。
このステップで焦って考えを変えさせようとしたり、解決策を出させようとしないこともポイントです。

【STEP2】不安を一緒に「仕分け」する
不安を洗い出したら、次は一緒に整理していきます。

・気にしなくていい不安(特に「◎◎さんと同じようにやらなきゃ」など、思い込みによるもの)
・対策が取れる不安(「急なトラブルへの対応が不安」→ マニュアル整備や相談窓口の確保で対処できる)
・やってみたら解消できる不安(「~をやったことがないから不安」→一度やってみれば自信がつくもの)

こうして並べてみると、「意外と何とかなりそうかも」と感じてもらえることが多いです。
相手自身が「これは対策できる」と気づくことが、前向きさにつながります。


【STEP3】それでも残る不安に共感し、「事務長代理」を提案する

STEP2を経てもなお、「それでもやっぱり不安で…」という気持ちが残るのは自然なことです。
そこで大切なのは、否定せず、共感を示すこと。
「そうだよね、不安だよね。私だってそうだった。」
その上で、こう提案します。
「だから、いきなり全部請け負うんじゃなくて、
私がいる間に事務長代理として一緒にやっていきませんか。
うまくいかないことがあれば、そのたびに一緒に考えればいいし、
本当に無理だと思えば降りてもOK。
もしやらないことに決めたとしてもあなたの立場は保証します。」
このくらい丁寧にやれば断固とした決意をもってやりたくない人でもなければ
チャレンジはしてくれるのではないかと思います。


後任を立てる際、「覚悟を決めろ」と言いたくなる気持ちはよくわかります。
今その立場に立っている方は、不安に押しつぶされそうな中でも、
覚悟を決めてやってみたという方が多いと思うからです。

ですが、いわずもがな今迷われている後輩の方々の不安も
皆さんの背中をみて事務長職をきちんと担おうとしていらっしゃるからこそなので、
その思いを尊重し、本人の「やれるかもしれない」をどれだけ丁寧にもたらしてあげられるかが大切になってきます。

プロセスを丁寧に踏むことが、結果的に一番の近道になること間違いなしなので
ぜひ試してみてください。


人事コンサルタント
金森秀晃