ソプラノ高橋美千子が安田芙充央の歌作品を日本初演! | 色と祈りと歌うこと - Hidetake Yamakawa (山川英毅)

色と祈りと歌うこと - Hidetake Yamakawa (山川英毅)

自分自身の中に豊かにある深いものに触れて、元気や安らぎを得るのに「色と遊ぶこと」や「自分で歌う」ことが欠かせないない気がしています。
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Michiko Takahashi (Sp), she is just so gorgeous!!! Amazing soprano who lives in France came to make such a great singing with maestro Fumio Yasuda!!

 

パリ在住の名ソプラノ高橋美千子さんが安田芙充央先生の歌作品の数々を日本初演で歌う!というすごい記念的瞬間に立ち会わせていただいた!

 

高橋美千子さんが、ケルン歌劇場でシュトックハウゼンのオペラ「SONNTAG aus LICHT 光の日曜日」のEva 役でソプラノを歌われるような稀有なる日本人歌手ということはうかがっていましたが、本当にすばらしかった!

 

 

私は特に安田芙充央先生の写真家の荒木経惟 (アラーキー) さんとのコラボの「花曲」の Death Sentence IV はソプラノのためのすごい傑作で、CD では Kirsten Drope というソプラノが歌われていて、その難曲が日本で聞けることを切望していたのですが、ついに今晩、高橋美千子さんによって日本初演となった!!

 

冒頭のカッチーニの Tutto'l di piango の高橋さんのバロックオペラ的な繊細なる歌いまわしの妙技と安田先生サウンドのすさまじい融合に始まり、もうそこからは本当に驚きの連続だった。

 

安田先生が英国の超絶技巧 EXAUDI ボーカルアンサンプルのために書き録音された The Game must go on を私はたまたま先生がスコアで書かれているときにもちょっと拝見して、こんなの人間に演奏可能なのか?というレベルの難曲なのだが、それを今回、合唱ではなく高橋美千子さんがソプラノと安田先生のピアノで一曲歌われた。この曲も日本では初演!!

高橋美千子さんの歌われ方ですばらしいのは、音やハーモニーの難しい曲は技巧や正確さをとりあえず担保するためにある意味無機質になりがちな現代音楽的サウンドでも、非常に高度な高橋さんご自身の感情表現のお声に落とし込まれているという神業!

 

私が大好きな Rain Landscape では、Winter & WInterのCDでは Akimuseさんの独自のシラブルによるヴォカリーズだったものを高橋さんは、フランス語で歌われていた!!内容を後で伺うと今回のために作られた歌詞でちゃんとした韻も適用されていたとのこと!

 

この調子で細かくすべての曲について語らせていただきたいくらいだが、とにかく高橋美千子さんの歌い手としての引き出しの豊かさはすさまじくて、本当に感動の連続でした!

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もちろん、最初からそうした才能をお持ちだったのだろうけれど、やはり並々ならぬご経験と過程がおありになったのだろうと感じたので、終演後にも少し質問させていただいたところ、やはり欧州での本当に数多くの一流の奏者、現場で求められてきたことを一つ一つ丁寧に受け止め、対応するなかでかたちづくられてきたのではないか、という主旨のことを言われておられた。うわ~やはり!

でもこれを口で言うのは簡単で誰もができることではないし、安田先生とのリハやセッションの様子を説明される高橋さんのお言葉もすごい細やかな温かな配慮に満ち溢れておられたので、やっぱり圧倒的なるお人柄のすばらしさ、そこからの稀有なるコミュニケーション力をお持ちだからんだろうなあ~とやはり感じました。

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安田先生、先生の歌作品世界の記念的な新たな広がりとなる演奏、本当におめでとうございました!

高橋美千子さん、安田芙充央先生、そしてご一緒させていただいた榎本憲男さん (小説家、映画監督であり安田先生の最近の国内音楽賞受賞の数々の CD のプロデューサー)、皆さま、本当にありがとうございました!!