荻原博子さんは、経済ジャーナリストを名乗るの「おやめなさい」 | 池上秀司のブログ

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金利上昇が気になるとさらに不安を煽る人達が出てくるのですが、質が悪いのは「嘘」「デタラメ」で不安を煽る人達です。今回は経済ジャーナリストの荻原博子さんです。

人気の「住宅ローン変動金利」が老後の足かせに…「おやめなさい」と荻原博子が断言するワケ

4ページ目から5ページ目にかけて、以下の記述があります。

 

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35年ローンで2000万円を借りると、金利0.3%なら返済額は月約5万円と手頃です。
ただ、「変動金利」の場合、半年ごとに金利が見直されます。金利が1%上がって1.3%になると返済額は約6万円。2.3%になると約7万円、3.3%になると約8万円と返済額も増えていきます。

変動金利ローンの怖いところは、金利が半年ごとに見直されても、返済額は5年間変わらないところ。0.3%で借りて半年後に金利が1%上がっても、5年間は月々の返済が5万円のままなのです。

では、差額の約1万円は銀行が負担してくれるわけではありません。「未払い利息」ということで元金に繰り入れられていくのです。

つまり、2000万円借りて、銀行と契約した通りに月々しっかり5万円ずつ返しているにも関わらず、5年後には元金が約2050万円に増えているということが起きるのです。
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【誤報①】
未払利息とは当月の利息が当月の返済額を上回った場合に発生します。

 

 

0.3%から半年後に1.3%になっても利息は21,373円。返済額を上回らず当月に支払うことができるので、未払いになりません。その分、元金充当額が減ります。

 


 

↓こういう状況です。

 



【誤報②】
「5年後には元金が約2050万円に増えている」とありますが、0.3%のままであれば、5年後の残高は1,727万円。半年後に1.3%なった場合は1,813万円。元金の減りが鈍くなるだけなので、元金は増えません


ちなみに、3.0515%を超えると未払い利息が出ます。


そもそも、「変動金利が半年で1%も上がるのか」という点も考えないといけません。過去の金利推移から見れば可能性だからゼロでないだけで、常識的にはあり得ません



 

しかも、冒頭に「景気の悪化が避けられない状況になってきました」と書いてあります。景気が悪化するのに短期金利が半年で1%も上がるというのはどういう理屈なのでしょうか。意味不明です。

 

このように、変動金利の不安を煽る人は間違いが多く、声が大きいので困りもの。正しい知識、常識的な感覚がないから騒ぐのでしょう。皆様、お気をつけください。