1年前にDVDを鑑賞し、そのうち原作をと思っていました。
2週間前、ブックオフで、たまたま文庫本3巻まで並んでいましたので即購入!
実は、全3巻だと思って購入しました。
1冊が随分厚いけど3巻ならとの購入でした。
家に帰り1巻目の目次を見ると…
えっ!全5巻~(@_@)
初めから5巻と分かっていたら購入しなかったかも(^^;)
4,5巻も直ぐに手に入れ、2千数百ページの大作を10日間で一気に読み切りました。
既にDVDであらすじは分かっているのに、ぐいぐい引きつけられる文体には感動!
とにかく山崎豊子さんとは語彙が豊かな作家です。
調べに調べ尽くされた史実を土台にしているストーリーは文体と共に重厚そのものでした。
国民航空社員で同社の労働組合委員長を務めた恩地元と彼を取り巻く人々の描写を通して、人の生命にかかわる航空会社の社会倫理を表現した作品である。
明らかに国民航空のモデルは日本航空です。御巣鷹山の墜落事故の一説で明らかです。ここまで書いても大丈夫だったの?と思えるようなストーリーには改めて感動しました。
私は、1,2巻のアフリカ編が一番好きな部分です。
これでもかという組合弾圧による不当人事に翻弄されながらも逞しく生き抜いていく恩地元の生き方には男として感銘を受けました。
3巻の御巣鷹山編は、作者が、あの日航航空機事故を記憶から消してはいけないとの思いを、これでもかと表現しています。
好い加減な気持ちでは書けない内容です。
4,5巻は企業や政権の腐敗体質をこれでもかと書き綴っています。『魑魅魍魎』という言葉が何度か印象的に出てきます。最後にささやかな救いが書き込まれていますが、救いようのない終わり方が衝撃的でした。
もう一度DVDを借りて観たくなりました。
参考 山崎豊子 新潮社
【DATA】
8月 沈まぬ太陽 3巻 山崎豊子 新潮社
沈まぬ太陽 4巻 山崎豊子 新潮社
沈まぬ太陽 5巻 山崎豊子 新潮社
7月 沈まぬ太陽 1巻 山崎豊子 新潮社
沈まぬ太陽 2巻 山崎豊子 新潮社
6月 それでもやっぱりがんばらない 鎌田實 集英社文庫
4月 脳が冴える15の習慣 築山節 生活人新書
3月 往復書簡 湊かなえ 幻冬舎
3月 往復書簡 湊かなえ 幻冬舎
2月 考える力を作るノート 講談社