★体罰、いじめの背景に高校スポーツの甘やかされた実態がある?! | ジャーナリスト 石川秀樹

ジャーナリスト 石川秀樹

ちょっと辛口、時どきホロリ……。理性と感情満載、世の常識をうのみにせず、これはと思えばズバッと持論で直球勝負。
3本のブログとFacebook、ツイッターを駆使して情報発信するジャーナリスト。
相続に強い行政書士、「ミーツ出版」社長としても活動中。

昨夜の「いじめ」に関する論考、静かだが深い反響をいただいています。


書きそびれたが、きのうの雑談では中学・高校の部活についてこんな話も出た。
「学校によっては、部活の生徒募集のときに、親から『指導方針について顧問のやり方について、一切苦情を申し立てません』という念書を取っているところもある。体罰もよし、と事前にハンコを押させるわけですね」


一方で、こんな話も。
「僕も高校の野球部では体罰を受けました。でも僕の場合、反抗的だったから、先生にぶん殴られなければ“なめていた”と思いますよ。僕の人間形成は部活でやってもらった。今でも先生に感謝しています」


そんな例も中にはあるので、今でも体罰を「指導」とする勘違いが学校現場でやまない。
「運動能力はすぐれているけれども、成績や素行についてはどうもね、という生徒も、強豪校といわれる学校には入ってくる。そういう生徒を押さえこむために、ある程度、体罰は許容されるのだろう」
いやはや、話があべこべなんですな。


「強豪校だから」→「成績がレベルに足りなくても」→その部が強くなるなら合格させる。こんなことがまかり通る、それを当たり前のこととして、僕たちも話をしている。
この辺に、大阪・桜宮高校の病弊のもとがあるような気がします。ひとり桜宮高校だけか。いや、全国至るところであるのでしょう。


わが静岡県でも、誰でも知っている県立の“野球名門校”がある。
運動能力が高いから少々ゲタを履かせて入試を通す、くらいのことならガタガタいやーしません。
ゲタもゲタ、到底どの授業にもついていけないレベルの“選手”が入ってくる。
そういう人はある意味、かわいそうでもある。
部活で放り出されたら、もう教室に居場所はないのです。


桜宮の偏差値レベルがどのようなものか、よくはわからない。
しかし「市立」という以上、一定のレベルはあると想像します。
体育科の生徒たちが、普通科と対等のレベルにあったのか。
いやいやもちろん「科」が違うわけだから、同等である必要はないと思うが、厳密に「スポーツ科」のレベルというのが守られているのか。


僕が見知っている県内の高校では、県立高校でも市立高校でも、その辺のさじ加減がいろいろあった。
そのことはみんな知っているけれども、誰も声を上げない。
あの、こうるさい朝日新聞でさえ、ことが高校野球だからでしょう、知っている事実を調べようともしない。
そんなことをすれば、出場辞退をしなければならない高校のオンパレードでしょうから。


この点、これほどコンプライアンスがやかましくいわれる時代になっても、高校スポーツではなんら襟を正そうという機運が盛り上がってこない。
不思議でなりませんな。
ここまで生きてきて、多少世間というものを知っていますから、こういう論は「暴論」として、黙殺されるということは承知です。
しかし「異議申し立てしません」念書が事実なら、それは動かぬ証拠。
教育委員会に駆け込めば、さぞかし教委も頭を抱えることでありましょう。
空気を読めないどころではない。
地域社会のつまはじきになること必定。
親がそんなことをすれば、子どもが学校で、教室で、部活でどのような差別を受けるか、わかったものじゃあない。
そう考えるからこの問題、大きく話題にはならないのです。


しかし戦後60数年、いい加減に目を覚ましたらどうだろうか。
高校野球が郷土意識を喚起して、熱狂で包まれ、優勝しようものなら歓呼の声で迎えられる。
郷土の誇り、日本人の誇り、敢闘精神の精華、これぞ花道、がんばろーニッポンの意識を呼び起こし、前に進んでいく勇気を与えてくれたことは確かでしょう。
しかし、なぜ高校野球だけが特別なのか。


他の高校スポーツでも、駅伝、サッカー、バスケ、ラグビー、強豪校はまるで“特別階層”のような扱いを受け、その選手候補たちも入学で便宜をはかってもらう。
いったん部活が始まれば、体罰容認だ、父兄は何もいうな、学校も見ぬふりを通せ、がまかり通っている。
もちろん大げさないい方かもしれない。
しかし、多くの人には思い当たる節がある話を僕は今しているのです。


高校スポーツはただの高校スポーツ。
命を掛けてやる子がいてもいいが、大人が計算づくで学校の名誉やら、地域の名誉やらを背負わせるものではない。
「文武両道」を自慢するなら、天地に恥じず正々堂々それを貫き通してほしい。
つまり、体罰以前の問題として、子どもたちのみならず大人を巻き込んだこの高校スポーツの悪弊を、一度、リセットしなければならないと思うのです。


嫌な奴とさげすまれ、友達を失いそうな発言ですが、僕はぜひみなさんの意見をうかがいたいと思っています。





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【筆者から】
このブログの元になっているのはFacebookへの書き込みです。
主にFacebookページ「ジャーナリスト 石川秀樹」に投稿しています。
ミーツ出版(株)という小さな出版社の社長をしています。61歳で行政書士の資格を取り開業しました。さらにこの数年は「ソーシャルメディアを愛する者」としてFacebookで熱く語り続けています。ブログは私の発言のごく一部です。ぜひFacebookページもご覧ください。コメントをいただたら、こんなにうれしいことはありません。


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