ソード9
Cruelty 残酷
私たちの住む日本には、どうやら謙遜の美学というものがあるらしい。
誉められた時に素直に喜ぶことは、=『調子に乗っている』とみなし、避ける傾向にある様だ。
では誉められた場合、一体どうするのか…
例えば『相馬さん、とてもエラいですね。』とほめられた場合は下記のように返せば良いのです。
『いいえ、とんでも御座いません、私なんぞは大して偉くもなければ賢くもない、ちっぽけな人間で御座います。』
また、良い人間関係を築く為であれば、心の中ではそう思っていなくても、誉めたり『スゴいね!』『エライね!』と持ち上げたりするのが良しとされる。
仮に、それは違うな…と思ったことに対して『それは違うと思います!』などと馬鹿正直に否定的な発言をしようものなら、
それなりの確率で、『空気を乱すおとなげない人』『面倒な人』というレッテルを貼られる可能性があります。
いつ誰が、何の必要があってこんな茶番を始め、それが決定事項のようになってしまったのだろう。
良いと思わぬこと全てを、一つ一つ確実に否定する必要があるとも思わないが…
実際あまり良いと思えぬことに対して『イイネ』のポーズを取ったり、誰の機嫌も損ねぬよう、常に気をつかって生きて行くというのは、非常に疲れるのではないかと思う。
思ってもいないことを伝えた時に残されるものは、誤解や思い上がりや、不信感だけだ。
何でもかんでも馬鹿正直であるべきだとも思わないが
正直に生きた方が気分がいいんじやないかと思うのですが、如何なものでしょうか。