小説「神田 直子/ようこそ!私の奇跡」第21話(逃飛行、そして覚醒 その2) | ひでおん

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2023年8月より、童話に続けて小説を投稿し始めました。
他にも時事問題から、くいしんぼ、ドラマや映画や音楽、タクシー日記に趣味の話しなどアップしていきます。
日々変化を求める、おっさんのブログです。
適当によろしく~

昨年は大変お世話になりまして、ありがとうございました。

本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

 

新年早々に能登半島(石川県)で大地震が発生して被災された方は大変な1年のスタートに

なってしまわれました。

被災地が1日も早く、復旧出来ます様に心よりお祈り申し上げます。

 

 

 

 

前回までのあらすじ

 

神田直子(37)は中国出張からの帰国便で大事故に遭ってしまったが、

ひと月もの昏睡状態から奇跡の生還を果たすことが出来た。

 

そして、直子は事故の影響からなのか高度な読心術を手に入れる。

さらに、意に反する第二の能力で駅まで送迎してくれた山田さゆりを病院送りにしてしまった。

 

小さな二人のアラヤダ星人が、あの事故で転落した直子の頭に入り込んだからなのか?

 

地球から数光年先にあるアラヤダ星には超高度な文明を持つアラヤダ国がひとつだけで世界を統一していた。

 

テレサのことが心配な父親のヤダ王が兄弟を招集した会議(ただの宴会)で、下男のバモスを認め結婚させても良いと発言したものの、その事をふたりは知らない。

 

雷神バァルナの恐るべき力で博士は健忘症になり、バモスは死んでしまったと思われたが雷神の角(つの)の洗礼を受け入れ未知なる力を授かったのだ。

 

そしてアラヤダ国への反乱が起き、王城へ核兵器が落とされてしまった。

 

 

「こ、これは攻撃だ! 誰かが核爆弾を落とした!」博士が大声をあげた。

 

それは、アラヤダ城を目標とした反乱軍が放った核爆弾の風圧の影響で数10キロ先の研究所へと広がったのだ。

 

「逃げるんだ! バモス君! テレサ王女を連れて行くんだ!」 

 

 

 

「神田 直子/ようこそ!私の奇跡

第21話 (逃飛行、そして覚醒 その2)

 

 

 

王城や町中を映し出していたモニターは完全に機能を失っていた。

それは、到(いた)るところに設置されているカメラが爆風で破壊されてしまっているからだ。

 

「博士! お城はどうなったのですか? お父様やお母様は?」

 

「お、王女様…… お気の毒ですが、核の直撃なので生存は難しいと思います。だけど私が設計した城は地下深くに非難するシェルターがある。それが機能していれば、もしかしたら……」

 

「い、生きているのですか?」

 

「ざ、残念ですが…… 確立は極めて低いと思います。しかし私がアラヤダ国に残って皆様の存命を確認して真っ先に連絡します。バモス君、君の家族も同じだ、そしてこの辺りに住んでいた人々は一瞬で命を落としてしまったと思う…… 何十万人もの尊い命だよ」

 

「うっ…… な、なんで、こんなことになってしまったのですか!」

 

「おそらく反乱軍はアラヤダ国に根強い恨みを持っている集団なんだよ…… アラヤダ国を建国したチャバネ王は、いくつもの国家を根絶やしにして崩壊させてしまったから、その報いだろう。小さい子供達、家族や恋人を殺され恨みを持って生き残った人が復讐をする為に…… 何世紀も経っているのに、その恨みは薄れることがなく子孫が計画を引き継いでいたんだ。そして王家が全員集まるこの時を待って実行したんだ」

 

「さあ、すぐに出発するんだ! まもなく此処にも反乱軍はやってくる! 君たちの目指す所は火星の惑星であるファボス星だ。そして追跡者がいたら地球まで逃げるんだ! その中のドンビキ軍の隊長ジニキタというやつは要注意だぞ、だが地球までは追い駆けないはずだが……」

博士は「要注意反乱者リスト」をモニターに映し出して言った。

 

「ちきゅう? 犬のエルが飛ばされた星。 そして、ジニキタか……」

 

「そうだ! 王家を絶滅する為に王女様は狙われている。子孫を残させないようにする為にだ。

そしてバモス君もその配偶者として反乱軍はきっと抹殺者リストにインプットしている」

 

「アラヤダ国の掟破りの罪は?」

 

「そんな物はもう存在しない! しかし王城が攻撃された時に正規軍のサイボーグが何体も出動したはずだ…… 反乱軍をターゲットにして、さらに王女様と結ばれようとしている君もプログラム上、意味のない掟破りの標的になってしまった。これは完全に私のミスだよ…… バモス君、ほ、本当にすまない」

と博士はバモスの前で土下座をした。

 

「や、止めてください! でも博士の健忘症は治ったようで良かったですよ」

 

「わ、私のせいだわ…… は、博士! 私がバモスと別れれば、バモスは狙われませんよね?」

 

「王女様、もう止められないのですよ。だから私はここに残って出来る限りの支援をします…… 

どうか、お二人は幸せになってください」

博士は涙を流していた。(もう、二度と帰って来れないだろう……)

 

「この最新鋭の宇宙船を使いなさい! 宇宙食のスペース・ヨーカンも、たんまり積んであるぞ!」

とバモスとテレサを見送ったのだった。

 

 

 

 

「それでファボス星(実存する火星の惑星)に行って、しばらく身を潜めていたんだけど…… 

例のドンビキ隊に見つかって地球まで逃げて来たんだ。

博士は地球までは追わないと言ってたけど、ジニキタってやつが執拗しつこ)いんだよ。

直子の体に入る寸前に…… あいつを撃墜したんだけど、たぶん死んでいないと思う」

 

「そうなの…… 核兵器が落とされて、ご両親は亡くなってしまったのね…… 可哀そうに。

でも、この地球だって実際に戦争が起きているんだよな~ 恐いな~」と直子が言った。

 

「それも、きっと人間の恨みつらみなんだね。結局はいつも弱い人が犠牲になるんだ」

 

それで、この地球に来たのか…… ジニキタって地球の人たちに危害を与えないのかしら……

どこかに居るの? 嫌だなあ~」

 

「もう、アラヤダ星には帰れないんだよ。撃たれた宇宙船が爆破してしまったから、博士との通信手段はどこにもないんだ。だから僕たちは地球で生きていくしかないんだ」

 

直子は素っ裸になっているバモスとテレサと話しながら、自分のTシャツに鋏(はさみ)を入れていた。

 

(直子の体に入る為に宿った雷神の力を使いミクロになる。テレサもバモスが手を繋いでいれば一緒に入れるのだが全裸と成り、毛は全て無くなると言うことだった)

 

「最後の通信で反乱軍に負けたアラヤダ国のサイボーグは全滅したと言っていた。だから、そいつらからは狙われないけど、祖国が滅亡してしまうと思うとね…… だから僕らの命を狙っているのは、ジニキタだけなんだけど」

 

「そうなの…… 大変だったのね。 そして…… ようこそ地球へいらっしゃいました」

テレサにはピンク色、バモスには白い布地の切れ端を首から被せて笑った。

 

「ねえ、あなたたちは、お腹は空かないの? たぶん甘い物が好きなんでしょ?」

そう聞きながら、この先どうやってこの二人と夫の正志と暮らして行けば良いのかなと考えていた。

 

正志には話すべきなのかなあ……

 

 

22話へ続く

 

 

主な「登場人物」

 

神田直子:物語の主人公 37歳

神田正志:直子の夫

バモス:アラヤダ星人

テレサ:アラヤダ星人、アラヤダ国の王女

アラヨ博士:大学の研究所の博士

愛犬エル:博士の飼っていた犬でバァルナの力により地球に送られた。

雷神バァルナ:アラヤダ星誕生と同時に生まれた神

その他

 

 

 

登場人物のたわごと

 

直子「ねえ、我が家のお節料理は何が美味しかった?」

 

バモス「う~ん、ロースハムに伊達巻かな」

 

テレサ「私は紅白のカマボコが好き~ カニさんも~」

 

直子「良かった~ たくさん食べてね~」

 

バモス 「すごいなあ~ 全部、直子が作ったの!」

 

直子  「…… そんな物!作れるかい!切っただけだ!」

 

バモスとテレサ 「えっ? なんで怒るの?」

 

 

テレサそれでは皆様~ 本年もどうぞ宜しくお願い致します~」

 

 

 

おまけのはなし

「オノマトペ」

 

 

「オノマトペ」という言葉。

 

昨年、どこかで聞いたんだけど(はて、何だっけ?)と考えてしまった。

そしたら、偶然にも推しの当ブログで発見!

 

「ちんぷぃ」さんの4コママンガでも紹介されてました。

このブログ面白いですよ~

ガッカリ・ワールドなんです。

 

 

 

「オノマトペ」とは、なんらかの音や状態などを言語化したものを指す名詞です。

 

.

擬声語として人や動物が発する音「あははは(笑)」「ワンワン(犬が吠える)」など。

.擬音語として事物や事象の音「ジャーン(登場)」「トントンドアをたたく)」など。

.擬態語として事物の状態や、身ぶり行動など「ハラハラ」「ツルツル」など。

 

語源と由来

 

使い慣れているのに名称としては、あまり聞かない。

これはフランス語の「オノマトペ」からくる外来語なのです。

 

そうか… ひでおんは普通に擬音語でひとくくり、でした。

 

日本語に多いのは?

日本語は微妙な違いを言い表す表現能力の高さや、感性が豊かです

日本の得意分野であるマンガの表現には欠かせないですよね。

 

 

 

作者からのお礼

 

コメントありがとうございます。元気と執筆パワーを頂けます!

 

アラカンおやじ、人生初挑戦の小説を執筆中です。

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。