日本の企業の9割は、株式会社という会社形態をとっている。
資金調達の面であれば、最も有効な会社形態だ。
ただ株主総会という機関があるので、取締役(会)という機関で全ての決定事項が,
そのまま業務執行に繋がるわけではない。
ときには、出席株主の議決権の過半数という株主総会普通決議が求められ、
重大な事項であれば議決権行使可能な株主の3分の2以上の賛成いう、
難易度の高い株主総会特殊決議が求めれる。
このようなイベントで意思決定がグズついていては、
流行り廃れの激しい業界で生き残ることはできない。
迅速な意思決定を確保するにはどうしたらよいか。
その1つにMBOという手法が存在する。
今日の新聞でTSUTAYAがMBOを実施するという記事があった。
「TSUTAYAチェーンを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は、
経営陣による買収(MBO)を実施する方針を決めた。
創業者の増田宗昭社長が全株式を取得し、
東証1部に上場する同社株は上場廃止となる見通し」
MBOを行い非公開会社にすることで、企業は様々な縛りから解放される。
例えば収益の状況に関して一般の株主から指摘を受けることが無くなる。
そうすることで、短期的な収益を招くような大規模な投資でも、
スムーズに行うことができる。
さらに、投資家説明責任も限定されることで、
事業戦略を広く世間に公開する必要もなくなり、
水面下で戦略を実行することが可能となる。
激動の時代にある音楽映像コンテンツ産業は、
スピーディな意思決定を行わなければ業界で取り残されていく。
CCCはその危機を感じて今回の方針に至ったのだろう。
企業が大きくなればなるほど、株主や債権者、
その他様々なステークホルダーにがんじがらめにされ、
会社の意思決定に障壁が増えていく。
(その分ガバナンスの強化になるかもしれないが)
ただビジネス周期の速度が早く遷移の激しい産業ならば、
あまり会社を大きくせず意思決定スピードを重視して、
流行の波に振り落とされないようにガンガン突き進むほうがいい。
IT産業でオーナー企業のほうが成功している確率が高いのはこのためだ。
余談だが、ある雑誌に載っていた楽天の三木谷社長のコメントを思い出した。
「無駄をひたすら排除して、効率をどんどん上げていく。
スピードに付いて来れない奴がいれば、置いていく。
走り過ぎて最後に私だけが一人ぼっちになっても、
それで構わない」
恐るべしです、三木谷社長。