大崎琴未(東レ・MB)日本代表入りの可能性は?! | 福永英樹ブログ

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 フルセットの熱戦となった日曜日のNEC対東レ(Vリーグ)は、いわば『日本代表主将 古賀紗理那と日本代表正セッター 関菜々巳の意地と意地とのぶつかり合い』のような素晴らしい試合でした。ただそんな二人の陰で、静かですが山田二千華(NEC・184cm)と大崎琴未(東レ・180cm)のミドルブロッカー対決があったことにを皆様お気づきだったでしょうか? 


 まず試合巧者のNECが第1セット終盤で抜け出そうとした直後に、大崎の絶妙なブロックと巧みなサーブで東レが逆転し、眞鍋JAPANの主戦ミドル山田の気持ちに火がつきました。年齢は山田の方が一歳年上ですが、大崎の打点の高さは彼女に勝るとも劣らず、マイナステンポの速攻の速さは大崎の方が上回っていたからです。この勢いを見た山田は、第2・第3セットで得意のブロックで東レの攻撃陣を封じ込めます。しかし大崎は入団の頃から得意だったサーブでペースを取り戻し、再び速攻とブロックでNECの勢いを止め、第5セットでも大活躍してチームを勝利に導きました。まあ東レのセッターがミドルを多用する関であるのに対し、NECが昔の堅守速攻ではなくサーブ&ブロックのスタイルに変わったため、セッターがあまりミドルを多用しなくなったこともありますが、この試合に関しては大崎に軍配が上がったということです。ただ大崎は移動攻撃をまだ完全にマスターしていないようですから、山田や日立の渡邉のように前衛二枚(セッター隣のポジションでいわゆる表ミドル)での本格的な実績があるわけではありません。とはいえ代表正セッター関と長年コンビを組んできたことに加え、眞鍋日本代表監督が重視するサーブが強力なことは大きな武器です。従って久光の荒木の左薬指骨折の回復具合によっては、彼女が山田の対角ミドルとして五輪出場がかかったVNLに抜擢される可能性が出てきました。

 そしてこれは私の直感ですが、大崎の顔つきをみると入団当初とはまったく違うように見え、その言動からも精神的に非常に充実している様子がうかがえます。今現在の彼女の個人成績を確認すると、アタック決定率が49.7%の第3位で、セットあたりのブロック決定本数は0.53の第8位、サーブ効果率も第5位につけています。大したことないと思われる方もいるかもしれませんが、東レの低いレセプション成功率(最下位)や若いレフト陣の決定率とブロックの未熟さを考慮すれば素晴らしい数字だと私は思います。日本代表登録選手の発表はおそらくVリーグレギュラーラウンド終了の翌日である2月12日だと思いますが、当該選手所属先へは既に打診されているかもしれません。ここまで来るのに不器用な大崎は随分時間がかかってしまいましたが、積み重ねてきた実力はそれだけに本物です。また彼女のコメントを聴くとその聡明さがうかがわれ、関と通じるものがありそうです。楽しみに発表を待つことにしましょう!


【追記】

 東レのホームページで井上奈々朱選手(34歳・MB)の勇退の発表がありました。長い間本当にお疲れ様でした。移籍選手の少ないアローズの中にあって、貴方は色々な意味で本当に出来た人でした。日立のU15チーム(SVリーグ参加要件)のリーダーに藤井美弥さん(旧姓佐藤)が就任しましたので、もしかしたら同じ年の井上さんも東レのU15チームの担当者になるかもしれませんね。さあこうなると必然的に東レアローズの主戦ミドルブロッカーは大崎琴未ということになり、最早チームの看板選手ということになります。