Facebookは実によくできたツールだ、と思う。
自分のために使いこなそうとすると、思い通りにならない。
人のためによい情報を流すと、それは広がっていく。
Facebookの原理が働いているからだ。
Facebookの第1の原理は「交流のため」である。
現実のつながりをもっと深める、という目的が根底にある。
第2の原理は、
「価値ある情報を、(それを)求めている人に届ける」だ。
何のために届けるかといえば、よい交流のために。
この点、Facebookは一貫している。
「それを」を丸カッコ付きにしたのは、情報を求めているかどうかは、本人ではなく、Facebookの“仕組み”が判断しているからだ。
この仕組みが第3の原理、「クチコミ」を生む。
なんだか難しい話に聞こえるが、言いたいのは簡単なことだ。
〈Facebookでは、人から求められている記事がよく届く〉
これだけのことだが、これは、はなはだ重要である。
残念ながら、「あなたが広めたい情報」ではないのだから!
Facebookは「必要な情報」を必要な人に届ける。
「良き情報」なら、もっと多くの人に届ける。
なぜならFacebookは、「良い交流を」と思っているからだ。
次のように言い換えてもいい。
良い情報とは、友達やファンが興味をもった情報のこと。
良い情報には、いいね!とコメントが付く。
するとこれは、交流のある友達やファンに確実に届けられる。
友達やファンが「この情報はもっと多くの人に知ってもらいたい」と思った記事はどうなるか。
シェアされ、タグ付けされるような記事。
長い記事の場合、「もっと見る」が多数にクリックされる記事。これらが“知ってもらう”に足る記事であり、
Facebookは、多くの人に届くように動き出す。
いわゆるクチコミを発生させる。
一方、「いつもの記事」はいつもの人たちに届けられる。
だから、多くの場合、いいね!は固定化してくる。
Facebookはまことに期待を裏切らない。
(逆にいえば、期待以上のことはなかなかしてくれない)
誕生日や出産、結婚などの“特別な”お祝い事は、
いつもの人を超えて広い範囲に広がっていく。
『粋だな』と思う。
Facebookはこういう仕組みも取れ入れているようだ。
Facebookはものすごくメリハリのあるメディアだ。
読み手の反応に実にきめ細かく反応する。
だから同じ人間が書いていても、記事の中身によって表示数は信じられないくらい変動することにもなる。
以上の“操作”をFacebookは勝手にやる。
もちろん一定の公式に従ってだが。
その公式を「アルゴリズム」という。
公式はまったく公表されていない。
だから諸説が飛び交う。
迷論、暴論もある。
「いいね!、コメント、シェア」がクチコミの原理、
などというのは短絡にすぎる。暴論だ!
もっと、多様な要素からFacebookはアルゴリズムを決めている。
〈Facebookでは、人から求められている記事がよく届く〉
だからFacebookは「人から求められている記事」を探す。
友達やファンの記事への反応をくみ取る。
反応は「いいね!、コメント、シェア」だけではない。
写真や動画のクリック、「もっと見る」を押し、
リンクをたどるのも反応だ。
Facebookページにいいね!する、ページに書き込む、
記事や写真でページをタグ付けする、
ページがスポットに登録されていればそこにチェックイン、
スポットを「おすすめ」に書く、
クエスチョンやイベントの招待に回答する……。
これらすべては投稿への反応であり、ページへの好意を表わす。
Facebookが見逃すはずはない。
ユーザー側のアクションが投稿やページの価値を決める。
Facebookは有能な“探偵”だ。
推理力があるわけではない。
データを見逃さないのだ。
記事の内容をいちいちのぞいているわけじゃない。
友達やファンの反応から“価値”を割り出している。
投稿の価値を左右するのは、記事の長短ではない。
写真のあるなしではない。
PRか否かでもない。
投稿を見た1人ひとりの反応、
つまり共感を得られたかどうかだ。
“探偵”を欺くテクニックはあるかもしれないが、意味はない。
永く友達、ファンとつきあわなければ信頼は育たないからだ。
友達やファンを大切にする人になりましょう。
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【筆者から】
このブログの元になっているのはFacebookへの書き込みです。
主にFacebookページ「ジャーナリスト 石川秀樹」に投稿しています。
ミーツ出版(株)という小さな出版社の社長をしています。61歳で行政書士の資格を取り開業しました。さらにこの数年は「ソーシャルメディアを愛する者」としてFacebookで熱く語り続けています。ブログは私の発言のごく一部です。ぜひFacebookページもご覧ください。コメントをいただけたら、こんなにうれしいことはありません。

