選手の移籍にはどんな形が存在するのか? | 和久井秀俊オフィシャルブログ「海外サッカー選手のホンネ」Powered by Ameba

選手の移籍にはどんな形が存在するのか?

和久井です。

当ブログで実施しているアンケートで、「移籍の仕組みを詳細に知りたいです。 (男性/30代)」というメッセージを頂きました。お答えしたいと思います。

移籍の仕組みについてここですべて説明できないので、順に説明していきたいと思います。今回は、移籍の種類についてご説明します。

移籍とは選手が所属のクラブから新たなクラブへ籍を移すことで、その移籍で場合によってはクラブ間で移籍金が発生します。

移籍期間は「日本と欧州各国の移籍期間」でご説明しました。その移籍にもいくつかの種類があり、FIFA(国際サッカー連盟)によってルールが定められています。

所属クラブとの契約が終了し、新たなクラブへ移籍する。これがもっともシンプルに思えますが、実は最近までこれが選手にとっては最も厄介な移籍でした。

というのも「外国人としての扱い」でもご説明したように、欧州では1990年代前半までクラブは選手との契約終了後も選手の保有権を主張できたのです。すなわち、契約終了後も移籍金を要求できたのです。ボスマン判決後(詳細はメルマガでご説明しました。)にEU加盟国の国籍を持つ選手が所属したクラブとの契約を終了した後に、クラブは選手の保有権を主張できなくなりました。

では日本ではどうでしょうか?

実は去年までクラブは保有権を主張し移籍金を要求できました。

その理由は、EU加盟国以外についてはボスマン判決の適用の時差がありました。加えてこのルールの改正はクラブ経営にとっては大きな痛手となるため、FIFAからの強い要求がなければ積極的に改正に動かなかったというのが事実でしょう。

さらに言えば、移籍が対欧州クラブとなった際に、日本のクラブは日本人選手の保有権を主張できずに移籍金なしで選手を放出せざるをえなかった事例が起きた事が、最終的にルールの改正に踏み切ったきっかけだと思います。

少し前置きが長くなりましたが、①クラブと選手間の契約終了後の移籍。これには移籍金は発生しません。

契約期間内での移籍。これは残りの契約期間の保障という形で移籍先クラブが所属クラブへ移籍金を支払う必要があります。

レンタル移籍(ローン移籍)。これはあくまでも選手は所属クラブに籍を置きつつ、一定期間だけ他クラブでプレーします。ほとんどの場合、選手の給料などの雇用にかかる経費を他クラブが担うことで成立します。

トレード移籍。所属クラブの選手と移籍先クラブの選手を交換することで成立する移籍です。

③、④についてはクラブ同士の移籍交渉で、発生する移籍金や条件は大きく異なります。

例えば、③は所属クラブが選手の雇用にかかる全額を負担している場合もありますし、④についてもトレードの際に片方の選手は「選手プラス移籍金」という場合などがあります。

これ以外にも様々な移籍がありますが、ここでは大まかに4つに分けてご説明しました。

どうでしょうか?どのような移籍があるか理解頂けたでしょうか?

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