★Facebook、やめたくなった……  宣伝、アピールはご法度ですか?! | ジャーナリスト 石川秀樹

ジャーナリスト 石川秀樹

ちょっと辛口、時どきホロリ……。理性と感情満載、世の常識をうのみにせず、これはと思えばズバッと持論で直球勝負。
3本のブログとFacebook、ツイッターを駆使して情報発信するジャーナリスト。
相続に強い行政書士、「ミーツ出版」社長としても活動中。



3日連続でFacebookのことを書いている。
きょうも高飛車に聞こえるかもしれない。
横町の隠居のたわごとと思って、ご容赦願いたい。


言いたいのは「Facebookと広告」という話だ。
難しいね、これは。
今の日本のFacebook事情では、宣伝するなんてとてもむつかしい。


それで、困ってしまう。
それじゃあFacebookの普及はどうなるのか?
“社会を変えるツールだ”と息巻いてきたのに、形無しだ……。


おっしゃる通り、Facebookは交流のツールです。
「Facebookは売り場じゃない」それもごもっとも。
だいたい“自分自慢”なんてのは性に合わないから、
僕だって人の自慢話なんて聞きたくない。
商品のPR? そんなこと、する人がいれば野暮でしょう。
このFacebookという公共の場で!
自分の店や会社を宣伝したい?
ならば、広告でどうぞ。


と、素直でクレバーな日本人はこう言いそうだ。
Facebookが流行り始めたころ、セミナー講師はしきりに言ったものだ。
「Facebookはビジネスに使える!」
ドッとばかりに、その手の本も出てきた。
踊らされ、真に受けて、にわかマーケティングが横行した。
売りたい、集客したい本音を隠して“友達”のフリ。
ああ、気持ち悪い……。
こう感じた人も多かったに違いない。
それで、あつものに懲りてナマスを吹いている?

ジャーナリスト 石川秀樹


この話、何が間違ってしまったのだろうか。
「いかにも今の日本ですなあ」と、僕はいいたくなる。
テクニックばかりが「先行」なんだよ。
もっと素直で自然なのがいいのに……。


かろうじて僕ら世代は、戦後、落ち着き始めた昭和の時代を知っている。
まだスーパーマーケットもなかったころ(無論、コンビニも)。
母は毎日近所の八百屋や魚屋に通ったものだ。
対面商売、「安いよ、安いよ、見ていってよ」
「奥さん美人だから、1本おまけしちゃうよ」
売らんかな、むき出しだ。
でも誰も、イヤだなんて思わなかった。
商売だもの、当たり前、ご近所だから気心も知れている。


実名のソーシャルメディア、Facebookによって、こんな昭和の時代が
(疑似的仮想空間ではあるにせよ)再来するのではないかと僕は想像した。
でも、完全に裏切られた。ガッカリだよ。
みーんな“よそ行き”!
売り込み、宣伝のにおいがすれば、見事にスルーだ。
どうしてそんなに気取っているのだろう?


「おまちバルやるから、おいでよ」
「グループで劇をやります」
「Facebookの講習会やるよ」
イベントは毎日毎日盛り沢山。
でもお客殺到でうれしい悲鳴なんて、見たこともない。


友達のイベントに閑古鳥鳴かせるなよ!
僕は行けなくても、気がつけばいいね!くらいはする。
素晴らしい企画だと思えば自分の「友達を招待」する
(「イベント」にはそういう機能もある)。


誰だって、イベントを企画すれば「来てほしい」さ。
いい商品ができたら買ってほしい、
サービスを工夫したら喜んでほしい。
でも今のFacebook、そういうことを書くとソッポを向かれる。
これはどういう心理なのか。


教室の空気に怯えて友達に声も掛けられない子どもたちと一緒じゃないか。
確かに確かに、今のFacebookの中では、
バカか鈍感でなければ、店や商品のことも語れない。
これは潔癖というのか、いらぬ自己規制というのか。
あっ、そうだ、『はだかの王様』だ。
見えているのに見えないふり、
明らかに「ヘンだ」と思っているのにそれを言えない。


そりゃあ、共感のツールでしょうよ、Facebookは。
場違いな“アピール”は失笑ものと切り捨てる。
しかし、大事なことを忘れていないか。


実名のFacebookは、社会とおんなじだと思いますがね。
高貴もあれば下賤もある、まこともあればウソもある、
謙虚な人がいれば高慢ちきもいる。
だから面白いんじゃないか。


「広告を使えばいい」という人がいそうだ。
その考えはナイーブすぎる!!
いや、Facebookのことを知らなすぎる。
広告は「ふだんの投稿の増幅装置」だ。だから―
ふだん「いいね!」が少ない人が広告を打っても効果は出ない。
カネをかけてもFacebookは応えてくれない。


だからこそ言っておきたい。
僕らフツーの人のFacebookでは、
「いいね!くらいケチるなよ」と。
お互い様だ。
アピールできなくて、むみんな困っている。
ならば、人の一所懸命には拍手を送ればいいじゃないか。
いいね!してもこころは減らない。


商売に熱心なんて、みんながやってきた。
昔も今も。
そして昔は、少なくとも一所懸命がイヤな顔をされることはなかった。
ソッポを向く今の日本のFacebook状況は異常だ。


Facebookなんて、やめたい人が出てくるでしょうな。
このままでは。
ユーザーの心が閉じっぱなしなら。
やめたくなる気持ち、僕も同じくだ。
理想があるので踏みとどまってはいるが……。







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【筆者から】
このブログの元になっているのはFacebookへの書き込みです。
主にFacebookページ「ジャーナリスト 石川秀樹」に投稿しています。
ミーツ出版(株)という小さな出版社の社長をしています。61歳で行政書士の資格を取り開業しました。さらにこの数年は「ソーシャルメディアを愛する者」としてFacebookで熱く語り続けています。ブログは私の発言のごく一部です。ぜひFacebookページもご覧ください。コメントをいただけたら、こんなにうれしいことはありません。


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