
「摺師安次郎人情暦 こぼれ桜」梶よう子
角川春樹事務所
シリーズものだったと知らずに最新刊を読んでしまったのですが、この一冊だけでもそれまでの関わりなどが分かるので問題なかったです
「いろあわせ」「父子ゆえ」に続いての「こぼれ桜」になります
おまんまの食いっぱぐれがない位の信用と技術の摺師、安次郎
「おまんまの安」
元は一橋家家臣の家の次男であったが外出中に起きた火災で両親と兄を含めた家族を亡くす
家に戻ろうとした安次郎自身も火災に巻き込まれ怪我を負い摺師の親方に助けられたが、親方が家に連絡を取ると亡き父の弟が家族全員亡くなったと届け出た上で家督を相続してしまっていた
部屋住みであった叔父にとっては巡ってきた運を手放すことも出来ず、甥が生きている事は都合が悪く、親方を冷たく追い返えす
それ以来、会うこともなく安次郎は町人として摺師の修業をし一人前の摺師となる
世帯を持ち息子も授かるが妻は早世
幼馴染である一橋家家臣を通じて叔父が、安次郎の一人息子を子が無い自身の養子として引き取りたいと打診が…
摺師という職業の近辺で起こる事が主な事件なので興味がないと流し読みになってしまうかなー😅
前の2巻を読んだ後に「こぼれ桜」を読めば登場人物たちのそれまでの人間関係や話の流れもわかって、より楽しめるのかもしれませんね