“ルレヴェ”は床を押さない!


 バレrinaさんのブログで『ルレヴェは高い方が疲れない、低いと脹脛に負担が掛かる』と云う様な趣旨が書いてあったのですが、実は正しいルレヴェなら高さに関係なく疲れる事も脹脛に負担が掛かる事もないので、これについてお話したいと思います。

https://ameblo.jp/bishkek/entry-12851545089.html




 確かに普通なら『足首が中途半端に曲がっている時より、伸び切ってしまった方が体重を支えるのに脹脛が疲れない』と思ってしまうでしょうが、これは『体重を足首で支える』と云う前提で物を考えているからです。

 つまり“ルレヴェ”する為に足首を伸ばして床を押す、その為には脹脛の筋肉を使うと考えているのです。 




 でも“ルレヴェ”する時の足首って意外にもかなり受動的に動いているだけで、特別に曲げ伸ばしを考えたりはしないのです。

 コレは原理を説明するより実際に体験して貰った方が解り易いのですが、ブログでそれは無理なので説明する事を頭の中で最大限にイメージしてみて下さいね。




 先ず“ルレヴェ”で一番駄目なのが「脚の筋肉の張りが緩む事!」です。

 “ルレヴェ”の目的は身体を上に引き戻す事ですが膝が曲がったり脚の筋肉の張りが緩むと幾ら踵を上げても頭は思ったより上がりません。 床から骨盤までの距離が脚の張りを緩める事で最大になっていないのですから当たり前ですよね。

 でも『足首を伸ばして床を押す!』って考えている人は無意識に膝を曲げたり筋肉を緩めている人が多いんです。


 だから、こうならない様に『踵は床に向かって伸ばし、小転子は反対に上に伸ばす!』と考えて脚の筋肉の張りが絶対に緩まない、だけど筋肉を硬直させない様にするのです。


 次に上体の筋肉も緩みなく骨盤の上に垂直に伸びている事! 緩みがあっては駄目なのは脚と同様の理由で、上体の筋肉が緩むと上体が揺れ動き、上体が揺れ動くと重心位置が大きく変化してバランスを取り難くなるので絶対に揺り動かさない様にするのです。 でも上体の筋肉が硬直すると上体は意外にも簡単に動いてしまうので上体の筋肉を引き伸ばし続ける事で垂直をキープします。



 ここまでが正しく“ルレヴェ”する為の準備です。



 ではいよいよ“ルレヴェ”してみましょう。

 分かり易い様に第6ポジションで行います。 第6ポジションに立って骨盤を前(つま先側)に水平移動させましょう。

 この時に骨盤を前傾させて上体を反らせたりしないで上記の2条件を絶対に守りましょう。 骨盤から上は垂直を保つのです。



 すると不思議な事に床を押すとか踵を上げるとか考えなくても勝手に“ルレヴェ”してしまうでしょ(^_-)-☆



 これは踵側からつま先側に重心が移動する際に転倒しない様に身体が勝手に反応して踵が上がっているので、重心の掛け方を調節する事によって“ルレヴェ”の高さを調節出来るのです。



 つまり脹脛を使うという意識を持たなくても“ルレヴェ”してしまうので負担が最小限しか掛からない、当事者にとっては「脹脛を全く使っていない」と云う感覚になるのです。

 同じ様に床を押す意識も持っていないのに結果的に強く床を押しています。




 『強く立つ』と云う事はこの様な事を言い、直接的に床を押したりする事では無いのです。 それを勘違いして体を使うとやろうとしていた事と全く違う結果となるので気を付けて下さいね(^_-)-☆







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