弱点リベロを誰に託すのか?(眞鍋JAPAN) | 福永英樹ブログ

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 パリ五輪出場をかけたVNL(5/15~)まであと2ヶ月を切りましたが、改めて昨秋のワールドカップのトルコ戦やブラジル戦の動画を見直してみると、眞鍋監督が言及されたようにレセプションがチームの弱点であることがわかります。そしてその中心となってレベルアップを図るのがリベロなのですが、残念ながら2戦ともそこが相手サーブのターゲットになっていました。それを受けて眞鍋監督は今年4人のリベロを代表選手登録しましたが、果たして誰がたった1人に託す五輪リベロに抜擢されるのでしょうか?


 昨年のVNLを振り返ると、まずVリーグでレセプション成功率日本記録を達成した西村(久光)にスタメンを託しました。しかしドイツ戦でそれまで彼女が受けたことがないような欧米人ならではの強烈かつ変化が大きいサーブに苦戦し、一時的にレセプションに対する自信を失ってしまいます。個人的にはシニアの国際大会初参戦だった西村ですから、理論より経験を積むことが大切で、今年は一味違ったレセプションに期待したいです。また西村がリベロ2年目ということでディグや繋ぎに未熟さがあり、ワールドカップでは福留(デンソー)にスタメンの座を譲るこてになります。しかし対戦相手がサーブの強烈なトルコやブラジルになると、元々苦手だった福留のレセプションが不安定さを露呈します。ブラジル戦はフルセットの惜敗でしたが、第1セットのスタートから福留のレセプションが3連続で相手コートに達しそうな高さになり、セッター関がまともなトスを上げきれませんでした。そのため日本チームは勢いに乗れず第1セットを落としてしまい、この大事な試合を有利に展開することができませんでした。眞鍋監督もちょこちょこ西村と交代させて対応を試みますが、第5セットの10対10からの場面で、林と両リベロがサーブに崩されて5連続得点をブラジルに許してしまいます。ブラジルサイドは勝因について、『日本が勝手に崩れてくれた』とコメントしています。


 さあこの失敗を受けて眞鍋さんは山岸(埼玉上尾)と小島(NEC)を再召集しましたが、小島はともかく、2022年世界選手権でサイドの内瀬戸真実さん(レセプションの名手)にポジションを奪われた山岸が、この課題を修正できるとはどうしても思えません。彼女には悪いですが、怪我や故障に備えたリザーブ要員ではないでしょうか。そして残るカードは昨年アジア選手権(銅メダル)のみの代表活動だった小島ですが、Vリーグで西村とサーブレシーブ賞を僅差で競ったことが示すように、29歳にして苦手だったレセプションを見事に改善しました。元々スーパーディグを連発したりリーダーシップを取る精神力も高い彼女ですから、レセプションさえ克服すれば正に鬼に金棒です。ただ彼女も西村と同じように、欧米選手の強烈なサーブで安定感を保てるかについては未知数ですから、米国遠征でアメリカ代表選手のサーブを受ける時が勝負になりそうです。従って個人的には、VNLは小島と西村の参戦がベストだと考えています。果たしてどのような人選になるのか、なかなか入ってこない日本代表チームの情報を首を長くして待つことにしましょう。