第一章:村井秀夫VSカイル・オルソン② | 村井秀夫刺殺事件の真相を追って

村井秀夫刺殺事件の真相を追って

村井秀夫は何故殺されたのか?徐裕行とは何者なのか?
オウム真理教や在日闇社会の謎を追跡します。
当時のマスコミ・警察・司法の問題点も検証していきます。
(2018年7月6日、麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚らの死刑執行。特別企画実施中。)

●傍証



村井とカイル・オルソン氏の討論後、番組は次のコーナーへ移った。
題名は「爆弾証言!元オウム”細菌部隊”幹部に上祐氏が猛反論!!」。

元オウム幹部が匿名でサリン生成を告発するVTRが流れ、その特集を元に上祐と出演者たちが討論をする予定だった。ところが、番組は村井とオルソン氏の討論を続けさせる異例の事態となった。


草野「えーということでVTRの方は元信者の方、が、細菌兵器の開発に携わったことがあるという証言、ご覧頂いたと思うんですが、議論をちょっと戻しまして」木村「そうですね、その前の話ですけどね」



草野「先ほどもそうでしたね、オルソンさんの質問の途中になりました」木村「ハイ」村井「何故~」

草「えーあの第7サティアンの施設がどうして、あの、あのープラント自体を隠すような構造になっているのかと、これは非情に疑問だとおっしゃったのですが村井さん、答えて頂きたいと思います」

村井「はい、あれは隠したんではなくて、あのプラントを破棄しまして、そこに新たに作ったんです。それで最大限の大きさをとるためにあのような形になっています。」



木村「破棄するなら全部壊せばよかった、っていう見方もありますけど」

村井「あのー…まぁ事情があって、あの出来るだけ早く作りたかったものですから」

木村「どういう事情ですか?」草野「ウン」村井「ハイ?」

木村「どういう事情で…」草野「その事情というのは?」

村井「事情っていうのは、あの私たちが、その、あらぬ嫌疑を掛けられていると、いうことで」
草野「ウン」

村井「その…タンクその他運び出す所なかったんです」

草「あ、逆に」上祐「付け加えると」草野「ちょっ、ちょっと待ってください上祐さん、あのー」
上祐「あらぬ!」草野「ちょっと待ってください」上祐「説明をしますと」草野「分かりました、ちょっと待ってください」



上祐「ああいうプラントをですね」草野「えぇ」「運び出すときに大変な作業である点と、それからあのプラン、プラントの保存措置、これは全くしていません。そして配管、その他重要な部品を完全に打ち壊し、そしてDDVP関係の、原料も、大部、除去されていることを考えて頂ければ、完全に破壊され、例えば秘密裏に動かそうとかしてとかないということが、論理的に科学的にお分かりになると思います」

草野「あのーDDVPの製造を試みて」
村井「建物をー壊して」草野「村井さん、ちょっといいですか」

草野「製造を試みたけど途中で断念したと、いうことなんですけれども、もしそうであれば、あらぬ嫌疑をかけられたとしても、そのまま放置してもですね、そのことが疑惑に繋がるということは絶対あり得ないんじゃないかと素人はそういう風に判断するんですが」

村井「いや、それは違います、あの、今のお話ですが、あのーもう溶接されていまして、建物自体を完全に壊さないと、あのー出せない状態だったというのが一つあります。それからもう一つは、既に嫌疑のかかった状態で、あの、私たちに、その、申し開きをできる状態じゃなかった訳です。」

草野「んー」有田「じゃあ申し開きを」木村「あのー逆に、そのまま保存した方が申し開き…」
有田「申し開きをするために、申し開きをするために…村井さん」

村井「で、専門家の方にお伺いしたいことがあるんですが」

草野「ちょっ!ちょっと待ってください」



有田「村井さん、村井さん、村井さん」

草野「村井さんちょっと待ってください」

有田「申し開きをするために、発砲スチロールで慌ててシヴァ神を作った訳ですか」

村井「違います、あれはまるでマスコミがー」江川「オウム真理教が…」

有田「それでマスコミの人とか…」

村井「ハイ?」

有田「マスコミの人とか…オウム真理教を擁護する宗教団体を呼んできて、マスコミ操作をしたのは貴方たちじゃない!」村井「もうあれはプラントとして使っておりませんし」



江川「オウム真理教では、その、仏像とかそういうのは普段から発泡スチロールで作る習慣が」



村井「発泡スチロール!発泡スチロール、というのが非情に、あの言葉が、きっ、なんていうか…僕たちに聞こえるので、訂正して頂きたいんですが、あれはあの、一般的なその…例えばテレビが入っている箱の発泡スチロールではなくって、あの、もう少ししっかりした、あの、どちらかというとあの…スタ…えぇっ…なんて言いますかね、スチレンフォームと言いますか」

草野「ハイ道理は分かりました」

江川「でも普段からそういうもので仏像を作る習慣がある」

村井「えぇ、それはあの…材料にはあの…材料はあれで十分だったと思います。それでないと…」

草野「今のね、村井さんの質問、あの、おっ、おくたい、お答えに対しまして、オルソンさんは納得なさったでしょうか、どうでしょうか?」



オ「まぁ、可能性としては、それが、色んなこと説明するために作られたことは考えられるんですが、これらすべて総合したときに、とても説明し難いんじゃないかと思うんですけど、これだけでは。」


村井「……」

(村井、徳光氏に顔を向ける。)

(すぐにうつむく。)

オ「Murai san」村井「」

オ「村井さんが、以前聞かれたんですけれど、サリンが製造可能な場所が他にあるか聞かれたんですけれども、私はサリンが非常に簡単に作れると思っていますし、使用は大変難しいですし、配送という問題でも非常に問題ありますけれども、あと、その使用そのものを、精義つけるのは無理があると思うんですけでども」上祐、小声でぶつぶつ呟く。

草野「村井さん」

村井「えぇ、あの、ちょっとその、答えに一部入っていたんですが、あのー、専門家の方にお伺いしたかったのは、一体どれくらいの設備があれば、サリンが出来るのか、それで、まぁそれで、例えば日本で私たちの所しか、それが出来ないと、言う場合に主張されているのか、そのへんを聞きたかった訳です」

草野「はい、はい、えぇ」村井「えぇ」

村井「で、どれくらいの…期間だったのかと」

オ「まぁ、その生成、小さな実験室レベルでの生成に関して言えば、大して、非常に難しいと言われるものではないと思います。簡単にそれが製造できるレベルの実験室はあると思います」

村井「どれくらい」

オ「しかし、ごく少数の人々しか、そのような原材料、そのような毒性の高いものを、作ろうとしている人たちはいないと思いますし、メチルホスホン酸ということにしても、たとえイソプロピルにしても、あと、周辺の設備から検出されたこのようなものたちから考えても神経ガスの可能性が極めて高いと思います。農薬ではないと思います」

草野「ということで村井さん、よろしいでしょうか。あのー、もう議論としては当然限界があると思います」

村井「数としては、あのーかなりの数の、既設で作ることが出来るとおっしゃっていました。で、私たちとしては、そういう所に捜査、せずまぁ初めに私たちの、機関で作ったと、予断のもとに捜査されておりますので、まぁ、例えば第3、第4の犯行が防げないと危惧を抱いております」

江川「んで、オルソンさんの」草野「第4の犯行が、防げないのではないか」

村井「要するに真犯人が、私たちのところ、捜査しただけでは捕まりませんから、心配なわけです」
草野「んー」



江川「あの、オルソンさんに一つ質問があるんですけども、これだけの設備があってね、販売ルートもなくて、農地も持ってないのに農薬を作っている工場を今までご覧になったことがありますか?」
上祐「農業の専門家じゃないもん(小声)」



オ「まぁ…そのー、農薬に関して言えば、非常に疑惑が多いと思うんですけども、第1にこれは非常に、自給するには非常に奇妙なものだと思いますし、非常に…あんまり一般的ではない、選択肢だと思います。あと、設備としても非常に密なものですし、壁の中とか間とかにありますし、それぞれの事柄がすべての事実というのが、化学薬品が市販向けに作られているとかそういうことは異様と言えば言えるかもしれませんけれども、しかし、非常に懐疑的にならざるを得ないと思いますし、これらのすべて、情報を統合したときに、どうも詳しいような気がします」



草野「あの、まぁオルソンさんに納得できない」
村井「あっ、オルソンさん、是非あのー」草野「ちょっと待ってください」

村井「私たちの所に見に来て頂きたいと」
木村「えぇ、そうですね!はい」

草野「それでこれはあのー、まだ捜査中ですので現在見られませんが、捜査が終わった段階でオルソンさんに、中に入って頂いて、細かくチェックをして頂くと、村井さん約束できますか?」

村井「それはあの、是非やって頂きたいと思います」

常石「ちょっと一つ…」村井「他にも色んな工場がありますので、是非見て頂きたいと」



常石「あのー、村井さんね」

常石「さっき村井さんがおっしゃったですね、まぁ言って見れば大学の研究室やなんかでどこでも出来るからどこにでもサリンがあっておかしくないと、言われたのはその通りだと思う。ただしね、あのこの前その他のテレビ局の後で村井さんとお話したときに、あのー言い忘れたん、で、今村井さん自身はオウムでのそのー信仰とオウムの科学での仕事、それがすべて自分の人生にとって非常に有意義であると、言うようにおっしゃったね?

村井「あーはい」

常石「んー、で、ところがね、僕なんかが見て違うなと思うのは、普通の科学者というのは論文を発表するするのがすごく大事なのね。で、そういう人たちがですね、サリンなどを作ってしまうとね、それは論文が発表できない、周りが死者がバタバタ出てきてしまう。ですからそういう意味では普通のサリンが出来るような大学の施設は、あるいは通常の製品を売る会社なんかですね、サリンを作る危険性というのは非常に少ない、で、一方村井さんたちが確かに科学のサイエンスの能力があってもね、そういうその研究を公表されていない」


村井「してますよ?」

常石「うん、じゃあ論文出てますか?」

村井「その自社の出版物で、かなりやっていますし…」
(同時に村井、上祐、草野、常石、の声がかぶる)

常石「そのへんももう少し」上祐「だからあのー要するに研究レポートを」
常石「上祐さん!上祐さん!手に、私が発言中ですよ」

上祐「出しているか出していないかサリンを作るか作らないか判断基準があるかおかしいじゃないですか」
常石「上祐さん、アッハハハ(苦笑)」


有田「上祐さんまた始めんなよ」草野「上祐さんちょっと待ってください」

上祐「揚げ足だと思いますねぇ」常石「違う!だからね、公表というのはすごく重要なのね」「それは揚げ足といいます」「そこが不十分だから疑惑を招くというのは僕はあると思いますよ?」
草野「えぇ、これは素朴な質問だと」上祐「私は…」



討論が過熱する中、村井は終始無言だった。その横のオルソン氏は通訳に耳を傾け続けていた。ここでCMが始まり、オルソン氏の出演は終わった。


●教団緊急幹部会

村井は4月7日のテレビ朝日の番組で、昨年7月に起きた教団周辺施設の異臭事件の原因は「農薬製造」の際に起きた失敗と発言。それまで教団が主張していた「毒ガス攻撃を受けていた」という説を覆してしまった。

更に早川が、サリン事件に使われたビニール袋が警察に押収されたという情報を掴んだ。

そして今回、村井は自ら設計した第7サティアンの科学プラントに毒ガス製造装置に使われる特殊金属ハステロイを使っていることを明かし、教団のサリン製造疑惑に決定的な傍証を与える発言をしてしまった。

こうした「村井発言」を受け、4月18日、教団緊急幹部会が開かれた。

その席上で、早川紀代秀は麻原、幹部らの目前で村井を殴りつけた、と上祐は証言している。

早川は村井がビニール袋を処分し忘れたのではと疑い、激しく問詰めた。

村井「片付けたはずだ、片付けるよう部下に指示したはずだ」

早川「絶対に嘘をつくなよ!!!」

教団No.2で正大師である村井に、ワークステージ下の正悟師に過ぎない早川が暴力を振るうことは、ふつうなら考えられない。だが、村井は殴られるままだった、と上祐は主張している。

「村井がしゃべってしまう」。

その危機感を幹部の誰もがいだいた。

日本テレビは4月22日に再び村井とカイル・オルソンを討論させようと企画したものの、村井は「オルソン氏と一緒なら出ない」と断った。