エル・トポ(1970) | とし104の気ままに映画プログ2

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ブログの説明を入力します。B級な映画や主にホラー映画を自分の独断と主観でupさせていただきます♪そんなに投稿マメではないですが、よろしくお願いします。











もぐらは穴を掘って太陽を探している
時に地上へたどり着くが…
太陽を見た途端、目は視力を失う




果てしない砂漠を馬に乗り行く、黒ずくめのガンマンのエル・トポ(アレハンドロ・ホドロフスキー)とその息子(何故か?全裸)。

真っ青ピーカンの青空と白砂の砂漠の色のコントラストがあまりにも見事で、うっとりと酔いしれてしまいそうな映像美です♪

道中でガンマンは息子に「おまいはもう七歳になったのだからおもちゃと母の写真は土に埋めるのだ~」と言い聞かせ、息子は黙って従いぬいぐるみらしきおもちゃと母の写真を土の中に埋める。

2人が進んでいくと…山合の集落にたどりつきますが、そこは村民が大虐殺されていて地面を夥しい鮮血で染め、死体が累々と転がる地獄のような光景であった!!!!



山賊?盗賊?らしきならず者たちが、さながら「北斗の拳」の悪人たちのように壁に手をつかせて無抵抗のパンピーを銃殺したり、美青年の僧侶を銃で脅してキスしたり素っ裸にして馬乗りになったりとまあヤりたい放題をつくしていた。

早速エル・トポに3人の雑魚悪人たちが勝負を挑んでくる! だがエル・トポの素早いガンさばきに2人は瞬殺され、生き残った1人も手傷を負わされ、悪党どもを束ねる頭の『大佐』の存在を突き止める。 大佐は自分の身の回りの世話を愛人の女(美形)にかいがいしくやらせて、子分たちを犬のようにおあずけさせたりするナポレオンのコスプレをしたようなチンチクリンなオッサンです。でも顔は濃いィィ顔して渋い人です。 エル・トポは高台で見張りをしてる奴を殺し、首尾よく大佐たちを追い詰める。さしで大佐との勝負になり、早撃ちで戦闘不能に追い込む! 大佐はガンを奪われ、身ぐるみはがされ赤パン一丁のだいじゃえもん状態にされてしまう!!
子分たちにも裏切られ、愛人にも見捨てられ、エル・トポにティン切りの刑にされてしまう(;゜0゜) 哀れ大佐は「毎度お騒がせします」みたいな前屈み状態でフラフラ歩いて行き、落ちているライフルを拾い自殺してしまう!!!

こうして町に平和が戻ったが……………

大佐の愛人だった女が様子がおかしい??
エル・トポの前に立ちはだかり行く手を遮る。女はどうやらエル・トポにすっかり惚れたらしい?! セリフらしいセリフは出てこないですが、アイコンタクトで目配せしたエル・トポは息子に「父親は死んだ?! これからは1人で強く生きていくのだ~」と勝手に言い聞かせ、息子を僧侶のもとに預けて女と砂漠へ向けて旅立ってしまう!


宛のなく砂漠をさ迷うエル・トポと女は岩をガンで撃ち抜いて水源を発見したり、砂漠で2人で重なってエッチしたり、オアシスみたいなとこでまったりして過ごしているうちに…女は「私のことを愛しているなら…この砂漠に住む4人のガンマスターを倒してワタスのことを愛している証明を見せとくれ!!」と一方的に云われて、エル・トポはこの広い砂漠を円を描くように旅をすれば4人のガンマスターと会うことが出来るに違いない??とアバウトな探し方でガンマスター討伐の旅に赴く事になる。

程なくして1人めのマスターというか?世捨て人みたいな賢者みたいな得体の知れないオッサンの館を発見する! 従者が何とまあ~下半身がない手が健在な男と足は健在だが手がない男が合体した「ミラクルカンフー阿修羅」みたいな奴が出迎える。

1人めのガンマスターは弾道を見極めることが出来る?!とぬかし「おいらに致命傷を与えることは出来んのやで~」と言われる。心眼の達人なのか?従者が放った弾を避けようともせずモロにくらうがかすり傷ぐらいしか負っていない?? エル・トポはがっくり落胆し「あんなん奴に勝てるわけないヮヮヮ~」と女に愚痴をこぼすが、女は「どんなん卑怯な手を使ってでも、勝ってくりくり~それ以外は認めへんからね~」と云われて…エル・トポは開き直り、心眼マスターとの対決に挑む。 ゼッタイ勝ち目がないと思われたがエル・トポはマスターを落とし穴に落としてその隙に銃殺する卑怯なやり方で倒すことに成功する!! 従者が怒って襲いかかるが、上の人と下の人を相次いで簡単に射殺する。

1人目のマスターを倒してチュッチュッされるエル・トポだが…休む間もなく次の2人目のマスター討伐を目指す。 次なる相手は川の中州みたいなところに掘っ立て小屋みたいな子供の作った秘密基地みたいなとこに占いババみたいなおっかさんと一頭の雄ライオンと暮らしているブーデー男だ! エル・トポに「母の占いでおまいさんが来ることはわかっていた?!」とぬかし
ガン対決になるが…………

ブーデー男ながら早打ちは何と!エル・トポ以上で手を撃ちエル・トポを参った~させてしまう!! 「おまいはもう死んだも同然だ~」とエル・トポを殺したりはせずに母の介護兼子分かパシリにでもしようとしたのか?生かされる。
しかし、エル・トポは秘かにチャンスをうかがっていた。盲人の母が歩き出そうとしているところにガラス片を置いて、足を怪我させて、ブーデーマスターが「オカンポ~大丈夫か~」と傷の手当てをしてるところを背後から拳銃でズドン( ̄□||||!!
なまたもやまともにやったら勝ち目がないマスターをぶっ殺す!! 傍らで泣き崩れる占いババの母ちゃんを尻目に立ち去るエル・トポ。




エル・トポと女に後から着いてくるように1人の女ガンマン?殺し屋?らしき謎の女がつきまとう。 しかし女が目をつけていたのはエル・トポでなく、ジョノカの方であった!! 女同士のバトルが繰り広げられた後、鞭打ちで血まみれのジョノカの背中をペロリと舐めてキスをする(ーー;




3人目のマスターは兎を大量に飼っている兎の販売業者みたいな東洋系っぽい浅黒い男だ。 マスターは「おまいが段々と近づいて来るにつれてウサギチャンがどんどん死に出した!! おまいは不吉と災いの象徴だ~」みたいなぞんざいな言われ方をされるエル・トポであったが…有無を言わさず対決する事になる!

「おまいを仕止めるのには、一発の弾があれば充分やわヮヮヮ~」と余裕しゃくしゃくのマスターに対し緊張するように身構えるエル・トポ……………

撃ち合いは一瞬で終わる!! 射ぬかれたと思われたエル・トポの心臓はレリーフみたいな板が胸に入っていたので辛うじて急所は外し、一発しか弾を持っていないマスターに情け容赦なく弾丸を撃ち込む!!!

マスターが死んでしまったら他の生きていたウサギチャンたちもバタバタ死んでいって全滅する。 エル・トポはマスターの遺体をウサギチャンで覆ってあげウサギチャンの棺のようにしてあげる。



こうして3人目のマスターも倒し、残りはやっと1人になる。女が胸をはだけて「あなたは最強よ~」とせがんでくる。静かに見守る女ガンマン。 何だか3人でまったり過ごしたりしてます。

そしてまたすぐに最後の4人目のマスターを見つける。 もうガンマンのマスターと言うよりは色の白いアダモちゃんのようなルンペンのような仙人みたいなオッサンである!


アダモちゃんマスターに積極的に攻撃をしかけるエル・トポだが拳は虚しく空を切る。それならと愛銃を取り出し、早撃ちを
繰り出すが…何と!このマスターはピストルの弾を虫取り網で受け止めてしまう!!!
「んなアホな~」と目を白黒させるエル・トポに「もう一度ヤって来たらおまいさんの心臓めがけて打ち返したるで~」と微笑むマスターに、こりゃ~あかんわ~勝ち目無いわ~とガックリと頭をうなだれ膝をつくエル・トポ。

エル・トポに優しく諭すように問いかけるルンペンマスターは「最強の称号を手に入れることに何の意味や意義があるんだヮヮヮ~ ?? 儂の命なんかに何の価値があるんやわ~?? アンさんの負けやで~」とエル・トポに問いかけた後、銃を手に取り、腹に撃ち込み自害する。


結果的には4人のガンマスターを倒して、最強の称号を手に入れたには違いないかもしれないが………エル・トポは慟哭し、ウサギチャンの棺を火葬し、ブーデーマスターのアート作品をぶっ壊し、心眼マスターの小屋を破壊する!! そして自分の愛銃を石で破壊してしまう。 ジョノカの愛を得るため…または己の腕試し&欲望の実現のため、邪な動機であったのかもしれないが… 心を病んでしまい、すっかり腑抜けになってしまう。女ガンマンがジョノカを奪おうと吊り橋の上で勝負を挑んできます。
が……エル・トポは両手を撃ち殺してくださいと言わんばかりに広げて女ガンマンに撃たれる! しかもレズられてすっかり心が女ガンマンに傾いているジョノカも裏切りのとどめの一撃を放ち、ぶっ倒される………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………



ここまでか前半部。そして後半へと至ります。前半部だけでも十分にストーリーは成り立ってますが…ここからまた違ったドトーな展開へと突き進んでいきます(;゜゜)




主役が死んでしまってはストーリーにならないので… 殺られたッかと思われたエル・トポだったが、どこからともなく現れた足や手が退化した?!それとも生まれつきなのか?奇形化したフリークスの集団がエル・トポを救出する。 彼等の棲み家である真っ暗な洞窟へと運び込まれる。


エル・トポは長い間、あたかも昏睡状態、植物人間のように死んだように眠っていた……………

女子の小人が身体を洗い、お化粧を施しかいがいしくお世話をしていた。祭壇のようなところで寝かされているエル・トポはまるで神のように崇められている。


そしてふと、意識を回復するエル・トポに小人の女子がビックリする。


志茂田 景樹ではない??!!



長い眠りから覚めたエル・トポは小人女子に訊きます。「おいら~一体どれくらい寝とった~ん」 小人女子は答える。「私が生まれる遥か前から…そう長老に訊かされました」

このフリークスの人達は、一般ピープルから忌み嫌われ、追いやられるようにこの洞窟の中での生活を余儀なくされてしまったらしい。 さらにその暗い闇の中での長い生活と近親相姦の続いた結果、手や足などが萎えた奇形化したり、視力が退化した目が見えない人やらで一杯になってしまっていると教えてもらう。 洞窟の高いところに、麓の町へと通ずる穴があるのですが………誰も手足が不自由なため行くことが出来ずにいたこともエル・トポはわかる。

エル・トポは実験に失敗した博士みたいな金髪爆発アフロヘアーから、小人女子により、キレイにカットされ髭も剃り、黒ずくめガンマンスタイルから一転して修行僧のような出で立ちになる。

エル・トポは健常者なので小人女子を背負い、洞窟のてっぺんの穴までよじ登り、麓の町へと降りて視察をしてみる。 一見すると平和そうな西部劇の舞台のような町だが…………
変な三角垂みたいな形に目が書かれたモンスターズ・インクみたいなマーク(プロビデンスの目と言うらしいです)を崇める変な宗教が流行しており、奴隷商売が公然と行われていて、人々は退廃に満ちていたのであった。



そんな荒んだ町で、エル・トポは卑怯な手段は使わずに、小人女子と協力して大道芸やパントマイムのようなコントをしたり、子供たちと遊んであげたりして町民から小金を払ってもらいお金を稼いで、自分の命の恩人である地下洞窟で喘いでいるフリークス達を救うために小人女子とトンネルを掘り町まで開通させる作業に黙々と取り組んでいく。


ある日、町でのいつもの大道芸に勤しんでいるとエル・トポと小人女子を「おいッ そこの出来損ない~ 金さぁ~やるからこっちゃ来い」と呼びつけられる。 金稼ぎに必死な2人は着いていくと…何やら卑猥な怪しげな乱交パーチーが行われている会場であった!!
エル・トポと小人女子は公開セクースを聴衆の前で見せびらかすようにヤレ~と屈辱的な命令をされ、逃げられない状況で屈辱に耐えながらエル・トポはヴァージンの小人女子を優しく新婚さんのように抱いてあげるのであった。・゜゜(ノД`)


泣き崩れる小人女子を「結婚しよう♪」と単刀直入にプロポーズをするエル・トポに
「恥ずかしかったけど悦びも感じチッタの~こんなんワタスを軽蔑しないでね~」と恥じらう小人女子が可愛らしくも見えてきます。

2人は手を取り合って教会へと向かいます。 早速結婚の儀を執り行おうとする2人に、奥から出てきた神父様は?何と!成長した幼き頃に捨てた我が子だったのですΣ(゜Д゜) 驚くエル・トポに怒りを露にして殴りかかる息子。小人女子が懸命に止めようとしますが、あまつさえ息子はオトンポエル・トポを射殺しようとします!!



エル・トポは息子に「 おいらの仲間たちのトンネルが開通したら、おいらをぶっ殺しても構わないから、それまでこの命を生かしておいてくれ~」と懇願します。 怪しみながらも渋々OKして、父親のトンネル掘りや大道芸を共に手伝っていきます。




そしてとうとう皆の宿願である町まで直通のトンネルが開通する。

トンネルが出来たらエル・トポを殺すつもりでいた息子であってが……このフリークスたちにとってなくてはならない存在である父親に手を下すことは出来なかった。
フリークスたちは歓喜のあまりトンネルから町へと殺到する。 エル・トポはそんなん慌てて行ったら町の奴らがビックリするから待ってくんさ~いと制止するが……………

眩しすぎる陽光の下をトンネルから一斉に飛び出して来たフリークス達を、今みたいなバリアフリーの身障者にも優しい世の中ではなく、差別と偏見で今まで避けられてきたフリークス達を愚かな町民たちが「化け物が来やがった!!」みたく横一列に並んで銃を構え一斉射撃をして、フリークス達は今度こそ陽の目を見れるのかと思いきや全滅してしまう!!(゜ロ゜ノ)ノ



後から駆けつけてきたエル・トポであったが…もう手遅れでフリークスの一団は全滅してしまっていた!! エル・トポに対しても容赦なく銃弾を何発も浴びせる町民たち。

今まで悟りを開いた仙人のように明鏡止水な穏やかな心で何事にも「おしん」の如く耐えて耐えてきたエル・トポであったが…
今度ばかりはもう(*`Д´)ノ!!! ドンッパンチ!
町民の暴挙に怒りが沸点に達したエル・トポは町民のライフル銃を奪い、片っ端から町民を報復するかのように銃殺していく!



その頃、遠く離れたところに取り残された小人女子は急に産気付く。「うっ産まれるwww~」

全てをやり終えたエル・トポは灯油をかぶり焼身自殺をしてしまう(((((゜゜;)
冒頭のナレーションのモグラとはまさしくエル・トポとフリークスの一団のことであったのだろうか…………………………



エル・トポの子供を産んだ小人女子とエル・トポの息子はオトンポの死を見届けるかのように、馬に乗り旅立って行く……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………


カルトの中のカルトで唯一無二の作品と言われているホドロフスキーの代表作は、観る者全てを圧倒する映像美と宗教的かつ哲学的な神話のような一面も覗かせる、深淵な寓話であると思います。 わたくしは予備知識もなくただスンゴイとてつもないカルトな西部劇か何かしらぐらいな気持ちで観ましたが……… これはまた違った意味でのお薦め作品であると断言してもいいと思います。 ジョージ・A・ロメロともジョン・ウォーターズとも石井輝男とも池田俊春とも全く違う、衝撃が走る感じることの出来る映画かなと思います(^^)


年末は忙しくてとても投稿が滞ってしまうことになりそうですが…皆さま良いお年を♪祈願します。来年もまたのんびりブログとしてボチボチとやっていきますので今後ともよろしくお願いします。