膝から崩れ落ちている!


 大人を指導していて感じる事なのですが、多くの方が凄く上達を焦っていると思います。

 バレエは段階を踏んで1つずつ基礎的な事を身に付けなければ正しく踊れる様にならないのですが、焦り故か前段階を飛ばしたり中途半端なままで次に進もうとする人が多いのです。 この様なやり方では怪我の危険が高まり、また身体も崩れて行くので逆に上達が遅くなるので焦れったくても無理をせずに1つずつ確実に身に付けて行く方が結果的に早く上達します。


 一番の問題は脚のタンデュが出来ていないまま踊ろうとする事です! 確りとしたタンデュが出来ていない証拠にポワントやドゥミポワントに立った後に膝から崩れ落ちてしまいます。 バレエでは膝を折り畳むの(プリエ)はフレックスの後なのでポワントから降りてくるには先ずドゥミポワントを通って、それから踵を床につけた後でなければ膝を折り畳んで(プリエ)はダメなのです。

 ですからバランスが悪くて身体が落ちてしまう場合でも膝が曲がってはダメで最悪でも足首から折り畳まなくては上達が見込めなくなります。




足首が弱過ぎる!


 上の問題は“引き上げ”と“足首の強さ”が足りないと云う事なのですが、これはプロダンサーでも気を付けなければならない事でもあります。


 ポワントからアテールになる時に雑に降りたら全身に衝撃が掛かります。 でも衝撃が掛からない様に膝を曲げたら身体の引き上げが破綻します。 ですから膝を曲げずに足首の力だけで丁寧にアテールに降りる訓練をしなければなりません。

 これを片脚で出来なければならないのですから、その引き上げの意識と筋力の強さがどれ程必要かが理解出来るかと思います。


 それにポワントからアテールへ丁寧に降りられるなら、その後にプリエなど必要さえありません。 と云う事は「ポワントから降りるのにプリエが必要」と考えている事自体が間違いなのです。 プリエが必要と思っているのは身体を落とすからで要するに身体を引き上げる意識さえ持っていない証拠なのです。


 脚を高く上げる事を考える前にもっと膝と足首を意識する事、つまり脚を確りとタンデュする事からやり直してみましょう。 これは現役のプロダンサーにも言える事なので自分の出来る範囲で最大の努力をしてみましょう。