「覚悟せよ」矢野隆 読了 | pyonpyon ブログ

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松任谷由実。



「覚悟せよ」矢野隆 光文社
面白かったです
7編の短編でそれぞれに繋がりはない話
「秘事」、砂原浩太朗作品がよく扱うテーマっぽいんだけど
当然のことながら、作家が違うとこんなにも違うのか!な展開&ラストです😁



秘事

廻船問屋の四男が婿養子に入り、神谷新左エ門と名乗るように
義父は郡奉行、その後を継いだ娘婿
仕事も隠していた事も継ぎ、息子へと引き継ぐかと思いきや、息子は頭が硬すぎその母である妻も実の父親から引き継いだ事の意味も知ろうとせず婿養子を切り捨てる
ラストがあっさりしすぎて続きがあるのかと思っていたら無くて驚き


鴨 
芹沢鴨に妾を寝取られた形で新選組の内乱に巻き込まれて殺された妾の精進落としの席での主の哀しい回想


抜ける
島送りの苦難(見せしめのように難癖をつけられては縊り殺される)耐えられず役人と世話役を殺して島抜けをする話


忘れ亡者
幼い頃に幽体離脱を経験していた男が辻斬りに殺されるが死ぬ瞬間に魂が抜ける
そのせいで成仏も出来ないままにその場所にとどまっている。強さとコミカルが合わさった話


母でなし
伊達政宗と母の義姫との拗れだ関係


さいごのおねがい
豊臣秀吉が江戸に人質としては母を送るための家族会議の話


おとなりさんちのかたきうち
吉良上野介の屋敷の隣人、土屋主税逵直
討ち入りが始まり、その旨伝えるために来訪した大高忠雄に渋々対面するがその熱い思いを感じ自身が内匠頭になったかのような気持ちになり目を潤ませてご武運を祈る!と


年老いた奉公人の武蔵、血の気の多い中間の太兵衛
塀を挟んだ隣家からドサリと落ちてきた膾切りに刻まれた吉良家家臣に悲鳴を上げる3人…なかなか面白い話