★ほんとにもめてる場合じゃない、事業承継したいなら「争族」より「納税対策」だ! | ジャーナリスト 石川秀樹

ジャーナリスト 石川秀樹

ちょっと辛口、時どきホロリ……。理性と感情満載、世の常識をうのみにせず、これはと思えばズバッと持論で直球勝負。
3本のブログとFacebook、ツイッターを駆使して情報発信するジャーナリスト。
相続に強い行政書士、「ミーツ出版」社長としても活動中。


★ドラマ遺産争族、「自筆遺言のワナ」より怖いのは「相続税」に無策を続けることだ!
http://yuigonsouzoku.net/heritage-dispute/


テレビ朝日系の木曜ドラマ『遺産争族』を職業柄、楽しんで観ています。先週の第7話なんて、秀逸でしたよ。
「自筆遺言」にかかる落とし穴がいくつかあって、それを巧みにドラマに取り入れて”争族”ぶりを一層盛り上げていました。


今後のストーリー展開を注目していきたいんですが、事業家の皆さんは、もうひとつ別の観点からこのドラマを観てください。
伊東四朗が演じる「河村龍太郎」という人は一代で葬儀社を築き一応の”成功者”なのですが、事業承継を考える経営者としてはまず最低水準です。




相続財産としては、分けにくい代表格である「豪邸」と、未上場企業の自社株というこれまたやっかい極まりない財産が中心。そして現金は金庫に隠しておいた数千万円(?)
こんな未整理のまま「相続」を迎えなければならないとすれば、無策というほかありません。


未上場企業の自社株は、例えば資本金が2000万円だとしても、業績好調な企業であれば「相続税評価額が数十億円」と評価されることもあるのです。
どうやって相続税を払いますか?


そこに思い至れば、余命何年ともわからなくなってなお”くだらない遺言”を書いてわざわざ家族をもめさせることなんて、ありえないんです。
もともな経営者なら、(たとえ現職の社長は譲っても)事業承継を考え抜いて、何年も前からありとあらゆる対策を講じるのが普通です。


まあ、そんな人を主人公にしたらドラマはこんなに盛り上がりませんけれど。
というわけで、別の観点からドラマ感想文を書いてみました。