“バッテリィ”は開脚から始まり開脚に終わる!


 “バッテリィ”とは脚を打ち付ける動きの総称で“アントルシャカトル”や“バットマンドゥーブルフラッペ”、“アッサンブレバッチュ”、“ブリゼ”等があります。


 「脚(足)を打つパ」なのに「打つと考えてはダメ」とは矛盾している様ですが、脚を打つ為には両脚が離れていなければ打つ事も出来無いので先ずは両脚を離しましょう。 そして脚を打ち付けた後に、そのまま脚を閉じていては次の“バッチュ”が出来ませんから“バッチュ”したら直ぐに脚を離さねばなりません。


 つまり“バッテリィ”は両脚が離れている所から始まり両脚を離す所で終わるのです。


 “バッテリィ”と云うテクニックが上手になりたいと思うなら脚を打つ事ではなく脚を開く事を強く意識した練習が必要となります。


 特に開脚する方向をいい加減に考えたまま練習をする人が多いのですが、これでは上達する筈もなく開脚方向を毎回正確にコントロールする事が“バッテリィ”を習得する為に必要不可欠なのです。





“アントルシャカトル”のコツ!


 例えば“アントルシャカトル”では横への開脚を強く意識して左右の動きだけで“バッチュ”を行なっています。


 しかし“アントルシャカトル”が上手に出来ない人は脚を入れ替えようと考えて脚を前後に動かしてしまいます。 左右から打ち付けなければならない動きなのに前後に脚を動かすから、いつまで経っても脚を打つ事が出来ずにバタバタとした動きになってしまうのです。


 正しい“アントルシャカトル”の動きを大まかに解説すると、つま先で床を押し脚を伸ばし切る、その瞬間脚は既に左右に離れています。 身体が上に上がる時に脚を第5ポジションに集めて(バッチュ)から素早く開脚します。 開脚の間隔の目安はつま先が足2足分離れる広さ! これは第1ポジションアテールに立った時の両脚の幅です。 ※この位置が一番美しく見える位置なので“シャンジュマンドゥピエ”でもここを目指して練習して下さい。

 身体が下降し始めたら着地の瞬間に第5ポジションになる様に脚を閉じる。


 “バッテリィ”で最も大切な事は打つ動作は全て上昇中に終わらせる事!


 身体が下降する時は脚を第5ポジションへと集める動作しかしません。 もし下降中に脚を打とうとすると着地が乱れたり、最悪の場合はつま先から床に落ちて怪我をしますので。


 正しく理解すると“アントルシャカトル”は上昇中に一回脚を打つだけで、後は第5ポジションに着地するだけの至ってシンプルな動作であり、思っているよりは簡単だと言えます。


 “ブリゼ”等も同じ原理の跳躍なので考え方を変えるだけでテクニックの難易度が随分下ると云うのは面白い事ですね。