★何もしない・できない論の学者を引っ張り出してアベノミクス批判!? | ジャーナリスト 石川秀樹

ジャーナリスト 石川秀樹

ちょっと辛口、時どきホロリ……。理性と感情満載、世の常識をうのみにせず、これはと思えばズバッと持論で直球勝負。
3本のブログとFacebook、ツイッターを駆使して情報発信するジャーナリスト。
相続に強い行政書士、「ミーツ出版」社長としても活動中。


無益なことにあまりエネルギーを使いたくはないんですが……。
朝日新聞が「アベノミクス」批判に1ページを割いているので、
負けん気がむくむくと。


オピニオン欄、今回のテーマは「経済学は無力か」だ。
現実世界に処方せんを示せないことを「無力」と見ているわけだが、その無力な経済学者を登場させて、曲がりなりにも処方せんを出して国を動かそうとしている安倍首相の経済政策を批判しようというのだから、ずいぶん乱暴な話である。


本日の主役は一橋大学大学院教授の斉藤誠さん。
この人は今回の株高の要因となった円安を、「政策効果とはいい難い」とアベノミクス効果を全否定している。
その上で、朝日の編集委員が「お金をばらまく量的緩和で物価を上げてデフレから脱却しようという『リフレ政策』もアベノミクスの柱です。
これは危うい政策では?」と水を向けると
「2%の物価上昇目標ですが、市場は中長期にも実現するとはまともに信じていません」
このあたり、根拠なくいい切られても、読む側としては困惑するばかり。
きっと斉藤さんが信じたくないのだろう。
すると斉藤氏がいう。
「なぜなら理論的には、物価が2%上昇すると金利は3%くらいになる。賃金も3,4%ぐらい上がるでしょう。そうなれば企業のコストは膨らむし、国債価格が急落して、国家財政も、国債を大量に抱える銀行も困る。雇用に影響が出て労組も困る。そんな姿をだれも望んでいません」


学者先生にこういわれると、多くの人がうのみにするだろう。
「理論的に」というので、あたかも理論があるようだが、それではこれを逆説的に読んでみよう。
「……理論的には、物価が2%下落すると金利は0%くらいになる。賃金も3,4%ぐらい下がるでしょう。そうなれば企業のコストは軽減されるし、国債価格が急騰して、国家財政も、国債を大量に抱える銀行も喜ぶ。雇用に影響が出て労組も喜ぶ。そんな姿をだれも望んでいます」
ね、おかしいだろう?
後から書いたのが、つい先日までの日本経済の姿だ。誰がデフレを喜んでいただろうか。


素人ながらいわせてもらうが、経済学は心理学である。
今回の円安は間違いなく、次期首相たる安倍さんが口先介入したことから始まった。
「金融政策を変える。といったのだ。
それに市場が反応した。
客観的に経済その他、状況がそろっていたから円安に振れたわけではない。
政権が断固たる姿勢を示さなければ、円安はなお進んでいただろう。
「政権も自らの政策効果などと言わず自然体で臨めばいい」と斉藤さんはおっしゃるが、自然体で臨んでいたから(坐して手をこまねいていたから)、日本は10年の余もデフレに苦しんでいたのじゃあないですかねぇ。


もうひとつの言葉の誤魔化し。
「賃金も3,4%ぐらい上がるでしょう。そうなれば企業のコストは膨らむ」の部分。
企業を主語にすれば一部当たっているかもしれない。
しかし、社員の側を主語にしてご覧よ。
「賃金が3,4%ぐらい上が」ったら、誰もが喜ぶ。消費増も期待できる。
アベノミクスはハナっからここを当てにしている。
光の部分を無視して、影の部分だけに焦点を当てて語れば、同じ事象から悲観主義しか出てこない。


大新聞は実になんともペシミスティクに世を憂いてくれる。
「番犬、虚に吠ゆ」という言葉がある。
ありもしない影に怯えて吠えまくることをいうが、今回もまた、だ。


編集委員の原真人さんはこのキャンペーン末尾「取材を終えて」にこう書く。
「政策を魔法の杖のように吹聴する学者が脚光を浴びがちだが、原点を忘れぬ学者の言葉をよくかみしめておきたい」


「魔法の杖のように吹聴する学者」とは安倍首相のブレーンの浜田宏一エール大名誉教授あたりを指しているのだろう。
では原編集委員お気に入りの斉藤教授が何をいっているのかといえば、「経済学者は何もできない」といっているのだ。
「何もできない」が持論の人を引っ張り出して、何をいわせたかったんでしょうな。
何もしないよりは「変える」といってくれた安倍さんの方がまし。
内閣支持率のいつにない高騰が、国民の気持ちを代弁していると思いますがねえ。


原点をかみしめるべきは、大新聞の方ではないか。




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【筆者から】
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主にFacebookページ「ジャーナリスト 石川秀樹」に投稿しています。
ミーツ出版(株)という小さな出版社の社長をしています。61歳で行政書士の資格を取り開業しました。さらにこの数年は「ソーシャルメディアを愛する者」としてFacebookで熱く語り続けています。ブログは私の発言のごく一部です。ぜひFacebookページもご覧ください。コメントをいただけたら、こんなにうれしいことはありません。


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