昔から、
勝負事になると寒気がしてくる。
試合だったり、
ストリートの勝負だったり、
大事なネゴだったり……
（なぜか試験とか面接とか、スピーチは一切緊張しないんだよね）
いずれにせよ、
寒気と震えがとまらなくなって逃げ出したくなる。
実際、
１０代の頃の一対一の勝負のときも、
極真の試合の前も、
トイレにこもって、
仲間や後輩に迎えに来てもらった経験がある。
（思い出したくもない）
が、
震えがとまらない時ほど、
不思議なくらい、
僕は負けない。
真剣であればあるほど、
恐怖が全身を覆って、
本当にその場から立ち去りたくなるんだけど、
それに身を任せて腹の中で泣いていると、
今度は静寂が全身を包み込む。
その静寂はコトが終わるまで止まない。
そして、
すべてを受け入れる気持ちになって、
いつもよりもいろんなモノが見えてくる。
（うまく説明できないけど、相手の息遣いとか動揺とか、そんなカンジのヤツ）
とにかく、
いつまでも、そういう「恐怖」を味わえるような仕事がしていきたい、
ふと、そう思ったんだよ。