村井事件前日譚:田口修二の粛正 | 村井秀夫刺殺事件の真相を追って

村井秀夫刺殺事件の真相を追って

村井秀夫は何故殺されたのか?徐裕行とは何者なのか?
オウム真理教や在日闇社会の謎を追跡します。
当時のマスコミ・警察・司法の問題点も検証していきます。
(2018年7月6日、麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚らの死刑執行。特別企画実施中。)


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1988年末から89年初頭頃、高弟たちの会合(大師会合)が行われた。その中で、教団の将来の展望について話し合われた。科学部門に300人くらいの科学者を集めよう、といった話もこの頃から出てきた。この時、村井は敵から教団を守るためにヴァジラヤーナ活動を率先する意思を現した。

1989年2月。
田口修二。21歳。
彼はオウム出版の仕事に従事していたが、教団の修行にに疑問を持ち、岡崎一明に不満をを表明した。

「このような営業をやっても功徳にならない。在家信徒のままで家に帰って自分なりに修行したい。」

岡崎は田口の反抗を麻原に伝えた。

村井は田口の様子を確認したところ、どうやら真島事件のことも根に持っているらしい。田口は、護摩壇のとき、真島を入れたドラム缶を運ぶ係をしていた。

村井(尊師の命令にケチをつけてるな。話にならん)

田口が大声で村井を呼んだ。

田口「マンジュシュリーミトラ大師お話があります!」

村井「話は済んだ筈です」

田口「済んでいません!」

村井「あれは事故です。あんなことで教団発展の足を取られる訳にはいきません」

田口「あんなこと…僕が修行してきたのは人類の平和のためです!それなのに」

村井「グルがそうしろとおっしゃったのです。それが救済のためなんです」

田口「僕は間違っていた…ここにはもう居たくありません!」

村井はこのことを麻原に報告した。
真島の死が発覚するのを恐れた麻原は、田口を捕らえると、両手や両足をロープで縛ってコンテナ内に閉じ込めた。田口は一日中、麻原の説法やマントラを聞かされた。



麻原の音源「田口修二お前は魔境だ魔境から抜けろ 田口修二お前は魔境だ魔境から抜けろ 田口修二お前は魔境だ魔境から抜けろ 田口修二お前は魔境だ魔境から抜けろ 田口修二お前は魔境だ魔境から抜けろ 田口修二お前は魔境だ魔境から抜けろ 田口修二お前は魔境だ魔境から抜けろ 田口修二お前は魔境だ魔境から抜けろ」

田口「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

田口「こんなテープを聴いても変わらないぞ!人殺し教団に一秒でもいれるかよ!出せっ!麻原なんてただの詐欺師だーッ」

コンテナ内で脱糞されると困るため、対策としておまるが置かれた。内部は田島の便臭で満たされていった。

2月10日。サティアンビル4階の図書室。
麻原に呼び出された村井は、他の幹部達(岡崎、新実、早川、大内)と田口の処分を検討した。

麻原「マンターニプッタ、お前ならグルのためなら何でも出来るか?」

大内「はい」

麻原「人をポアしろと言ったらポアできるか?」

大内「……はい」

麻原「マンジュシュリーが云うんだ…田口が本気で教団を抜け出ようとしているらしい」

岡崎「本当ですか?」

村井「尊師を殺してでも教団を出ると口走っているくらいです」

麻原「うーん…あいつは真島が死んだ時にもいたからなぁ。あいつがしゃべったら救済も遅れるなぁ」

岡崎「それはまずいですね!」

麻原「お前たち、もう一度行って、田口の様子を見て来い。おまえたちが見にいって、私を殺すという意思が変わらなかったり、オウムから逃げようという考えが変わっていないなら…」


麻原「ポア…するしかないか…」



(NHKの再現映像。一部の人物は仮名が使われている。)

一同「……」

麻原「どうやってポアしたらいい?」

村井「五寸釘を打ってはどうでしょう」

麻原「私は血を見るのは嫌いだからなぁ、血を見ないでやるのがいいな」

新実「ロープならあります!」

村井「後はまた、護摩法で…」

麻原「ロープでいっきに絞めて、その後は骨が粉々になるまで燃やし尽くせ」

新実「尊師がそうおっしゃるなら」

真島事件に関与した田口を教団から脱会させると,真島事件が世間に公表されるおそれがあった。田口の脱会は、麻原や村井にとっても、何としてでも防がなくてはならない事案だった。

村井ら5人の信徒は、田口の監禁場所へ向かった。コンテナへ入ると、田口が両手や両足を縛られたままあぐらを組んで座っていた。



早川「田口、お前…尊師を殺すと言ってるみたいだが本当にそんなこと考えているのか?」

田口「脱会できなければ、もしかしたらそうするかもしれません」

早川「本当にオウムを辞めようと思っているのか?」

田口「当たり前でしょ!真島さんを燃やしたんですよ!彼は在家信者だった!家族だっている!」

岡崎「田口、居間ならまだ間に合う。グルに謝れ」

田口「嫌です、そもそもここに来たことが間違いだったんだ」

(社会から逃げてここに居場所を求めた。僕の存在意識を認めてくれると信じていた。だけどオウムは変わった。僕は純粋に修行をしたかっただけなのに…)

田口「ねぇ新実さんここから出ましょう、ここは異常だ」

田口「アングリマーラ、村井さん、あなたたちだって分っているんでしょ?教団はどんどんおかしくなってきてます」

田口「一緒に逃げましょう、早川さんも…」

田口「頼む…目を覚ましてくださいッ!麻原はペテン師なんだ!!!」
「ははは…無駄か…」「そうだよな、あんたたちも壊れているんだもんな」

早川「田口」

田口「もう無理です!脱会します!」

早川「今からもう一度尊師のところに行ってもういちど話し合おう」

田口「もういいですって!話し手も同じですよ!」
「早川さん、あんたも早く目を覚まさないときっと大変なことになりますよ」

早川「なっ」

村井「早川さん」

(信者たちが動揺し始めてる。このままだと教団が瓦解してしまう。自分が妻と一緒に、全財産をはたいて出家した意味も完全に失うことになる。)

村井の脳裏に、「ヴァジラヤーナの教え」がよぎった。村井は覚悟を決めると、田口をなだめるように声をかけた。

村井「田口さん、グルも待っておられます。途中で暴れたりしたらいけないから目隠ししますよ」

村井は布を田口の顔に巻いた。それに呼応したかのように、他のメンバーたちも、隠し持っていたロープを準備した。



村井「…君を失うのは残念だ」

田口「えっ」



田口を取り囲むと、新実がロープで首に巻き付け、勢いよく絞めつけた。田口は激しく抵抗した。

村井「暴れるなよ」

村井達は田口を押さえつけ動きを封じると、新実が首をひねった。

「ゴキッ!!」

田口の首が折れた。骨折する音が、コンテナ内に大きく響いた。
初めての殺人に、皆閉口した。

罪悪感を感じた者もいたかもしれないが、殆どは使命感の余韻に浸っていたのだろう。

しばらくして、村井が沈黙を破った。

村井「…我々は田口の魂を救済しました。このまま生きていても悪業を積んでしまう。田口はポアにより高い世界へ転生されたのです」


田口の亡骸は、前回の事故隠しと同様に、護摩壇で焼却することになった。
麻原「もっとはやく燃やす方法はないのか?」

早川「灯油を中にも入れましょうか?」

麻原「それで骨がなくなるまで粉々に出来るか?」

村井「酢も入れるといいかもしれません」
この時村井は何故か可燃性のない酢を入れるよう提案したという。その提案に麻原は

麻原「ヨシ、やってみろ!」と即答した。

首をへし折る感触が、まだ手に残っているのだろうか。
新実が興奮しているのを村井は察した。
後日、村井は麻原の部屋へ入り、信者達の状況を報告した。

村井「あの後ミラレパ大師が動揺しています」

麻原「修行が足りんな。ヴァジラヤーナの詞章を毎日唱えさせなさい」

村井「ハイ」

事件後、麻原は実行犯たちに次の様な教義を伝授した。

新実「悪業は殺生となる。私は,救済の道を歩いている。多くの人の救済のために,悪業を積むことによって地獄に至っても本望である」

麻原は新実や岡﨑に、これを毎日唱えるように指示した。

田口の遺灰は15時間、念入りに焼却された。残りは富士山総本部道場の敷地内に撒かれた。

村井は灰を敷地に撒いたことを麻原に報告した。麻原は安堵した。

村井にとってオウム真理教は、ヨガ体験や科学実験ができる理想の場所であった。そんな理想郷を、反抗的で身勝手な輩に潰されるのを村井は許さなかった。村井は密告して仲間をこき下ろし、冷静に事件を処理してみせることで麻原に最大限の忠誠を示し、幹部へと出世してくのである。

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