「ねえ、嘆きってなに？」
「そうねえ、停滞、振り、自己満足、ニヒルズムってとこかな。
たとえば、このブログ、読んで御覧なさい、
「あるべき姿」だって。
この子、何様のつもりかしら。
一人になると、メソメソ嘆いてばかりいるくせに。」
「あら、
自分では何にもできないから、こうやって強がってみせているんじゃない？」
「確かに。
嘆いてばかりいても、問題にフタをしているに過ぎないのにねえ。」
「私も小さい頃、よくお父様に言われたわ。
「満足できない結果」をもたらした自分には、
ひとつも正当性を見出してはいけないって。
自分を完全否定できるのは自分だけだ。
たとえ、そこにわずかな合理性が見えたとしても、
まずは完全否定する。
否定は、完全がつくと、肯定になる。
完全否定は、次の自分をつくろうとしている、とっても肯定的なエネルギーなんだって。」
「あら、そうなの、
ずるーい、私にはそんなこと言ってくれなかったわ。」
「あなたは、はじめから自分を否定できる強い子だったからよ。
でもね、完全には否定することなく、
どこか過去や現在の自分に何かしらの正当性を見出しながら、
明日も嘆いているのが、
ほら、あそこでうごめいている人間なのよ。」
ん？ なんかいつもより限定的に指されたような気がして、
空を見上げてみたが、やはり何も見えなかった。