『派手』『地味』は環境により変わる!
『基礎は地味!』って思われている様ですが、本当に地味かな?と少し疑問に感じています。
また「派手な踊り」と「地味な踊り」って、どういう事なのでしょうか?
『派手』とは[華やかで人目を引くさま]とあり『地味』は[控えめで人目を引かないさま]とありました。
無茶苦茶でも脚をガバっと高く上げてしまえば、または取りあえず豪快に動けば目立ちますが、それって華やかなのでしょうか? 悪く言えば雑ですよね。
例えば銀座の高級レストランに虎柄のドレスと網タイツに超ミニスカート姿で訪れたら目茶苦茶目立ちますが下品ですよね。 更に大声で会話していたら目立ちますが顰蹙を買います。 決して華やかではありません。
しかし、それが渋谷のセンター街ならば、そんな人は沢山居るので特別に人目を引く事も顰蹙を買う事もなく受け入れられますよね。 華やかかどうか
逆にイブニングドレスで渋谷センター街に居ると目立ちますが場違いな感じで華やかには見られないでしょう。 しかし高級レストランなら人目を引き、また上品で華やかに感じるのでは無いでしょうか?
つまり『派手』とか『地味』って周りの環境により感じ方が変わる物なのでは無いでしょうか?
粋なダンサーになろう!
では『バレエスタジオ』って銀座の高級レストランでしょうか、それとも渋谷のセンター街でしょうか?
それにより『派手・地味』の価値観が変わると思うのです。
それは勿論『高級レストラン』なんですよね。 だってバレエって元々宮廷貴族のお遊びや嗜みとして生まれたのですから。
そしてバレエを嗜む事が国としても個人としても文化的に成熟している証、ナショナルステータス、ステータスシンボルとしての意味合いも持っていたのです。
上流階級では、さり気ない立ち居振る舞いや着こなし等を良しとするでしょう。 あからさまな自慢などは成金の所業と蔑まれます。 和風に言うと『粋な』行いが尊ばれるのです。
バレエだって同じなんです。
難しい動きをさも簡単そうにさり気なく動いて見せると云うのが『粋な』踊りで、そう云う踊りって魅力に溢れていて人目を引いて、とても素敵ですよね?
これが簡単な事をさも難しそうに大袈裟に動いて見せる踊りだったら貴方はどう思いますか? 私は興醒めしてしまいます。 基礎力が弱いと意図せずにこの様になってしまうのです。
難しい動きを簡単そうに見せる為には基礎力が必要で、その練習って身体を引き伸ばし続ける動きなので私にはとても開放的で明るいイメージがあって『地味』なイメージ等は皆無なのですよね。
『基礎が地味』だと云う人達は基礎を押し寿司を作る様にギュウギュウと箱の中に身体を押し込むイメージを持っているのでは無いかと感じてしまいます。
基礎は地味なのではなく、どこまでも広がっている青空の様に自由で『粋』なのですから、『粋なダンサー』『小粋なダンサー』を目指して基礎を頑張りましょう。