マジすか学園3☆#11ー3☆
薄暗がりのー
とても広いとは呼べないゲームセンターという場所に充満する殺気。有線放送の洋楽が場違いに鳴り渡る。
ゲーム機の筐体がずらりと立ち並ぶ──間に、二人の少女が対峙していた。
沖縄(琉球)空手の構えに隙は見えない。
琉球王国時代に発祥したといわれる古武道。
流派により、突きや蹴りのような打撃技のみでなく、投げ技や締め技、関節技などを取り入れ、独自の進化をとげたものも多い。
與儀ケイラ。
ディーヴァのなかで、『最悪』と呼ばれる将軍。この少女と対峙することは、学ランにとって、最悪であり、災厄だと言えた。
「うぅおおおおおお!」
学ランが天井スレスレまで跳び上がり、ひねりを加え、空気抵抗を少なくした右パンチを振りおろす。時速百キロは優に越すという噂(ウナギ談)だった。
ケイラは、左腕をあげ、余裕で受け止める。
「なかなか、迅いやないか」
「ありがとよ!すぐに終わらせてやる!」
攻める学ラン。
左右のパンチや蹴りをしっかりと受け止めるケイラ。
「威勢はいいが…この程度で、ディーヴァ(うちら)に楯突こうなんて、甘ちゃんやな」
「なにっ!?ぐほっ!」
ケイラの右正拳突きが、学ランの腹部に突き刺さった。
「こういうことや…、隙だらけやで」
学ランは激痛に、眉をひそめる。構えは崩さない。射るように睨みつける。
(負けるわけにはいかねぇ…、おれの“マジ”は…)
頭を低くして、ケイラの腰のあたりを掴みにいく。タックル。
びくともしない強靭な下半身。ケイラはそのまま、学ランの頭を抱え、膝蹴りの連打。
たまらず、学ランは、頭を突きだす。ケイラの腹部に頭突きをきめ、距離をとった。
そして、ふたたび、跳びあがる学ラン。
今度は、ケイラの頭上を跳び越え、背後に着地した。
振り向いたケイラに、学ランの右のハイキックが決まる。吹き飛ぶケイラ。
「ちっ、浅かったか」
派手に吹き飛んだように見えたのは、ケイラが自ら後ろに跳び、衝撃を逃がしたからだった。
並の反射神経の持ち主ではない。
口の端の血を拭いながら、
「久しぶりに、熱くなれそうや」
あまりダメージを感じさせることなく立ち上がる。
「もっと、熱くさせてやるよ!」
オラぁ!と、学ランが拳を振るう。
ケイラも突きを繰り出す。
「ハッ!セィッ!」
ケイラの正拳の威力は凄まじく、捌こうとしても、捌ききれない。
(つ、強い…、どこから突きが飛んでくんだよ…)
攻撃は最大の防御とばかりに、学ランは防御を捨て、パンチを打ち込む。
ケイラの顔面をとらえ始める学ランの拳。
ケイラの顔色が変わった。
狙いを変える。
最悪なことに、ケイラが狙っていたものは──
学ランの──
「ぐ…ぁあああああぁッ!」
右拳だった。
学ランの放った拳に
打ち込んだケイラの拳のほうには、少しも変化はなかった。拳の鍛錬の違いか。
「絶望を味わえ!」
拳を打ち砕かれ苦しむ学ランの顔面に、ケイラの拳がめり込む。
倒れない。
さらにケイラの左回し蹴りが、学ランのわき腹を襲う。
「ぐほっ!」
棒立ち状態で、ケイラの凄絶な突きと蹴りを受け続ける学ラン。
みるみる赤く腫れあがる顔。
ついに、学ランは崩れるように、冷たい床に前のめりに、倒れた。
「…、もう、腹いっぱいなんか?少食やな、見かけによらず─、いままでのは、まだ、前菜やねんけどな…、“死”のフルコースの…」
息も切らさず
そんなことを言われ、黙っていられる学ランではなかった。
椅子に手をかけ、必死に立ち上がる。脚をふらつかせながらー。
「な…、なめんじゃねーよ…、どんどん持ってこい!全部、食いつくしてやっからよ…、お前を敦子のもとへは絶対行かせねー!」
「前田は知っとるんか?お前が、こんなところまで来て、命懸けで闘っとることをー」
「関係ねーよ…、敦子が知らなくても構わねぇ…、おれは、敦子のために闘い…、敦子のために死ぬ…、そう、決めたんだ…、それが…おれの生き方だ…」
「そうか…、それやったら、勝手にひとりで死んでいけ!」
「───!?」
「これが、メインディッシュや!」
床を蹴る。
ケイラの右腕が学ランの喉元に伸びる。反射的に受けようと身構える学ラン。
しかし、それは“突き”ではなく───
(な…、投げ…?)
学ランが気づいたときには、もう、胸元を掴まれ、ケイラに引きつけられるようにし、背中にのせられていた。
背負い投げ。
あっという間に。
学ランの身体が宙を舞った。学ランは固い床に頭と背中を激しく打ちつけられ、呼吸が一瞬、止まる。
そのとき──
ケイラの右の拳が、学ランの鳩尾(みぞおち)に勢いよく叩きこまれた。
「セィヤ!」
肺の中のものと血が同時に吐き出される。と同時に、学ランの意識が、深い闇に沈んでいく。
(おれの…“マジ”は…、敦子と…マジ女のために…)
投げ技からの正拳突きという
一連の流れは、ケイラの得意技だった。
禁じ手のひとつではあるが。
ケイラは、当然とばかりに、立ち上がると、学ランを見ることもなく、出口へと向かい、歩き始めた。
「だから、言うたやろ…、絶望を抱えたまま…眠るんやな…、永遠に」
とても広いとは呼べないゲームセンターという場所に充満する殺気。有線放送の洋楽が場違いに鳴り渡る。
ゲーム機の筐体がずらりと立ち並ぶ──間に、二人の少女が対峙していた。
沖縄(琉球)空手の構えに隙は見えない。
琉球王国時代に発祥したといわれる古武道。
流派により、突きや蹴りのような打撃技のみでなく、投げ技や締め技、関節技などを取り入れ、独自の進化をとげたものも多い。
與儀ケイラ。
ディーヴァのなかで、『最悪』と呼ばれる将軍。この少女と対峙することは、学ランにとって、最悪であり、災厄だと言えた。
「うぅおおおおおお!」
学ランが天井スレスレまで跳び上がり、ひねりを加え、空気抵抗を少なくした右パンチを振りおろす。時速百キロは優に越すという噂(ウナギ談)だった。
ケイラは、左腕をあげ、余裕で受け止める。
「なかなか、迅いやないか」
「ありがとよ!すぐに終わらせてやる!」
攻める学ラン。
左右のパンチや蹴りをしっかりと受け止めるケイラ。
「威勢はいいが…この程度で、ディーヴァ(うちら)に楯突こうなんて、甘ちゃんやな」
「なにっ!?ぐほっ!」
ケイラの右正拳突きが、学ランの腹部に突き刺さった。
「こういうことや…、隙だらけやで」
学ランは激痛に、眉をひそめる。構えは崩さない。射るように睨みつける。
(負けるわけにはいかねぇ…、おれの“マジ”は…)
頭を低くして、ケイラの腰のあたりを掴みにいく。タックル。
びくともしない強靭な下半身。ケイラはそのまま、学ランの頭を抱え、膝蹴りの連打。
たまらず、学ランは、頭を突きだす。ケイラの腹部に頭突きをきめ、距離をとった。
そして、ふたたび、跳びあがる学ラン。
今度は、ケイラの頭上を跳び越え、背後に着地した。
振り向いたケイラに、学ランの右のハイキックが決まる。吹き飛ぶケイラ。
「ちっ、浅かったか」
派手に吹き飛んだように見えたのは、ケイラが自ら後ろに跳び、衝撃を逃がしたからだった。
並の反射神経の持ち主ではない。
口の端の血を拭いながら、
「久しぶりに、熱くなれそうや」
あまりダメージを感じさせることなく立ち上がる。
「もっと、熱くさせてやるよ!」
オラぁ!と、学ランが拳を振るう。
ケイラも突きを繰り出す。
「ハッ!セィッ!」
ケイラの正拳の威力は凄まじく、捌こうとしても、捌ききれない。
(つ、強い…、どこから突きが飛んでくんだよ…)
攻撃は最大の防御とばかりに、学ランは防御を捨て、パンチを打ち込む。
ケイラの顔面をとらえ始める学ランの拳。
ケイラの顔色が変わった。
狙いを変える。
最悪なことに、ケイラが狙っていたものは──
学ランの──
「ぐ…ぁあああああぁッ!」
右拳だった。
学ランの放った拳に
打ち込んだケイラの拳のほうには、少しも変化はなかった。拳の鍛錬の違いか。
「絶望を味わえ!」
拳を打ち砕かれ苦しむ学ランの顔面に、ケイラの拳がめり込む。
倒れない。
さらにケイラの左回し蹴りが、学ランのわき腹を襲う。
「ぐほっ!」
棒立ち状態で、ケイラの凄絶な突きと蹴りを受け続ける学ラン。
みるみる赤く腫れあがる顔。
ついに、学ランは崩れるように、冷たい床に前のめりに、倒れた。
「…、もう、腹いっぱいなんか?少食やな、見かけによらず─、いままでのは、まだ、前菜やねんけどな…、“死”のフルコースの…」
息も切らさず
そんなことを言われ、黙っていられる学ランではなかった。
椅子に手をかけ、必死に立ち上がる。脚をふらつかせながらー。
「な…、なめんじゃねーよ…、どんどん持ってこい!全部、食いつくしてやっからよ…、お前を敦子のもとへは絶対行かせねー!」
「前田は知っとるんか?お前が、こんなところまで来て、命懸けで闘っとることをー」
「関係ねーよ…、敦子が知らなくても構わねぇ…、おれは、敦子のために闘い…、敦子のために死ぬ…、そう、決めたんだ…、それが…おれの生き方だ…」
「そうか…、それやったら、勝手にひとりで死んでいけ!」
「───!?」
「これが、メインディッシュや!」
床を蹴る。
ケイラの右腕が学ランの喉元に伸びる。反射的に受けようと身構える学ラン。
しかし、それは“突き”ではなく───
(な…、投げ…?)
学ランが気づいたときには、もう、胸元を掴まれ、ケイラに引きつけられるようにし、背中にのせられていた。
背負い投げ。
あっという間に。
学ランの身体が宙を舞った。学ランは固い床に頭と背中を激しく打ちつけられ、呼吸が一瞬、止まる。
そのとき──
ケイラの右の拳が、学ランの鳩尾(みぞおち)に勢いよく叩きこまれた。
「セィヤ!」
肺の中のものと血が同時に吐き出される。と同時に、学ランの意識が、深い闇に沈んでいく。
(おれの…“マジ”は…、敦子と…マジ女のために…)
投げ技からの正拳突きという
一連の流れは、ケイラの得意技だった。
禁じ手のひとつではあるが。
ケイラは、当然とばかりに、立ち上がると、学ランを見ることもなく、出口へと向かい、歩き始めた。
「だから、言うたやろ…、絶望を抱えたまま…眠るんやな…、永遠に」
マジすか学園3☆#11ー2☆
小歌舞伎の攻撃を受け、傷つき、満足に飛ぶことも出来なくなった鷹が、倒れたユウカの側に行きたいとでも言うかのように、バタバタと翼を動かし、もだえている。
小歌舞伎は、満身創痍で、足元をふらつかせながら、暴れる鷹を胸に抱え、ユウカの傍に置いた。悲しげな声で鳴く鷹。右腕をだらりと下ろした大歌舞伎が複雑な表情で、見つめる。
「言葉が通じ合うほどの仲だったみたいだけどねぇ…、最初から、ひとを傷つけるために訓練したわけじゃないだろうに…、いつから、相棒や仲間を単なる道具と思うようになっちまったのかね…、いったい何が、こいつを狂わせちまったのか…」
「ひとが狂気に走るのは、案外、まわりからしてみれば何でもない事がきっかけだったりするみたいですよ…、
姉貴、心配しなくても、うちらの絆は永遠ですから、『最高』に『最硬』な絆です…、筋金入りの」
「うるせーよ…」
大歌舞伎は、憎まれ口とは裏腹に、優しい笑みを、小歌舞伎に向けるのだった。
ふと、
「…………姉貴、」
眉をひそめる小歌舞伎。
「…簡単に、“階段”のぼらせてはくれないみたいだねぇ」
腕一本くらいの代償では───。
顔をあげた大歌舞伎の前に、三十人を越す、凶器を携えたディーヴァ隊員たちが、歌舞伎シスターズの二人を取り囲むように、佇んでいた。
青い空を重苦しい灰色の雲が、徐々に、覆い始めていった。
【エリアD】
商店街を中心とした半径約三キロの地域。
もとは繁盛していたようだが、いまは全てシャッターが閉じられ、閑古鳥が鳴いている。あちらこちらに半透明のゴミ袋が散乱し、腐臭を放つ。行政にまで見捨てられた地域ー【エリア】
そんな澱んだ空気を切り裂くように、通りをひた走る、学ランを身に着けた“少女”──
黒のバンダナが特徴的だった。
(敦子…、お前、もうディーヴァに突っ込んじまったのか…、無事なんだろうな?ケガなんかしてねーだろな?なんだか、雲行きもあやしくなってきやがったぜ)
ぽつり、ぽつりと顔に冷たい感触をおぼえる。
シャッター通りと化した廃墟のような通りの一角に、一軒だけ不自然に開いている店舗があった。
ゲームセンターだ。
行ってみるか、と、少女は、店内に駆け込んだ。
十数台のゲーム機の明かりがぼんやりとともる室内。だが、電灯は点いておらず、暗い。
「敦子!いるのか!?」
「前田なら、ここには、おらんで…」
暗闇から声が返ってきた。闇は続ける。
「なんや、懸賞金かけられて、ディーヴァ全軍に追われとるみたいやけどな」
闇が切り取られたように、ひとりの少女が姿を見せた。
「そうなのか…、詳しいな…お前─」
目が慣れてくると、少女の顔立ちがよくわかるようになってきた。ハーフかクォーターのような南洋風の面持ち。
銀灰色(グレイ)の特攻服は、誰もがよく知るディーヴァ将軍の証。
「うちも、ディーヴァやからな…、ついでに言うたら、お前も賞金かけられとるで。学ラン…とか言うたか」
ゾクリ、と冷気を感じる学ランの頬に嫌な汗が流れた。
猛獣の檻に足を踏み込んでしまったようだ。
いきなりー
左の正拳突きから右の正面蹴り。
なんとか、腕で防御する学ランに、追い討ちの右回し蹴り。
腕のブロックごと吹き飛ばされ、ゲーム機の間─たくさんの背もたれのない丸椅子に埋もれる学ラン。
「セィ!」
少女の気合い。構えが本格的だった。
「空手か…」
「ただの空手やない…、沖縄(琉球)空手や…」
「どう違うんだよ?」
「違いがわかったときには、もう、終わっとる…、前田の居場所も部下がつかんだらしいしな…」
ディーヴァ十二将軍、
死将、與儀ケイラは、淡く微笑む。
「うっせぇ!こっちは、何でもござれの喧嘩殺法だ!敦子の居場所、すぐに吐かせてやるぜ!」
「ここは、“絶望のくに”…、ムダな希望は、捨てることや…」
小歌舞伎は、満身創痍で、足元をふらつかせながら、暴れる鷹を胸に抱え、ユウカの傍に置いた。悲しげな声で鳴く鷹。右腕をだらりと下ろした大歌舞伎が複雑な表情で、見つめる。
「言葉が通じ合うほどの仲だったみたいだけどねぇ…、最初から、ひとを傷つけるために訓練したわけじゃないだろうに…、いつから、相棒や仲間を単なる道具と思うようになっちまったのかね…、いったい何が、こいつを狂わせちまったのか…」
「ひとが狂気に走るのは、案外、まわりからしてみれば何でもない事がきっかけだったりするみたいですよ…、
姉貴、心配しなくても、うちらの絆は永遠ですから、『最高』に『最硬』な絆です…、筋金入りの」
「うるせーよ…」
大歌舞伎は、憎まれ口とは裏腹に、優しい笑みを、小歌舞伎に向けるのだった。
ふと、
「…………姉貴、」
眉をひそめる小歌舞伎。
「…簡単に、“階段”のぼらせてはくれないみたいだねぇ」
腕一本くらいの代償では───。
顔をあげた大歌舞伎の前に、三十人を越す、凶器を携えたディーヴァ隊員たちが、歌舞伎シスターズの二人を取り囲むように、佇んでいた。
青い空を重苦しい灰色の雲が、徐々に、覆い始めていった。
【エリアD】
商店街を中心とした半径約三キロの地域。
もとは繁盛していたようだが、いまは全てシャッターが閉じられ、閑古鳥が鳴いている。あちらこちらに半透明のゴミ袋が散乱し、腐臭を放つ。行政にまで見捨てられた地域ー【エリア】
そんな澱んだ空気を切り裂くように、通りをひた走る、学ランを身に着けた“少女”──
黒のバンダナが特徴的だった。
(敦子…、お前、もうディーヴァに突っ込んじまったのか…、無事なんだろうな?ケガなんかしてねーだろな?なんだか、雲行きもあやしくなってきやがったぜ)
ぽつり、ぽつりと顔に冷たい感触をおぼえる。
シャッター通りと化した廃墟のような通りの一角に、一軒だけ不自然に開いている店舗があった。
ゲームセンターだ。
行ってみるか、と、少女は、店内に駆け込んだ。
十数台のゲーム機の明かりがぼんやりとともる室内。だが、電灯は点いておらず、暗い。
「敦子!いるのか!?」
「前田なら、ここには、おらんで…」
暗闇から声が返ってきた。闇は続ける。
「なんや、懸賞金かけられて、ディーヴァ全軍に追われとるみたいやけどな」
闇が切り取られたように、ひとりの少女が姿を見せた。
「そうなのか…、詳しいな…お前─」
目が慣れてくると、少女の顔立ちがよくわかるようになってきた。ハーフかクォーターのような南洋風の面持ち。
銀灰色(グレイ)の特攻服は、誰もがよく知るディーヴァ将軍の証。
「うちも、ディーヴァやからな…、ついでに言うたら、お前も賞金かけられとるで。学ラン…とか言うたか」
ゾクリ、と冷気を感じる学ランの頬に嫌な汗が流れた。
猛獣の檻に足を踏み込んでしまったようだ。
いきなりー
左の正拳突きから右の正面蹴り。
なんとか、腕で防御する学ランに、追い討ちの右回し蹴り。
腕のブロックごと吹き飛ばされ、ゲーム機の間─たくさんの背もたれのない丸椅子に埋もれる学ラン。
「セィ!」
少女の気合い。構えが本格的だった。
「空手か…」
「ただの空手やない…、沖縄(琉球)空手や…」
「どう違うんだよ?」
「違いがわかったときには、もう、終わっとる…、前田の居場所も部下がつかんだらしいしな…」
ディーヴァ十二将軍、
死将、與儀ケイラは、淡く微笑む。
「うっせぇ!こっちは、何でもござれの喧嘩殺法だ!敦子の居場所、すぐに吐かせてやるぜ!」
「ここは、“絶望のくに”…、ムダな希望は、捨てることや…」