ひとみ通信286
2010年(平成22年)2月16日発行
「糠(ぬか)に釘」
私が運営していた教室は、原則週2回。
教室には休まずやって来るけれど・・・
・自転車をきちんと並べて停められない!
・靴を揃えて靴箱に入れられない!
・鉛筆・消しゴムがすぐ行方不明になる!
・学習済みのプリントを、番号順に向きを揃えて提出できない!
・隣の席で学習中の人がいても、平気で机を揺らす!
・・・などなど・・・
この中から優秀児を探し出せと言われても、なかなか難しい・・・。
縁あってこの教室へ通って来てくれる人たちには、みんな今より賢くなってもらいたいと思うから、気が付けば注意します。
一度の注意で治せる人もいれば、
何度注意しても「糠に釘」の人もいるんですよね・・・
私の尊敬する先生の著書に、こんな一節があります。
『学力がつくのは頭か態度かということになりますと、頭が良くてもムラがあって長続きしない子より、真面目に怠らず勉強する態度を持った子が一流大学進学の目標を達成できるように思われます。
また真面目な態度というのは、母親の地味な心掛けに負うことが最も大きいようです。
頭か態度かということになると、私は態度さえ良ければ学力がつくものと考えます。』
Aくんは字がとても乱雑。
消しゴムもうまく使えません。
やり終えたプリントも連絡物も、ゴソッと鞄に放り込む。
当然宿題プリントもどこかへ行方不明になり、提出できないこともしばしば。
毎回注意するけれど、文字通り
「糠に釘」
そこで、お母さまにお願いしました。
「Aくんが帰ったら、『その日の学習済みプリントを見せて!』と声かけして、プリントを手に取ってみてください。
赤ペンで一言書いてあれば、声を出して読んでください。
仕事でお忙しいのは重々承知していますが週2回、2~3分間、それだけをぜひ!」
・・・と。
お母様はその日から、すぐ実行してくださいました。
それが小5になったばかりのときのお話し。
そこからほどなくAくんは大変身。
中2の頃には高1程度の教材をらくらくこなし、何事にも自信を持って取り組めるようになっていました。
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岡山の南部にある自宅を改装して学習塾を開設。
以後、約40年間代表を務めてまいりました。
その40年間の間に、生徒さんとその保護者、そしてスタッフ側が共通の話題を共有できるようにと様々な通信物を定期発行して来ました。
・単純な学力向上の方法論のみではなく、ちょっとした気づきになればいいな!
・ちょっとした投げかけが、それぞれのご家庭にて親子で話し合う一助になればいいな。
・私自身が感動、感銘した話題を、関わりの深い方々とシェア出来たらいいな。
そんな想いで過去に書き綴った内容を、改めて本ブログにも遺しておきたいなという企画です。
自分への備忘録という位置付けでおりますが、ほんの一部分だけでもどなかたの心に残ればうれしいです。
もしかしたら、どなたかの著作物等から拝借している内容が含まれる可能性もあります。
その場合、ご連絡いただければ速やかに対処致します。
プライバシー等にも配慮しているつもりではありますが、なにぶん数十年前の記述が中心なので、失礼がありましたらお許しください。
人見 英子