だから、アメリカではイノベーションが起きて、日本では起きないんだ | 考え中の人

考え中の人

 
いろいろ考えてみたり、
考え中の人のブログです。


●ポイント

・新しいものを、大切にするアメリカと、慎重に扱う日本


Wikipediaが1月18日にサービスを停止、SOPAへの抗議行動


今日、英語版のウィキペディアを開くと、上の写真画面がすぐ現れて、利用できなくなっている。なぜこのようなことが起こったかというと、ウィキペディアがアメリカの下院で提出した「SOPA法案」に猛抗議しているからだ。ところで、このSOPA法案とはなんだろうか。


SOPAとは、国際レベルでの、オンライン海賊行為を取り締まろうという法案だ。これ自体は大事なことなのだが、問題は、この取り締まり方にある。もしこれが成立すれば、あるコンテンツに対し、その著作権者が「これは海賊行為で違反だ」と認識すれば、簡単にそのサイトを停止することができるようになってしまう。すると、ちょっとしたことなのに、「これは侵害されている」という人がいるだけで、サービスが閉じてしまう。これは、世もすれば、拡大しているIT技術と市場の、萎縮を引き起こしかねない。

そこでウィキペディアは、この法案の可決に抗議するために、「もしWikipediaが使えなくなったらどうなるか」を実践させて、国民に訴えかけたのだ。こうした抗議は、ウィキペディアだけではない。

数多くのIT企業がSOPAに抗議

しており、この法律でどれだけの創造的なサービスがなくなるのか、様々な方法で抗議している。企業だけでなく個人も抗議しており、例えばSOPAを支持を表明したドメイン会社Go Daddyは、その反発から2万人のユーザーを失った。


なるほど、「だからアメリカではイノベーシンョンが起こるのか」と感じた。アメリカほど新しい技術を歓迎して、その規制に反抗する文化は、他にない。それとは対照的に、日本の態度といえば、どうだろうか。


最近でいえば、Winny事件。当時最先端だったP2P技術が、使い始まって初期のとき、海賊版の横行やウィルスの流行の問題が発生した。そして京都県警は、そのソフト作成者である金子氏を逮捕した。そして裁判が行われたのだが、最高裁は「技術自体には違法性はない」として、つい昨年に、7年越しの無罪が確定した。しかし、7年も経ってしまった今、日本ではP2Pの技術発展は完全に閉ざされてしまい、代わりにアメリカで、その技術が花が開いた。


クラウド・コンピューティングでも、実は、日本ではもう何年も前に、その技術は生まれていた。例えば2005年、イメージシティという企業は、「ミュータ」と呼ばれるサービスを開始した。これは、自分のパソコンの音楽を「ミュータ」のサイトに保存すれば、そこから自分の携帯にダウンロードできるというサービスだった。ところが、この「ミュータ」に対しJASRACは、著作権侵害を申し立てた。結果、2007年東京地裁は、この「ミュータ」サービスに対し、「著作権侵害にあたる」との判断を下した。一方アメリカでは、この音楽クラウドサービスを、最近になってアップルやグーグルが、推し進めているという状況だ。


イノベーシンョンは、アメリカでも日本でもどこでも、個人レベルではどんどん生まれているかもしれない。しかし、それが花開くかどうかは、周囲がそれを受け入れて、みんなが気持ちよく使い出すかどうかにかかっている。アメリカではその文化があるが、日本にはない。


日本の文化はむしろ、既得権者がその新参者を恐れ、自らの大きな権力で握りつぶしてしまう。(IT分野では特にそうだ)。よく言えば、石橋を叩いてから渡る、ということになるかもしれないのだが。こんな調子では、「結局電子書籍も駄目になるのだろう」と、思ってしまう自分がいる。


今回の紛争は、アメリカと日本のスタイルの違いを、むざむざと見せつけられた出来事である。