「オスプレイ模型が人気 輸入品は品薄状態 県内メーカーも販売へ」というのだ。
老朽化したCH46輸送ヘリに代えて米軍が、岩国基地(山口)、普天間飛行場(沖縄)に配備しようとして大反対があった。開発段階から事故が多発したからだ――
と前置きはそれくらいにして、静岡新聞は「模型の人気」を伝えている。
静岡市周辺はかつて木工の町だった。
その加工技術を活かして戦後の一時期、木製模型が一世を風靡した。
昭和30年代後半(『3丁目の夕日』の時代だ)にはそれがプラスチックモデルに代わった。
タミヤ、ハセガワ(焼津市)などのメーカーがあり、ガンダム模型のバンダイもその系譜を継いでいる。
だから静岡新聞らしい着眼で、この記事は生まれた。
ユニークな形状だもの、模型があればそりゃあ売れるだろうな。
イタリアからの輸入模型が、入荷すればすぐ売り切れ品薄が続いているという。
オスプレイ反対派が聞けば目をむくような話だ。
そうは思ったが、僕はこの記事に興味をひかれた。
日本という国は今、そこまで多様なのだなと思ったのである。
まじめに議論すれば「オスプレイ」は日米安保の話になる。
戦後68年目にもなって、今も米軍が多くの日本の土地を「基地」として使用している。
沖縄は特に“影響”が顕著だ。
中国、北朝鮮、それに領土問題をめぐっては韓国もロシアも、周辺おだやかならずだ。
自衛隊がこれらの国を蹴散らしてしまえば小気味はよいが、今どきそんな無茶はやるまいし、日本の法律、憲法下ではそんなこと、やろうとしたところでできない。
「そんなことでいいのか」と息巻く人はいるだろう。
「瑣末な領土にかまけて戦争なんか起こす気か」と、こちらでもカッカとする……。
そんな中にあって、模型が売れているのである。
模型をサブカルチャーと呼んでいいかどうか知らないが、日本のサブカルチャーは世界有数だ。
コミック、着せ替え(じゃあない「コスプレ」)、AKBにさまざまな中間小説やらのストーリーテリング……。
明治維新なら政治にはせ参じただろうが、有能な個性がさまざまな分野に芽吹いている。
模型もその中の一つではないか。
“シズオカ”の力をもってすれば、イタリア模型の上を行くのはたやすい。
こういう発想や議論を、僕は「笑止な!」という気は毛頭ないのである。
さまざまな分野に異能者が育っている。
政治や経済一辺倒、まじめな議論でなければなんの価値もないようなコチコチ頭が日本を閉塞に追い込んだのではないか。
(話は飛ぶが)
アベノミクスが出てくるまで、大真面目な日銀のすることに誰も異を唱えず、金融政策のよろしきを得ないで10年間も続くデフレを招いてしまった。
政治もザマァーない。
原発政策の安全神話は一体、いつごろから国民に刷り込まれたものか。
そんなこんな、誰も“その時の現状”を批判的に見ないで、わが身のことだけ憂えていれば、誰が何をしていたって嗤(わら)えるものじゃあない。
オスプレイけっこう!
模型のことで駄文を連ねている方が、へたに憲法を云々するよりケガがないや。
よほど日本が国力(つまり経済力をですな)を取り戻して、余裕綽々になるまで、物騒な議論は棚上げにしてしましょうや。
閉そく感漂う中で、領土だ、国の安全だなどと語り始めれば、どうせよからぬ方向に落ち着くに決まっているだろうから。
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【筆者から】
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