携帯電話端末世界シェア約40%という圧倒的NO.1を誇るノキアが、昨年末日本での端末の販売終了を決めるという大ニュースがありました。 同社の発表によると「現在の厳しい世界的な経済傾向の中では、日本独自の製品展開のための投資を続けていけないとの判断」とのことで、特殊と言われている日本市場の特性を浮き彫りにしたニュースでした。

 上記携帯電話端末市場の例のように、技術やサービスなどが日本市場で独自の進化をとげてグローバルスタンダードからかけ離れてしまう現象を、ガラパゴス諸島における動植物の独自の進化になぞらえて、「ガラパゴス化」と呼ぶようになり、ここ最近このキーワードを、特に日本企業の行く末を危惧する記事を良く目にするようになりました。日本の製品やサービスがグローバルスタンダードから外れているため世界市場での競争力をなくし、一方で日本国内の人口減少によるマーケットの縮小と新興国の攻勢によるパイの獲得争いの激化、こういった環境変化が予測される中でどのように日本企業は成長を維持してゆくのかという課題が投げかけられています。

 特に「ガラパゴス化」が目立つ産業として良くあげられるのが、かつて標準仕様争いに敗れたパソコン、一時は世界の市場を席巻するも最近になってその座を脅かされるようになってきたゲーム、他国での標準仕様化で遅れをとるデジタル放送機器などで、いずれの産業も現在から将来にわたり中心視されているICT(Information and Communication Technology)に関連する分野であることも、危惧を大きくしている一因かもしれません。

 危惧のポイントは、日本国内の高い要求に基づいて進化しているにもかかわらず、世界では要求水準の低いレベルで標準仕様(グローバルスタンダード)が決まり市場が拡大、日本製品はレベルが高いものの標準仕様に準拠しておらず、進出するにはグローバルスタンダードに対応するための新たな投資が必要となるのと同時に、市場のニーズを超えた華美な機能や品質実現のためのコストがかさみ価格競争力を低下させ苦戦する、という構図です。日本は言語的・地理的な要素も一因となり、グローバルスタンダードを他国と協創することに長けていません。そのことが、海外企業の日本市場への参入障壁となり、日本企業の海外進出の足かせとなっていて、海外から見て日本市場は特殊で閉鎖的といわれるゆえんでもあります。

 弊社が属するソフトウエア産業では、例示した携帯電話やデジタル放送機器のような、グローバルスタンダードから外れた標準仕様の上で拡大してきた産業ではないため、どちらかというと障壁は低いほうだといわれています。従って、外資系企業が様々な分野で上位に名を連ねます。しかし海外で上位に名を連ねている日本企業は、前者に比べて極めて少ないのが現実で、端的に国際競争力が低いといわざるを得ません。他にも同様な産業は多数あります。

 このような事実をつきつけられると、正直「脱ガラパゴス化」が日本企業を強くするのか弱くしてしまうのかわかりません。ただいずれにせよ、保護された産業は遅かれ早かれ競争力を低下させることになります。そうならないために、国内ビジネスだけを狙っていても、海外市場を狙っていても、来る大競争時代に備えて大きな視野で情報を収集し、整理・分析し考える習慣だけはつけておきたいと、いまさらながら思います。
 前回のコラムでは、景気後退局面での企業の常套手段である「業務のスリム化(オペレーションコスト削減)」への取り組みについてお話いたしました。

 今回は残りの2つの課題「売上(その源となる顧客)の維持」と「リアルタイムな状況把握の実現」への取り組みについて話したいと思います。

売上(顧客)の維持

 景況不透明な時にまず行うことといえば、前回ふれたコスト削減に加えて、既存顧客からの売上維持でしょう。特にエンドユーザーが特定できるような業種・業態の場合は、特に力を入れるべき取り組みと言えます。

 一般的に、新しいお客様を1人獲得するコストは、1人のお客様を失わないようにするコストの5倍かかると言われています。特に、本当に必要なもの以外への出費が抑制されている最近では、新規顧客の獲得効率はもっと極端に下がっていることでしょう。このような状況では、闇雲に目に見えない顧客・売上獲得に躍起になりすぎることなく、今目の前にある顧客・売上を失わないことにより力を注ぐことが、直近の業績安定化、自社製品やサービスの競争力強化、さらには景気回復に転じた際の巻き返しに、一番効果があがります。今避けなければならないことは、あたりまえですが、可能性の低いことにバランス 感のない莫大なコストを投じることです(実は判断ミスをしないように、自分にも言い聞かせていたりします)。

 現在の顧客・売上を維持する取り組みこそがCRMなわけで、彼らへのサービスレベル・彼らにとっての費用対効果をいかにして向上させるかという観点で、自社の業務プロセスやアウトプットを見直すことが必要で、決して値引きだけしていれば良いという問題ではありません。良いサービスをリーズナブルなコストで提供することができれば、顧客の満足度は向上し失客を防止できます。このような取り組みを愚直に実行し続ければ、間違いなく自社のサービスレベル、つまり競争力は向上し、景気が回復局面に転じたときには、そのような取り組みをしてこなかった企業との差別化が決定的なものになるでしょう。

 当然新規顧客獲得努力もすべきですが、こちらについてはこれまで以上に頭をフル回転させ、知恵と工夫でROIを高める努力をすべきです。一定のマーケティングコストを投入すれば、一定のリターンが期待できる状況ではありません。このような状況では、逆にこれまでよりも投入予算を思い切ってグッと絞り、知恵と工夫でどこまでリターンの減少を食い止められるか、という視点に切り替えることが望ましいと思います。限られたリソースで、最大のアウトプットを得ようと努力するプロセスも、間違いなく企業のスキル・競争力を向上させ、景気回復局面に転じたときに、そのようなことをしてこなかった企業との差がはっきりとでます。

リアルタイムマネジメントの仕組み

 知恵と工夫によるコスト削減とマーケティング効率強化策の実施に加えてもう一つの必須の取り組みは、損益見込みをリアルタイム把握できる仕組みの構築である。特に今回ほどの先行き不透明感が漂う時には、何よりもまず第一に整備しなければならないと思います。これはシステムを構築すればすむというものではなく、どちらかというとリアルタイムに状況を把握するための業務フローを、業務効率低下が最低限になるように考慮して新たに作り直すという作業になります。システム化は、データ収集作業を簡素化したり、データ集計・加工作業を自動化したりすることで少しでも人手の作業をなくしたり、人が作業を行うよりも早く・タイムリーに・より正確に実現するための一手段にすぎません。

 最も重要なことが、売上見込み・受注見込みという将来の売上獲得の可能性をどれだけタイムリーに把握できるか、またそのことをどのような情報から判断するかを事前にきちんと整理すること、加えて費用見込みや業務効率上の課題をどれだけタイムリーに把握できるか、また同じくそれをどのような情報から判断するかをきちんと設計しておくことです。これを間違えると、リアルタイムを目指しながらも、結局1ヶ月・2ヶ月前の情報に基づいた見込み把握になってしまったりします。目的が「リアルタイムな状況把握とタイムリーな意思決定」であるので、情報の細かな精度よりも鮮度に気を使うべきであり、報告時点の結果に一喜一憂するのではなく、状況の推移に注意を払う必要があります。できていると思っていて、意外ときちんとできていないことが多いのが、このリアルタイムマネジメントの仕組み作りといえます。
 前回のコラムでも書かせていただきましたが、景気後退局面で企業が行わなければならないことは、業務のスリム化つまりオペレーションコストの削減と売上(その源となる顧客)の維持ということになります。これらを行うことで、差額である利益を創出しなければなりません。そして、このような先行き不透明で変化の激しい環境であるため、計画通りに売上が獲得できているのか、またコストが計画通りに抑えられているのか、良い悪いにかかわらず何か想定外のコトが起きている兆しがないか、できる限りリアルタイムに把握したいものです。どのような会社でも、今年の経営上の重要課題はこの3点に尽きると思います。

業務のたな卸しとスリム化

 まず今回は「業務のスリム化」という観点からお話します。一般的に取り組むことは、経費削減・投資削減・業務削減・人員削減といった「出費額を減らす」取り組みです。もう一つは、スタッフの能力向上やIT支援・BPO活用等による「生産性向上」の取り組みです。当たり前のことですが、経費・投資・業務・人員数等に「無駄(景気が良いときには『遊び』とも言う)」がある場合には、単純にそれらを削減してゆけば良いのですが、無駄がないあるいは少ないときには今ある業務を「なくす(廃止)」必要があります。

 なくす業務の代表的は探し方としては、

(1)重複業務の発見「実は同じような作業を、別の部署でも行っている。。。」
(2)不要な業務の発見「昔から作成しているレポート群、実は誰も使っていない。。。」

などがあります。

 「うちの会社には恐らくない」と思っていても、だいたいどんな会社でも経営陣の知らないところで、こういうことが起きています。単に「昔から毎月この形式で提出することになっているから」というだけで、提出後全く利用されないデータ作成作業を、延々と盲目的に行っているケースが意外なほど多くあるものです。こういった取り組みをするだけで、サービスレベルを落とすことなしに残業コストを大幅に削減できたケースもあります。

 これを行う際の注意点は、各自・各部の業務のたな卸しを行い整理する際に、自分のあるいは自分たちの個々の仕事は、それぞれ「何の目的のための業務のインプットのためにアウトプットしているのか、そして本当にその仕事に意義があるのか」を、突き詰めて整理することです。とても重要な作業と思っていたことが、実はもう続ける意味がなかった、なんてことになるかもしれません。

 次の視点は「生産性向上」です。これは、今行っている業務にかかっている工数(時間)を、なんらかの取り組みによって「減らす」ことによって達成されます。減らせる業務の代表格は、ミスやトラブル発生に伴う追加対応作業、製造・開発における手戻り作業、何度も同じコトを繰り返し行う計算・集計作業等です。

 これに取り組む際には、通常なんらかの追加投資(コスト)、例えばシステム化投資・スタッフ教育投資・マネジメント業務の強化など、がかかります。ですので、あたりまえのことですが、追加出費分を生産性向上に伴うローコストオペレーション化による固定費削減効果でペイできる、あるいはこれに取り組むことによって、コスト削減効果はないかもしれないが、企業競争力が抜本的に向上する(=売上・顧客を維持・拡大しやすくなる)、ことでなければ取り組む意味がありません。

 特にシステム化などのケースでは「システムにどこまで求めるか」が効果創出の鍵を握ります。いままでシステム化する場合には、極端に言うといわゆる「TO-BEモデル(あるべき姿・理想形)」を追いかけることができた企業も、これからは「効果を最も効率的に獲得できる現実的な落としどころ」の追求がとても重要になります。

自身の能力強化のためにも

 これら、不要な業務をなくす、生産性を向上するという取り組みは、単純に「出費を減らす」という以上に、企業や自分の能力を筋肉質に変えることができます。今年の景気動向から見ると、待ったなしで取り組む必然性がある、逆に良い機会だと思いますので、まずは自分の担当する範囲からでも徹底的に考え抜いて、本気で取り組んでみてください。
 新年明けましておめでとうございます。本年は100年に一度の大不況になるといわれ、昨年末から各企業による「この不況を乗り切るための対策」が新聞紙面やテレビのニュースで頻繁に報道されています。

 今回の不況は、全世界レベルでの新しく複雑な金融システムの破綻に端を発したもので、世界中の各国が同時に激しい景気後退局面に突入していると報じられています。特に諸外国への輸出が好調であった企業にとっては、マーケットとしての購買力の失速と円高というダブルパンチをくらう形となっています。初めて経験する、この新たな不況構造を乗り越えるには、大変な努力と知恵が必要となることでしょう。

 不況の対策といえば、個人も企業もまずは「お財布の紐を締める」ところからはじまるのが通例です。無駄な出費を無くし、本当に必要なモノ・コト以外への出費は我慢することになるでしょう。さらに本当に必要なモノ・コトへ出費するときには、コスト・品質・それにより得られる価値(効果)を今まで以上に厳しい目で検討し、選別購入をするようになります。

 つまり、市場のパイは減少し、限られたパイの中での競争は非常に激しくなり、文字通り「各業界内での生き残りをかけた熾烈な戦い」がまさに始まろうとしています。これからは今まで以上に、コスト削減と付加価値向上による競争力強化を両立できる企業とできない企業との差が広がり、この不況を抜け景気回復基調に戻った時には、生き残ることができた企業のなかでも、圧倒的な差が発生していることでしょう。

 見方を変えれば、企業にとっては、これまでの業界内でのポジションをガラッと変えられる可能性がある、千載一遇のチャンスといえるかもしれません。

 このような時期に必要な「コスト削減以外の」努力とは、少なくなったパイの中で「どれだけプレゼンスを上げられるか(引き合い増加)」「今お付き合いしているお客様をどれだけ維持できるか(失客防止)」「お客様にどれだけ適切な提案を適切なタイミングで行うことができるか(お客様ニーズの正確な把握とアフターマーケティング)」といった、お客様とのより良い関係作り、つまりCRMへの丁寧な取り組みです。

 普段は「守り強化」で地味な取組みというイメージのCRMですが、このような景気後退局面でこそじわじわと真価を発揮するのです。加えてこの不況下でも売上拡大を続けているECマーケット、費用対効果が高いといわれているインターネット広告の最適活用、このあたりにも企業間競争を抜きん出るヒントがありそうです。

 本年は、私どもにとっても、皆様がたにとっても、これまでとは違う厳しい環境になるであろうと、私も覚悟しております。しかしながら、こういう時にしかできない思い切った効率化(コスト削減と質的向上)への取り組みを行い、より良いサービスを提供できるように心がけてゆきたいと存じます。

 皆様とともに成長し、皆様に頼られる存在であり続けたいと思いますので、本年も何卒お付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
不確実性の時代に求められる取り組み

 昨今のビジネス環境は、金融不安による世界恐慌説も嘯かれた一時の騒然とした状況からは落ち着きを取り戻しているものの、いまだ先行き不透明感に覆われています。新聞紙上を見ても業績悪化のニュースが多数占める状況のなか、一部企業は過去最高益を計上するなど、まさに今のビジネス環境は「非連続・不確実かつ競争激化の時代」ですね。

 このような時期に取り組むべき最重要テーマは、いわずもがなですが「ビジネスオペレーション上の贅肉落とし」すなわちいわゆる「コスト削減」、「インターネット活用による新規顧客獲得効率化」および「CRMへの取り組み強化による顧客離れ防止」、この3つの取り組みです。

 これらの取り組みは、本来であればいかなる環境下にあっても重要視すべきではありますが、取り組みが比較的「地味で守り固め的な」内容であるため、これまで市場環境が全体的に上向いている状況下では、より「派手で大掛かりで攻撃的な」取り組みに重点が置かれ、残念ながら予算配分的には後回しになりがちな傾向にありました。しかし最近の弊社へのお問い合わせ等を見ると、この3つの取り組みにリンクするものがほとんどで、今までの傾向が変わりつつある兆候を感じています。

売れるための仕組みと仕掛け

 この3つの取り組み、特にマーケティングにかかわる2つ目3つ目の取り組みを進めていく上で重要なポイントは、マニュアル業務で場当たり対応するのではなく、ITによってインフラを構築し「マーケティング業務」を文字通り「売れるための仕組みと仕掛けづくり」へと変貌させることです。

 私自身も常々気をつけているのですが、マーケティング業務は非常に「マンネリ化」しやすい業務といえます。特に日本の場合は、一般的に「マーケティング=広告・宣伝活動」とのイメージが強く、実際の業務内容的にもそれにかかわる仕事の比率が多いのも事実です。その年の活動がうまくいく、つまり反響が増えた・売上が増えたという結果が出ると、当然翌年も前年に行った活動をベースにして計画を立てることになります。

 それが数年続くと、業務マンネリ化の可能性が高くなるわけです。これを防ぐためには、「行った活動成果の見える化」「反響や市場からのニーズ等の変化の兆候の見える化」を、ITインフラによってよりタイムリーにより少ない業務オペレーションで把握できる仕組みを構築することが重要です。加えて、よりソフトな部分、どういう活動をすべきか・そのやり方をどうすべきかなどを考える時間を増加させ、過去の結果や現在の兆候を踏まえた上で何をすべきか考え抜くことが本当の(付加価値が高い)仕事であるという文化を、社内に根付かせる必要があります。

 弊社の「eMplex CRM」は、このような思想に基づいた、マーケティング業務の成果や顧客・市場の声・要対応課題の把握と業務オペレーション効率化、マーケティング施策実行の自由度向上の実現を推進する製品です。ご検討の機会がありましたら、是非弊社までお気軽にお問い合わせいただけると幸いです。