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村井秀夫刺殺事件の真相を追って

村井秀夫は何故殺されたのか?徐裕行とは何者なのか?
オウム真理教や在日闇社会の謎を追跡します。
当時のマスコミ・警察・司法の問題点も検証していきます。
(2018年7月6日、麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚らの死刑執行。特別企画実施中。)



●オウム真理教、フランスへ飛ぶ
同月、麻原はノストラダムスの予言と自分の終末論の関連性を見いだすために、村井、松本知子、石井久子ら幹部を連れて、フランスのリヨンへ訪れた。そしてノストラダムスの文献を探すため、それぞれ現地の図書館へ向かった。そして、研究家のミッシェル・ショマラ氏から世紀末の予言を聞き出そうとしたが、理想的な回答を得られず失意の帰国をした。

●毎日新聞社を襲撃せよ!
家庭との縁を切り、オウムの施設で修行をさせるやり方に反感を持った信者の親たちは、ジャーナリストの江川紹子、坂本堤弁護士と協力し、オウム真理教を非難する活動を行った。

そんな中、サンデー毎日が「オウム真理教の狂気」と題する連載企画を1989年10月2日号から始まめた。第一弾は、川上や永岡など信者の親7人が集まって、それぞれの体験を語り合った座談会の内容をまとめたものだった。

同誌が発売されたその日の午後1時頃、毎日新聞社に、麻原が信者を引き連れて現れた。9階の応接室に通された麻原は、牧太郎編集長に対して「取材方法が一方的だ」などと、抗議を行った。それでも当初は声を荒げることもなく話し合いが行われた。ところが、途中で麻原の態度が急変した。

牧「未成年の者に、30万、40万といったお布施を求めるやりかたはどうなのかな」

麻原「だったら、いくらだったらいいんだ!!」
麻原は突然声を荒らげ、席を蹴った。

その6日後から、牧の自宅は嫌がらせの電話に襲われた。

「地獄に堕ちるぞ」「牧太郎はいるか」

自宅から駅までの電柱に「でっち上げはやめろ」と大書きされた牧の写真入りビラが貼られた。家族が一歩出ると信者に取り囲まれ、写真が撮られる。そんな嫌がらせがしばらく続いた。信者たちは、毎日新聞社内にも140枚近くのビラを貼り、街宣車で抗議行動を行った。

しかし「サンデー毎日」はオウム批判キャンペーンを続けた。嫌がらせが功を奏さないことに、麻原の怒りは募る一方だった。

麻原は村井に、岡崎と早川をサティアンの4階会議室へ呼ぶよう命じた。

岡崎は取引相手から毎日新聞が地下で印刷所していることを聞き出していた。それなら印刷所を破壊して、休載へ追い込んだらどうだろう。麻原の意見に真剣な幹部達。

その中で一番積極的に提案したのは村井だった。


村井「爆弾を2トン車か何かの車に積載して、毎日新聞社の地下に入れて爆発させればいい。十分だ」

早川「爆弾はあるんですか?」

村井「すぐに作れます、簡単です」

トラックに爆弾を積み、地下で爆発させれば輪転機が壊れ打撃を与えられる。だが当時は武装化が進んでおらず、爆薬の製造に必要な薬品や機器を保有していなかった。

岡崎(村井さんなら…失敗するだろうな)

行き当たりばったりな計画。
この後岡崎と早川2人は毎日新聞社へ下見に向かった。大きな車は地下に入れない構造だった。そもそもサンデー毎日が毎日新聞社で発行されてるかは分らない。そもそも計画は尊師ではなく、村井が立案したものだ。やる気の無い2人は状況を報告し、麻原の意見を伺うことにした。

「サンデー毎日の事務所に入り、爆弾を仕掛けて来られないか調査して来い」

指示を受けた岡崎は、すぐ毎日新聞社の正面入り口へ向かった。編集部へ行くには警備員のチェックが必要だった。名刺を渡してはみたものの、警戒された無理だというのが分った。計画は断念となった。

10月6日。
サンデー毎日のキャンペーンに続き、フジテレビが「おはよう!ナイスデイ」でオウムを取り上げた。出家しようとする高校生を同級生が説得する場面や、「血のイニシエーション」を取り上げ、オウムの異様さを強調する内容だった。13日には第2弾として、信者の両親が「娘を返せ」と抗議する訴えを報じた。

10月9日にはラジオの文化放送でオウム真理教の特集が放送された。この番組には坂本堤弁護士が出演し、5分ほどオウムの問題点を語っている。

テレビ朝日の「こんにちは2時」も、オウムを取り上げた。川上が後ろ姿でビデオ出演し、永岡が生出演に応じた。そこへ麻原たちがスタジオに乗り込んできた。永岡は信者だった息子を番組に出さないよう要請し、局側も約束していた。ところがオウムは長岡の長男を女装させ、オンエア中のスタジオに潜り込ませた。あっけにとられる永岡を尻目に、麻原は意気揚々で引き上げた。



だが、半年の間にオウム真理教はすっかり、スキャンダルをまき散らす得体の知れない薄気味悪い集団として世間に認知されるようになってしまった。


1988年末から89年初頭頃、高弟たちの会合(大師会合)が行われた。その中で、教団の将来の展望について話し合われた。科学部門に300人くらいの科学者を集めよう、といった話もこの頃から出てきた。この時、村井は敵から教団を守るためにヴァジラヤーナ活動を率先する意思を現した。

1989年2月。
田口修二。21歳。
彼はオウム出版の仕事に従事していたが、教団の修行にに疑問を持ち、岡崎一明に不満をを表明した。

「このような営業をやっても功徳にならない。在家信徒のままで家に帰って自分なりに修行したい。」

岡崎は田口の反抗を麻原に伝えた。

村井は田口の様子を確認したところ、どうやら真島事件のことも根に持っているらしい。田口は、護摩壇のとき、真島を入れたドラム缶を運ぶ係をしていた。

村井(尊師の命令にケチをつけてるな。話にならん)

田口が大声で村井を呼んだ。

田口「マンジュシュリーミトラ大師お話があります!」

村井「話は済んだ筈です」

田口「済んでいません!」

村井「あれは事故です。あんなことで教団発展の足を取られる訳にはいきません」

田口「あんなこと…僕が修行してきたのは人類の平和のためです!それなのに」

村井「グルがそうしろとおっしゃったのです。それが救済のためなんです」

田口「僕は間違っていた…ここにはもう居たくありません!」

村井はこのことを麻原に報告した。
真島の死が発覚するのを恐れた麻原は、田口を捕らえると、両手や両足をロープで縛ってコンテナ内に閉じ込めた。田口は一日中、麻原の説法やマントラを聞かされた。



麻原の音源「田口修二お前は魔境だ魔境から抜けろ 田口修二お前は魔境だ魔境から抜けろ 田口修二お前は魔境だ魔境から抜けろ 田口修二お前は魔境だ魔境から抜けろ 田口修二お前は魔境だ魔境から抜けろ 田口修二お前は魔境だ魔境から抜けろ 田口修二お前は魔境だ魔境から抜けろ 田口修二お前は魔境だ魔境から抜けろ」

田口「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

田口「こんなテープを聴いても変わらないぞ!人殺し教団に一秒でもいれるかよ!出せっ!麻原なんてただの詐欺師だーッ」

コンテナ内で脱糞されると困るため、対策としておまるが置かれた。内部は田島の便臭で満たされていった。

2月10日。サティアンビル4階の図書室。
麻原に呼び出された村井は、他の幹部達(岡崎、新実、早川、大内)と田口の処分を検討した。

麻原「マンターニプッタ、お前ならグルのためなら何でも出来るか?」

大内「はい」

麻原「人をポアしろと言ったらポアできるか?」

大内「……はい」

麻原「マンジュシュリーが云うんだ…田口が本気で教団を抜け出ようとしているらしい」

岡崎「本当ですか?」

村井「尊師を殺してでも教団を出ると口走っているくらいです」

麻原「うーん…あいつは真島が死んだ時にもいたからなぁ。あいつがしゃべったら救済も遅れるなぁ」

岡崎「それはまずいですね!」

麻原「お前たち、もう一度行って、田口の様子を見て来い。おまえたちが見にいって、私を殺すという意思が変わらなかったり、オウムから逃げようという考えが変わっていないなら…」


麻原「ポア…するしかないか…」



(NHKの再現映像。一部の人物は仮名が使われている。)

一同「……」

麻原「どうやってポアしたらいい?」

村井「五寸釘を打ってはどうでしょう」

麻原「私は血を見るのは嫌いだからなぁ、血を見ないでやるのがいいな」

新実「ロープならあります!」

村井「後はまた、護摩法で…」

麻原「ロープでいっきに絞めて、その後は骨が粉々になるまで燃やし尽くせ」

新実「尊師がそうおっしゃるなら」

真島事件に関与した田口を教団から脱会させると,真島事件が世間に公表されるおそれがあった。田口の脱会は、麻原や村井にとっても、何としてでも防がなくてはならない事案だった。

村井ら5人の信徒は、田口の監禁場所へ向かった。コンテナへ入ると、田口が両手や両足を縛られたままあぐらを組んで座っていた。



早川「田口、お前…尊師を殺すと言ってるみたいだが本当にそんなこと考えているのか?」

田口「脱会できなければ、もしかしたらそうするかもしれません」

早川「本当にオウムを辞めようと思っているのか?」

田口「当たり前でしょ!真島さんを燃やしたんですよ!彼は在家信者だった!家族だっている!」

岡崎「田口、居間ならまだ間に合う。グルに謝れ」

田口「嫌です、そもそもここに来たことが間違いだったんだ」

(社会から逃げてここに居場所を求めた。僕の存在意識を認めてくれると信じていた。だけどオウムは変わった。僕は純粋に修行をしたかっただけなのに…)

田口「ねぇ新実さんここから出ましょう、ここは異常だ」

田口「アングリマーラ、村井さん、あなたたちだって分っているんでしょ?教団はどんどんおかしくなってきてます」

田口「一緒に逃げましょう、早川さんも…」

田口「頼む…目を覚ましてくださいッ!麻原はペテン師なんだ!!!」
「ははは…無駄か…」「そうだよな、あんたたちも壊れているんだもんな」

早川「田口」

田口「もう無理です!脱会します!」

早川「今からもう一度尊師のところに行ってもういちど話し合おう」

田口「もういいですって!話し手も同じですよ!」
「早川さん、あんたも早く目を覚まさないときっと大変なことになりますよ」

早川「なっ」

村井「早川さん」

(信者たちが動揺し始めてる。このままだと教団が瓦解してしまう。自分が妻と一緒に、全財産をはたいて出家した意味も完全に失うことになる。)

村井の脳裏に、「ヴァジラヤーナの教え」がよぎった。村井は覚悟を決めると、田口をなだめるように声をかけた。

村井「田口さん、グルも待っておられます。途中で暴れたりしたらいけないから目隠ししますよ」

村井は布を田口の顔に巻いた。それに呼応したかのように、他のメンバーたちも、隠し持っていたロープを準備した。



村井「…君を失うのは残念だ」

田口「えっ」



田口を取り囲むと、新実がロープで首に巻き付け、勢いよく絞めつけた。田口は激しく抵抗した。

村井「暴れるなよ」

村井達は田口を押さえつけ動きを封じると、新実が首をひねった。

「ゴキッ!!」

田口の首が折れた。骨折する音が、コンテナ内に大きく響いた。
初めての殺人に、皆閉口した。

罪悪感を感じた者もいたかもしれないが、殆どは使命感の余韻に浸っていたのだろう。

しばらくして、村井が沈黙を破った。

村井「…我々は田口の魂を救済しました。このまま生きていても悪業を積んでしまう。田口はポアにより高い世界へ転生されたのです」


田口の亡骸は、前回の事故隠しと同様に、護摩壇で焼却することになった。
麻原「もっとはやく燃やす方法はないのか?」

早川「灯油を中にも入れましょうか?」

麻原「それで骨がなくなるまで粉々に出来るか?」

村井「酢も入れるといいかもしれません」
この時村井は何故か可燃性のない酢を入れるよう提案したという。その提案に麻原は

麻原「ヨシ、やってみろ!」と即答した。

首をへし折る感触が、まだ手に残っているのだろうか。
新実が興奮しているのを村井は察した。
後日、村井は麻原の部屋へ入り、信者達の状況を報告した。

村井「あの後ミラレパ大師が動揺しています」

麻原「修行が足りんな。ヴァジラヤーナの詞章を毎日唱えさせなさい」

村井「ハイ」

事件後、麻原は実行犯たちに次の様な教義を伝授した。

新実「悪業は殺生となる。私は,救済の道を歩いている。多くの人の救済のために,悪業を積むことによって地獄に至っても本望である」

麻原は新実や岡﨑に、これを毎日唱えるように指示した。

田口の遺灰は15時間、念入りに焼却された。残りは富士山総本部道場の敷地内に撒かれた。

村井は灰を敷地に撒いたことを麻原に報告した。麻原は安堵した。

村井にとってオウム真理教は、ヨガ体験や科学実験ができる理想の場所であった。そんな理想郷を、反抗的で身勝手な輩に潰されるのを村井は許さなかった。村井は密告して仲間をこき下ろし、冷静に事件を処理してみせることで麻原に最大限の忠誠を示し、幹部へと出世してくのである。



1988年9月22日。村井がオウムへ入信してから2年が経っていた。既に信徒数は3000名に増え、静岡県富士宮市に富士山総本部道場が開設した。

富士山総本部道場で行われていた「100日修行」の途中泊まり込みで修行にきていた信者の一人、真島照之(25)が突然、道場を走り回り壇上に上がって大声を上げるトラブルが起きた。
真島はもともと薬物中毒気味の体質で他の信者の修行を妨げることも多く、教団からは問題児扱いされていた。

村井はこの奇行を麻原に報告した。

村井「先ほどから真島が正気を失い奇声を上げて暴れ回っていますが」

麻原「頭がショートしておかしくなってるんだろう。風呂場に連れて行って水で頭を冷やせば治るだろ」

村井「承知しました」

村井は、早川紀代秀、岡崎一明、新実智光と共に、真島を取り押さえると女子浴室へ連れて行った。
このとき村井は現場を仕切り、麻原の指示通り、真島の顔にバケツで水をかけて冷やさせたが、それでも真島が暴れたため、今度は男子浴室へ連れて行き、ホースで水をかけ、4人で真島の頭を数回浴槽へ沈めた。

すると真島がぐったりとしたまま、動きを止めた。そこで今度は顔にシャワーを浴びせることにした。真島は動かないままだ。


村井は焦った。急いで医師の平田雅之を呼ぶことにした。


平田雅之「おい!いつまでやってるんだ!」

信者「マンジュシュリー大師はやめろとは言ってません!!」

平田雅之「もうやめとけ!」シャワーを止めさせた。

平田雅之「真島、聞こえるかッ?大丈夫かッ真島!」
「み…脈が無い…」


容体を確かめたところ、真島の呼吸は止まり、瞳孔が開いていた。
すぐ人工呼吸や心臓マッサージを試みた。

「尊師!」
麻原は、真島の頭に手を置き「シャクティ・パット」をしてみたが反応はない。

麻原「5大エレメントが分解した。もうダメだな」

村井は修行には積極的だった。しかし、ヨーガの行法にはろくに精通しておらず、麻原から渡されたマニュアルを読まなければ信徒からの対応ができていない状態だった。

当時教団は宗教法人としての認可に向けて動いていた。
事故が発覚すれば過失致死で罰せられるだろうし、オウムの評判は地に落ちるだろう。
麻原は幹部を会議室へ招集し、村井もこの会議に加わった。

麻原「教団に問題が生じた。ようやく、事故か違法活動の勢いがついてきたところであるのに、ここで公になれば、勢いは落ちるであろう。このことを公にするのは、さらに別の問題を生み出すことになると私は思う。最前の対応について、意見を言ってほしい。」

石井久子「宗教法人の認可ももうすぐ申請する予定です。今回のことが公になると所為人が遅れる可能性があります」

麻原「このまま警察に届けるか?届けると救済計画も大幅に遅れるな…」

知子「ここはどうでしょう。内々に処理した方が」
松本知子が事件の隠匿を提案した。石井と早川がこれに同意した。

麻原「村井はどうだ?」

村井「真島もグルにポアしてもらった方が幸せだと思います」

麻原「じゃあ具体的にどう処理する?」

村井「同情の床下に埋めてはどうでしょう」

結局、早川の提案で遺体は神への供物として果物や野菜を焼くのに使用する護摩壇で焼却することにした。村井も早川、岡崎と一緒に焼却の手伝い、大量のガソリンをかけた。

村井「準備…できました」
麻原「心を強く持て」

岡崎が新聞紙を点火し、護摩壇に火をうつした。

麻原「みんなでマントラを唱えろ」
「これはヴァジラヤーナへ入れというシヴァ神からの示唆だな」


麻原「オーム・マニ・ペメ・フーム」

村井「オーム・マニ・ペメ・フーム…」

岡崎・早川「オーム・マニ・ペメ・フーム」

その晩、マントラを唱えながら、村井はオウムに忠誠を誓った。

真島の骨は石井久子ら女性信者達がカナヅチで砕き、さらにすり鉢で粉々にして上九一色村の精進湖へ流した。