

男性信者「止めてください!」男性信者(青ジャージ)「止めてください!」
男性記者「血が出てるよ…?」

男性信者(青ジャージ)「アッ!刃物持ってる!!」

建物内へ落ち延びた村井は、最後の力を振り絞り、自分を刺した朝鮮人を睨みつけた。

激痛が走る。体が重くなる。目眩に襲われる。

意識が遠のく。呼吸が苦しくなる。足の力が抜ける。

…息ができない。

かつて自分が殺めた人たちの恐怖と絶望が、村井の心と体を蝕んでいく。

村井の顔はみるみる青くなり、傷口を押さえる気力が抜けた。瞳孔が開いていた。
「ぽた、ぽた、ぽた」
村井の体からどす黒い血のりが、滴りながら床の周りを汚していく。
警備のサマナたちが言った。
「お願いですから横になってください」
村井はドアの方へ仰向けになって倒れ込んだ。

血が一面に広がった。
