「有能な営業マンのイメージについて」
僕の経営上の師匠である山田壽雄さんがけさ、以下のようなことを書いておられた。
「頭の回転がよくて社交性に長け、弁舌が爽やかであること、というのが相場でしょう」
でも違う、というのである。
「現実は全然逆で、このような営業マンは最も不的確であります」
こうした営業マンは個々の商談には強いかもしれない。
ところがお客様にはかえって「してやられた」感が残り、警戒心が起きるかもしれない。
こういう人は「押し込み販売向き」。
そして「押し込み販売は、販売の邪道です」と師匠はきっぱりいう。
営業マンの適格者は、頭の回転はそこそこ、社交性に欠け、口が重いこと。
そして真面目で根気強い人間であること。
「陰日向なく根気強く」こそ、営業マンに要求される最も大切なものである。
以上の3条件が師匠の教えだ。
なるほどなぁ、それで僕みたいな人間がマスコミ世界で
つまづき、うろたえ、恥をかきながらも、
なんとかやってこれた理由が知れた気がする。
取材、インタビューでも僕は必要以上にはしゃべらない。
98%くらい、聴き手である。
それで苦情がきたことはない。
はっきりいって、僕のようなタイプは入社試験には受からない。
なぜなら企業は、当意即妙、テキパキ仕事をこなし愛想よく、
空気を読んで先回りして、かゆい所に手が届く
そんな人間ばかりを求めたがるからだ。
それは「能力」には違いないが、
そんなものがコミュニケーション力だと思っているから
日本企業は小さな「群れ」から脱皮できないでいる。
日本社会を覆うこの勘違いは罪が重い。
個の違いを認めず、人とつきあえなければ人間失格のような空気。
そんな会社社会の臆病で筋違いの“常識(本当は非常識)”が今や、
幼い学校社会までを覆って、いじめ恐怖症の委縮集団をつくっている。
社会を前に進めるのは、コミニュケーション能力ではない。
異質を恐れず、自分の好き、自分がやりたい、を押し通す
わがまま者たちがつむぎ出した“何ものか”であることが圧倒的に多い。
日本社会で、会社がエラくなりすぎた。
会社に入れなければ幸せがない、と多くの人が考える。
そこからはじき出されたら困る。
そう考えるから「小権力」上司や小ズルいお調子者が幅を利かせる。
そんな者たちに迎合して“安全”を得たい者も少なくない。
社会全体のサラリーマン根性が日本を息苦しいものにしている。
人をいじめることに血道をあげるバカ者たちよ、
お前たちも心に巣くう鬱屈(うっくつ)を誰かにぶつけているだろう。
腐った知恵や悪巧みの能力は、いっそ「起業」に向けたらどうだ!
臆病者は何も生み出せないし、前に向くこともない。
99%無理だとは思うが、たった1人でも挑発に乗ってくれないか。
以後、見る夢は人をいじめ倒すより、はるかに痛快で意味深い。
師匠の教えとは若干ずれてしまったが、
「弁舌必ずしも営業の極意ならず」を聞いて、
そんなことを思った。
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【筆者から】
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ミーツ出版(株)という小さな出版社の社長をしています。61歳で行政書士の資格を取り開業しました。さらにこの数年は「ソーシャルメディアを愛する者」としてFacebookで熱く語り続けています。ブログは私の発言のごく一部です。ぜひFacebookページもご覧ください。コメントをいただけたら、こんなにうれしいことはありません。
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