ひでごんの独り言&小説みたいなもの -33ページ目

ひでごんの独り言&小説みたいなもの

何か気ままに
書いていこうと思います。

 二人が出会った頃、いつも零がアサミを呼び出して、零一人が話しまくっていた。そして不思議とアサミは、いつも零の話に付き合っていた。

 最初の頃は、酒をおごってくれるからであったが。しかし、いつしか・・・。

 「そんな零が、好きになった。」

 アサミがゆっくりと、視線を零へと向けた。

 零は、少し驚いた。アサミの表情に何か、決意の様な色があった。

 「そうだよね。そんな零を、好きになっちゃったんだもんね。」

 ニコリとアサミが、笑った。同時に、大粒の涙が流れ落ちる。

 「行って来い。零の、夢の場所に。」

 とめどなく落ちる、涙。

 「アサミの分まで、感じてこい。」

 零が、なんともいえない表情になった。

嬉しいのか、それとも苦痛なのか。零は、複雑な気持ちになっていた。

今までずっと一緒にいたアサミを、おいていく後ろめたさと、夢に向かうための最後の足枷が無くなった嬉しさが、入り交じっていた。

 そう、夢に向かって走り出し準備が、整ったのである。

 そしてアサミの気持ちは、もっと複雑であった。

行くなと、叫びたかった。今すぐ抱きついて、アサミを一人にしないでといいたかった。

 言えなかった。

 惚れた男に、夢を諦めろと言えるはずもなかった。

すぐそこに有る、夢。

 「そして、10年後の今日、ここに帰ってきて。」

 アサミの顔は、涙でぐずぐずになっている

 「そして、アサミの30才の誕生日をお祝いして。おばちゃんになった、アサミを笑いに来て。」

 涙を拭こうともせずにアサミは、零の顔をジッと見つめていた。その顔を、脳裏に焼き付けるかのように。

そして、言えるはずもない言葉が、喉まで出てきてしまう。アサミは、必死にこらえた。

言ってしまったら、きっと歯止めがきかなくなる。

 「アサミは、必ず来る。この椅子で、お祝いしてもらうために。零の、10年間のバカ話を聞くために。」

 アサミが涙を拭きながら、立ち上がった。そして、手を差し出した。

握手の為に。別れの為に。

 「10時に、待ってるね。」

 これ以上言葉は、出てこなかった。必要無かったのかもしれない。

 零は、静かに立ち上がりアサミを、ジッと見つめた。そして、力強くその手を握った。

暖かく、大きな手であった。

 ”零ってこんなに格好良かったんだ。キラキラしちゃって。”

 今まで見たことのない零が、そこにいた。瞳が、輝いている。

ふと、そんな零が、誇らしく思えた。

 「10年後に、必ず来る。アサミの、三十路を祝に。そして、一晩中語る。出会った、人々の事を。」

 もう言葉は、いらなかった。二人は、互いに微笑んでみせた。そしてそれが、合図でもあった。

 「行って来ます。アサミ。」

 「行ってらっしゃい。零。」

 零は、もう一度アサミの手を、力強く握った。そして、これ以上無いほどの笑顔をアサミにみせると、大きく一つうなずいてみせた。

それは、夢に向かう決意の姿であった。

そして零は、一度も振り返る事無く、雨の降る街へと出ていってしまった。アサミは、ただただその背中を見つめている。

その姿が、見えなくなっても。

 「10年、店を辞められなくなりましたね。」

 アサミが、ビックリして振り返った。そこには、優しい笑顔でマスターが立っていた。

アサミは、すっかり存在を忘れていた。

椅子に腰を下ろしながら、少し寂しげに笑ってみせる。

 「バカな女だと、思ってるでしょ?」

 静かなアサミの、問いかけであった。
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ひでごんは、だんぜん!コーラなんですよねo(〃^▽^〃)o

知り合いの家に遊びに行ったら

「コーラをあたえておけば、もんく一つ言わない。」と

よく言われるほど好きです。

そのせいかなはてなマークすっかり、メタボですショック!

一時期、焼酎がおそらく一番だったんですけど

最近、飲みにあんまり行ってないので(;^_^A

でわでわパー



 カウンター席に二人は、押し黙ったまま座っていた。アサミと、零である。少し離れた所でマスターが、心配そうに二人を見つめていた。まるで、時間が止まってしまったかのような、空間であった。

 アサミは、止まってしまえばいいのにと、むしろ思っていた。そうすれば・・・。

 しかしながら時間は、確実にうごき続ける。

 「本気だったんだね。」

 重苦しく、アサミが口を開いた。

空になってしまったグラスを、見つめたまま。零も、微動だにせずにいる。苦痛の、表情で。

 「零の夢だったもんね。アメリカ。」

 零の夢。それは、一〇年かけてアメリカ中、旅をするである。国にふれ、文化にふれ、そして、人にふれたい。それが零の、夢であった。

普通には、理解しがたい夢であった。当然、アサミにも。

 「冗談で、いて欲しかった。だから、いつも流してた。そんな、夢。」

 アサミは顔を上げ、零を見つめた。その瞳には、今にもこぼれんばかりに、涙がたまっていた。

悲しみと、絶望にも似た、表情である。

 ”そんな顔、しないでくれよ。”

 零は、胸が張り裂けそうであった。初めて見る、アサミの顔。

 「本当に、ごめん。アサミのこと、本当に好きだよ。でも・・・」

 アサミの瞳から、涙がこぼれ落ちだした。それでも、零を見つめ続けた。その瞳に、焼き付けるがごとく。

 「でも、やっぱり諦められない。」

零の言葉には、どこか力強さがあった。表情には、決意の色がある。決心は、出来ているようだった。

 その顔を、ジッと見つめるアサミ。零は、アサミを見られないでいた。

ふとアサミは、視線を窓へと向けた。

 朝からの雨が、強くなっていた。空はアサミの為に、泣いてくれるらしい。

そして道行く人々は、色とりどりの傘をさし、足早に歩いている。アサミはしばし、通りを見つめていた。

数十秒だったかもしれないし、数分だったかもしれない。沈黙が、支配していた。

 アサミは、思う。

いったいどれだけいるのだろう、夢に向かって、歩き続けている人は。夢を追い続けるのは、簡単な事でない。

すくなくとも目の前に、一人いる。アサミにとって、理解出来ない夢だとしても。

 そして零にとって、障害は一つだけであった。

 「ねぇ、覚えてる?。初めて、逢った時のこと。」

 不意にアサミが、きりだした。静かな、声であった。

視線は、そのまま。涙は、辛うじて止まっている。

 「零なら、初対面の私に、一晩中語ったよね。ばっかみたいに。顔中、キラキラさせながら。」

 「うん。覚えてるよ。場所も、ここだった。」

 二人とも、遠くを見ていた。悲しげに。

 アサミは、思った。”そうだ。あの時から始まったんだ、二人の物語が。”

 「零は、あの時のままだね。本当にあの時は、暑苦しい奴だと思った。」

 思いでの中に、二人はいた。もう、戻ってこない時間。

時計は、後戻りしてくれない。