残高を減らした金利上昇対策 | 池上秀司のブログ

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ファイナンシャルプランニングに関することを中心に、好き勝手に書きます。

前回の記事の続きで、少し発展的に考えてみたいと思います。

4,000万円、35年返済、変動金利0.45%と全期間固定金利1.35%では、毎月16,603円の差額が生まれます。そこで、全期間固定金利で借りたつもりで変動金利で借りて、浮いた16,603円を貯めて、それぞれの経過年数時点で繰上返済をしたらどうなるかを試算してみました。

まず、経過年数時点で金利が全期間固定金利と同じ1.35%になった場合の返済額です。



前回記載した、繰上返済を加味しなかった場合との比較です。


次に、経過年数時点で、全期間固定金利と返済額が同じになる金利です。


こちらも繰上返済を加味しなかった場合との比較です。



全期間固定金利と変動金利、さらに返済差額を繰上返済した場合の残高の比較も作ってみました。


変動金利は経過年次まで変更しない前提での試算ですから、実際の返済を考えるときにはその辺りも考慮しないといけませんが、「残高が減ることの金利上昇に対する効果(影響)」はこれでおわかりいただけるのではないでしょうか。そうすると、「もっと繰上返済をするならば、どんな原資が考えられるか」につながります。

住宅ローンご利用の際は団体信用生命保険に加入しますから、生命保険の合理化も見込めるでしょう。住宅ローン控除の還付金も繰上返済原資にできるかと思います。その他、こういう機会にお金の使い方を考えていただければと思います。世間ではiDeCoやNISAが話題になりますが、それらをやらずに繰上返済をコツコツすることも、素晴らしいお金の使い方だと思います。金利選択同様、「我が家の生き方、考え方に合っているのはどんな方法か」を考えることが大切と思います。考えた結果であれば、iDeCoやNISAも大いに結構ですし、それこそiDeCoやNISAと繰上返済を並行していってもいい訳です。

 

なお、残高はわかりにくいのですが、便利なスマホアプリもありますし、エクセルのFV関数というのを使うと算出できます。私が愛用しているカシオの金融電卓「BF-750」でも「年賦償還」という機能で算出できます。以下の動画で解説していますが簡単です。前回、今回の記事に関連することも話をしていました。

 

 

この金融電卓は一般消費者の方がご購入されてもいいと思っています。「答えが固定金利で固定しているFPへの相談料」よりはマシです。使い方は私の動画でご紹介しています。前回、今回の記事に記載している一連の数字も「段階金利」や「利率計算」の機能を使えばたどり着きます。本来であれば私へご相談いただける方がいいのですが、「皆さん自身で自分の返済を考える」ことの方が価値がありますし、それで決めたプランが一番納得できると思います。

 

 

ここのところ、ツイッターに慣れてしまい、長い文章を書くことが疎かになってしまっていましたが、短い文章では伝えられないこともあるので、気が付いたら書いていこうと思います。ご購読ありがとうございました。