池上秀司のブログ

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ファイナンシャルプランニングに関することを中心に、好き勝手に書きます。


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2月3日(火)、朝日新聞の投書を目にしました。

 

(声)将来に影落とす私の奨学金
 

この記事を取り上げたツイートは、かなり拡散されました。

 

 

私は違和感を抱きました。以下の数字が実態に合わないからです。

 

社会人3年目。大学時代に利用した奨学金の返済に毎月約3万円を払っている。有利子型の第2種奨学金で、借り入れた384万円は516万円となった。奨学金を借りずに4年制私立大学に通うことは、家庭の経済上難しかった。

 

奨学金は上限金利が3%となっています。ですから、384万円、3%、月々3万円で計算すると約13年で終わります。総支払額は464万円となり、516万円には遠く及びません。また、総支払額516万円に近づけようとすると、約21年の返済となりますが、月々の返済額は2万円程度。毎月3万円にはなりません

 

 

上記は「上限金利」での計算ですので実際の金利はもっと低く、1%未満です。参考までに平成28年の金利を下記に掲載します。

 


なにをどう計算しても、投書のようにはなりません。よって、この投書は現状のままでは正当な言論としては扱えないというのが私の評価です。

 

奨学金に関してはあれこれ言われていますが、否定的な意見は正しい知識・情報を備えていません。ですから、該当の記事のように数字を検証せず、騒ぎ立てているに過ぎません。

 

信用のない学生に、低金利で、返済の猶予まで与えて融資をしてくれるということは、信用社会において大変優遇されています。「利息をつけて返済するのだから、学生ローンだ」などという意見もありますが、名称を変えれば解決する訳でもありません。

 

私は大学生活4年間、奨学金を受給していましたが、高校生の時から「返すのは当たり前」という認識でした。急に制度が変更になった訳ではなく、昔も今と同じです。それどころか、私が高校生だった頃、今のようにインターネットは発達しておらず、情報量は圧倒的今より少ない。それでも、「学生のうちに借りて、社会人になったら返すもの」が当然の感覚でした。ですから、今の世の中でそれを認識、理解できない方が非常識です。

 

こんなことはツイッターでは定期的に行われていて、12月下旬には以下のツイートが拡散されました。

 

 

「金利が未定なので上限金利で計算している」という注釈を読めない(理解できない)人達が、騒ぎ出します。この件では、なんとFPが以下のようなツイートをしていました。

 


実際の金利は以下の通り。

 

 

住宅ローンの変動金利が0.4%なら、奨学金は0.01%です。これのどこがボッタクリなのでしょうか。この程度も調べることをしない人達がとやかくいう資格があるとは思えません。


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2月1日になりました。2月1日といえば7年前の2012年、日経新聞に以下の記事が掲載された日です。

 

低金利「固定」で安心 住宅ローン活用術(上) 「変動」上昇後は注意、返済計画の熟考を

 

7年経って、「固定は安心」なのでしょうか。記事にある変動金利0.875%と全期間固定金利2.4%で比較をしてみました(4,000万円・35年の場合)。

 

 

全期間固定金利を選んだ場合、変動金利を選んだ場合より、この7年間で254万円多く返済したにもかかわらず、残高が149万円も多く残っています。合計すると403万円です。これで「安心」という方がいるとは思えません。今現在、変動金利の上昇気配もなく、この状態が今後1年継続すると、差が50万円増えます。

 

全期間固定金利を選んだ方は、日本経済新聞に「無用な不安を煽った記事のお陰で大損した」と苦情を入れてもなんの対応もしてくれません(だから信用してはいけない)から、淡々と借り換えをしてはいかがでしょうか。都市銀行の変動金利0.625%に借り換えをした場合の一例を下記に記します。

 

 

借り換えに伴う諸費用を残高に、保証料(0.2%)を金利にそれぞれ上乗せすると、変動金利利用中の場合はそれほど変わりませんが、全期間固定金利の場合は月25,000円、年間で30万円の削減になります。借り換えに伴う諸費用は返済額に含まれているので、今手元にある大きなお金はそのまま残しておくことができます。別に変動金利でなくてもいいので、積極的に借り換えに動いていいでしょう。


この記事に関して、FP深田晶恵さんは、以下のようにツイートしていました。

 

見る目がありません。くだらない図よりも経済観念の方が重要なのです。深田さんと大賀記者は仲がいいようで、以下のような記事もあります。

 

住宅ローン金利上昇 「固定」の借り時を逃すな

 

日銀が4月に金融緩和に踏み切った後、住宅ローンの固定金利はいち早く上昇し始めた。三井住友など大手行の10年固定金利(最優遇)は6月に1.6%になった。

 

深田さんは「今は固定金利を選ぶ好機」とみる。過去と比べれば金利はなお低い。みずほ銀行や住宅金融支援機構のフラット35は4月まで、35年固定金利が過去最低に近かった(グラフC)。月々の負担が変わらず、中長期の返済計画を立てやすいのは、住宅ローンでは大きな利点だ。


2019年の今、固定金利は当時よりも大幅に低下しており、彼女達の見立てが間違いだったことは事実が証明しています。これらからわかることは、日本経済新聞(とそのご用達のFP)をあてにすると賢くならないどころか、大損するということです。私は「日本経済音痴新聞」と評していますが、「日本不経済新聞」という称号もピッタリだと思います。

 

【関連記事】

日経新聞を読んでいない日経新聞記者

日経新聞記者の経済観念


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以下の記事が気になったので取り上げます。

 

学資保険、児童手当、奨学金……教育費のキケンな「落とし穴」に注意

 

著者の岩城みずほさんは、保険を否定することつみたてNISAやiDeCoを推奨することで仕事をもらっているので、非常に偏った内容となっています。記事に預金、学資保険、つみたてNISAが出てきたので、それぞれ教育資金作りに対してどんな特徴があるのか、簡単にまとめてみました。

 

 

もし、お金が必要になって、契約から数年で解約すると、支払った保険料からずいぶんペナルティを差し引かれてしまいます。また、保障に費用がかかるため、満期を迎えても元本割れするものもあります。

 

元本割れの可能性を危険視していますが、著者が推奨している「つみたてNISA」とは、投資信託の積み立てですから、学資金が必要な時期に元本割れしている可能性は排除できません。ちなみに、あくまで私個人の経験則ですが、生活費をリストラするときでも、学資保険だけは残しておこうという傾向は強いです。

 

また、預金や投資信託に保障の機能はありませんから、別途、保障を確保しなければいけない訳です。その費用負担を無視しています。オリックス生命のfinesaveという商品の場合、30歳男性・保険金額300万円・保険期間20年で月々732円です。18年で解約しても158,112円の保険料負担になります。

 

 

下記画像はJA共済の学資保険ですが、返戻率100%の学資保険というのは、別途そういった費用負担を考えなくていいということ。預金や投資信託で学資保険と同等の環境を作るには、運用益で支払保険料を上回る必要がありますが、その確証はありません(少なくとも預金では相当困難でしょう)。

 

 

それに、この学資保険の年利回りを計算すると、0.031%です。今後、世の中の金利が上がれば、預金金利も上がりますが、保険の金利は、満期まで変わることはありません。お金が必要になっても自由に使うこともできません。

 

この先、金利が上昇し、さらに利回りのよい金融商品が販売されたとしても、今持っている学資保険の利回りが上がることはありません。

 

今の世の中、金利が上がるといっても不透明です。その確証はありません。私は日頃、お客様のご意見をお聞きしますが、景気がよくなる(金利が上がる)という考えのお客様にはあまりお会いしません(会ったことがない)。その確証のない金利上昇に賭けることこそ、ギャンブルといえます。教育資金でギャンブルをするのは各自の判断でしょう(するという人に会ったことがない)。

 

それに、途中でお金が必要になって使ってしまった場合、その後どうしたらいいのでしょうか。後半では「奨学金は借りるな」といっています。結局、教育資金の資金調達について配慮ができていません。なにより、学資保険に「お金を殖やそう」と利回りを期待をしている方は少ないと思います。「お金を残そう」とか「お金を貯めよう」という目的でご利用されています。

 

お金の置き場所は、2018年1月からスタートした国の制度「つみたてNISA」をお勧めします。

 

では、なぜここで唐突につみたてNISAが出てきたかというと、以下のように、岩城さんはつみたてNISAの普及をしたい金融庁から仕事をもらっているからと勘繰られても仕方がないでしょう。

 

 

そして、つみたてNISAのデメリットを一切記載しないのも、金融庁と自分への配慮ではないでしょうか。では、岩城さんが口が裂けてもいわない、つみたてNISAの教育資金としてのデメリットを書いておきます。

 

①保障がついていないので、別途保障を確保する必要がある
②学資金が必要な時期に元本割れしている可能性がある

 

これは、非常に重要なことなのです。つまり、

 

保険料を掛け捨てたあげぐ、学資金が必要な時期に

つみたてNISAで損をしている

 

という、マイナスのダブルパンチを食らう可能性があります。個人的には、これを伝えないことこそ特大の「キケンな『落とし穴』」ではないかと思います。

 

岩城さんには「腹黒くないFPが教えるお金の授業」というタイトルの著書があるそうです。日頃、保険の話になると「手数料の高い保険を売りつける」と、後田亨さん同様の主張をされます。しかし、この記事を読むと、当の本人が相当腹黒いのではないでしょうか。

 

「お子さんのために、学資保険でお金を準備しよう」という親御さん、岩城さんはじめFPが学資保険にダメ出ししているのは、皆さんのためではありません。上記のように自分のためです。気にせず、ご加入、ご継続ください。


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7月に長期金利が上昇し、住宅ローン金利についてあれこれ話題になりましたが、既報の通り騒ぐ必要はありませんでした。なにより、11月以降、長期金利は低下傾向にあり、足元では直近1ヶ月で半分の水準まで下がりました。金利が下がったときにおとなしい人(特にFP)は、信用に値しないと思っていただいて間違いありません。

 

 

そんな中、賢さを全く感じない変動金利のネガティブキャンペーンは常に行われていますが、先日ふと思ったことがあります。まず、世間では住宅ローンの金利選択について

 

高金利期は変動金利、低金利期は固定金利で

借りるのが鉄則!

 

と以前より言われてきました。しかしこれは、「バブル期に公庫融資(固定金利)より著しく高かった変動金利は選ばれていない」という事実を鑑みれば(下記画像参照)、実態としてなんら根拠も有効性もない、ただのデタラメだったということは明白です。

 

 

そして、その論調通りに低金利期に固定金利を借りた人は、変動金利で借りた人よりも、返済額が多いのに、元金が減っていないという事態に陥っています。この鉄則は事実に基づかない憶測でしかありませんでした。

 

 

「高金利期は短期固定、低金利期は長期固定」という誤解

 

そして、そのデタラメを吹聴する人達は、口を揃えて

 

将来金利が上がった時に変動金利を固定金利にしようと思っても、固定金利は既にもっと高い水準になっているので変更できない

 

とも言います。変動金利のネガティブキャンペーンの頂点に君臨する、深田晶恵さんに至っては、銀行のシステムまでも持ち出して

 

変動金利型で組んだローンの返済額が家計に対して余裕のない金額だと、固定金利型に切り替えたくても、返済額アップに耐えられないため切り替えることができません

 

と断言しています。

 

9割以上の人が選んでいる!?金利が1%未満の「変動金利型ローン」の落とし穴

 

これについてふと思ったのですが、これは彼(彼女)達の論調で考えれば矛盾しませんか。固定金利に変更できなくても問題ないはずです。

 

なぜならば、

 

高金利期は変動金利で借りるのが鉄則

 

と言っているからです。その鉄則(?)で考えたら、固定金利にする必要はないはずです。図解してみました(図解というほどではありませんが…)。

 

 

このように、変動金利のネガティブキャンペーンしかできないFPは、その場その場で適当なことを言っているだけで、それらをつなぎ合わせると整合性が取れていないということに気づいていません。

 

これだけ低金利が続き、新たな知識を習得する機会はいくらでもあったはずなのに、なんら進歩がなく、自分達も発言のトンデモ具合にも気づかず、今日も平常運転という悲しい事態が続いています。


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10月というのは、変動金利で借り入れしている方達の金利見直しです。多くの商品概要書には

 

4月1日と10月1日の年2回、金利の見直しを行い、それぞれ6月と12月の約定日の翌日から新利率を適用する

 

と書いてあります。では、10月1日の金利を確認してみましょう。

 

みずほ銀行


三井住友銀行

 

三菱UFJ銀行


都市銀行は変更なく2.475%でした。それらは12月の約定日の翌日から適用するので、来年の1月から6月までの返済も現状と変わりません。7月に大騒ぎしましたが、変動金利には影響がありませんでした。

 

 

今後については、以下の記事が参考になります。

 

黒田日銀総裁、「利上げ長期間しない」

 

上記の記事から、以下の仮説が成り立ちます。

 

変動金利は日銀の金融政策に連動する ⇒ 日銀総裁が「結構長い期間にわたり、上げるという考えはない」と言っている ⇒ 変動金利の現状維持が継続する

 

もちろん、銀行が独自の判断で金利を変える可能性はゼロではありませんが、それは極めて重要な判断といえます。つまり、上記の仮説は過去から鑑みて至極当然な考えの一つといえるでしょう。当たり前の話です。

 

 

私はこういう情報を提供し、お客様に安心していただくのがFPの仕事だと思っています。しかし、現実にはこの程度の話すらせず(できず)、進歩のない変動金利のネガティブキャンペーンばかりに必死なのが日本の大多数のFPです。本当に、迷惑な集団です。

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