ビールは最初の一杯が一番うまい。
そこにウェイトを傾けて思い返してみる。
すると恐ろしい現実に気付く。
二杯目のほうが一杯目よりうまく感じたことがない事に気付いてしまったのだ。
勿論3杯目以降ともなると…
美味い酒というよりは半ば義務的な行為に過ぎなかったかも知れない。
私はそのことに気付いてしまってから、二杯目のビールを頼むことがなくなった。
勿論、人によって感じ方は様々だと思う。
私はそう感じたというだけの話。
しかしこの現象について、更に深掘りしていくと、最初の一杯というより最初の一口が一番うまいという結論に達してしまう。
最初の一口が喉を通り躰に染み渡る感覚。
『あぁ、確かにこれは私が心の底から求めていた究極の安らぎだ』と瞳を潤ませ口を半開きして阿呆のような表情を惜しみなく全世界に晒しながらしばしその感覚に身を捩ってみせたりしてしまうのだが
2口目も一口目と同じ感覚に陥れるかというと
たぶん私は同じ様に感じたことがない。
またさらに深掘りしていくと、なにもこれはビールに限定された現象ではなく、ありとあらゆる食べ物にも同じ結論が当て嵌まる。
また更に更に深掘りしていくと、なにもこれは食べ物に限定された現象ではなく、人が生きてゆくうえで…
飽きたのでもうやめにしよう。
ごきげんよう。