★Facebook発の映画『ペコロスの母に会いに行く』村岡プロデューサーにインタビュー | ジャーナリスト 石川秀樹

ジャーナリスト 石川秀樹

ちょっと辛口、時どきホロリ……。理性と感情満載、世の常識をうのみにせず、これはと思えばズバッと持論で直球勝負。
3本のブログとFacebook、ツイッターを駆使して情報発信するジャーナリスト。
相続に強い行政書士、「ミーツ出版」社長としても活動中。



Facebook発の映画『ペコロスの母に会いに行く』は、ボケてしまった母とハゲてしまった長男のおかしくてチョッピリ切ない物語だ。
舞台は長崎。原作は“ペコロス”こと、岡野雄一さん(62)が自費出版した4コマの漫画本。
母は認知症にかかり施設に、息子は売れない漫画家。時々はライブハウスに通っては、これまた売れない歌をうたっている。
還暦すぎて今や小タマネギのような見事なハゲ頭になった。
ストーリーといえば、母がペタペタと息子の頭を叩きながら交わすとぼけた会話と、若かった母が飲めば酒乱の夫に苦労させられる回想シーンだけ。
どこから見ても映画になるはずもなかったが、神様のいたずらか、ペコロスの元にフリーの音楽プロデューサーとの出会いを用意した。
村岡克彦さん。
50歳を間近にして彼もまたガケっぷちにいた。
ある日、Facebookで長崎新聞のペコロス紹介記事を読んだ。
興味をひかれ本を手に入れ、あらためてほれた。
Facebookで岡野さんに連絡をとり「販売を手伝いたい」と申し出る。
それが今年1月。
おカネをかけられない。
でもFacebookがあった。
いざというときに使えるツールと直感した村岡さんは、前年の秋から一心不乱にFacebookを研究していた。
培った発信力を駆使して「ペコロス」を浸透させていく。
そして2月、奇跡が起きる。
東京のプロデューサー、井之原尊さんから「映画にしたい」の連絡がFacebook経由で入ったのである。


それから以降の展開を村岡克彦さんにインタビューした。
Facebookで出会い、Facebookで広げ、映画の資金集めもFacebookでつながった人たちが力を貸してくれた。
不思議な映画のメイキングストーリーの聴いたままをお届けする。

$hidekidos かく語り記-ペコロスと母



■   □   ■   □

――今も福岡と東京と行ったり来たりですか?


今までは、井之原さんのお宅に居候してましたが、今度、近くにアパートを借りました。
井之原家は子ども4人。その子ども部屋に寝泊まりさせてもらってました。
この生活はまだまだ続きそうです。
撮影は3月頭までかかる。ランタンフェスティバルのシーンはさすがに長崎で撮らないと。
撮影は長崎で4、5回、あとは東京でが多いです。長崎に(スタッフが)いればいるほどカネがかかりますから。


【ブーム前夜】
メイキング映画も撮っていますよ。12月中には第1弾が完成します。
励ます会やファンの集いなどで観てもらいます。
Facebookページですか? 8600いいね!くらいです。
まだ宣伝はウェブ中心にとどめています。
封切りは来年の秋ですから、今は抑えて……。


本は今、8刷り、8万部くらい出てます。
Amazonのギフトで常にベスト5に入っています。
「贈りたい本」として定着してますね。
まさに口コミで広がりつつある。
5冊、10冊まとめ買いも多いようです。
認知症の家族がいる人にとか、病院の待合室、グループホームの家族に……。
1月の末、僕が手伝い始めたときには1冊ずつ郵便で届けるという作業をしていたんですけどね。


――自費出版の本を売ってあげたいと思ったのは、村岡さんの勘ですか?


この本はなんとかしたいなんとかなるんじゃないかと思ったんですね。
何か生まれてくるような気がした、ビジネスとは限らないですけど。
なんかしらできそうな気がね。
自費出版で3刷り(1500部)。
その後、西日本新聞が出してくれることになって5000部(1刷り)刷ったんです。
それがあっという間に、1週間くらいでなくなった。


――僕は、Facebookはコミュニティーをつくるツールだから、いわゆる拡散には向いていないと
思っているんだけど。それがここまで広がったというのは、村岡さんが全国を飛び回りながらいろんな事を投稿しているということが要因かな。


毎日つぶやいているわけではないですよ。
ペコロスに関係なくても、人の投稿で興味のあることにはコメント残したりしている。宣
伝しようと書いてはいないんです。


――でも、「Facebook発」をうたってメディアに注目させるという戦略は当初から持っていたのでは?


それは全くその通り。
最初から考えていました。
自分にとって身近で、ただでできる、唯一の手段です、Facebookは。
今なら、Facebookで何かをしようとするとメディアは飛びついてくれますから。


【映画制作に掛かる資金】
制作コストは2億2000万円と見積もっています。
7月から動き出して半年で集めようと。
テレビ、新聞社などからはこれくらいという枠組みを作ったんです。
それで動いたんだけど、その当時決めたところはほとんど入っていないですね。
逆にFacebookつながりで僕らが動き、そこからつながった人たちを中心におカネが集まりつつあります。
『わが母の記』のように松竹があって静岡新聞があってといったメディア、新聞社、テレビ局が集まって制作委員会をつくってやるというのが一般的なやり方ですが、今回はメディアも映画会社も代理店も一切入っていない。
スポンサーはほぼ100%Facebookで僕らとつながった方々ですね。

hidekidos かく語り記



【Facebookつながり】
僕がいうFacebookつながりというのは、『ペコロス―』を宣伝しようとFacebookページや個人のページで書いていて知り合ったという意味ではありません。
応援してくださるのは、『ペコロス―』抜きにして、以前から僕のページで知り合った人たちです。
会って話しているときに、「実はこんなことをやっている」というと、「それはおもしろいね」と反応してくれる。
必ずしもビジネスというスキームで皆さんとお会いしたということではないです。
「(Facebook上で)お友達になってください」から始まった人たちですよ。


僕がほんとうに感動した話があるんです。
メインのスポンサーになってくださった会社の話です。
ふつうは会社の協賛というとトップのツルの一声であったり代理店が取り持つということなんですが、この会社の場合は違った。
まさにFacebookつながりでした


お会いしたのは一営業マンです。
僕はFacebookで春風ひとみさんという元宝塚スターと知り合いになっていて、この方が紹介してくれたんです。
名古屋の手羽先屋で飲んでいるというと、連絡をとってくれて、そこでいろいろとお話ができた。
「でも難しいでしょうね」というと、「ちょっと本社に掛け合ってみます」といってくれたんです。
ナンバーワンの営業マンだったんですね、約束通りそれを実行してくれて、僕は本社でのプレゼンをすることができました。
一番の味方をFacebookつながりでつかまえることができた。
今回のプロジェクトを象徴する出来事だったと思っています。


【井之原さんと岡野さん】
一緒に動いている井之原は、元々テレビ系のプロデューサーです。
映画は今回で2本目かな。
先読みのできるプロデューサーで、いろんなジャンルの本で、いつの間にか映画の原作権を買ったりしています。
今回は彼にとっても大作になりました。


ここまで大きくなる予定ではなかったですが、スタッフとかキャスト含めかなりの大作に。
これくらいの映画を松竹とか東映とか東宝でつくると6億円くらいの映画になりますね。
それを2億円台で作るわけなので、ギャラも配慮していただいたりとか。
それでも経費的にはちょっとオーバーしちゃってるかな。
長崎の昔の赤線街を一個つくっちゃうなど、仕掛けもかなり大きくなっています。


――ペコロスご本人、岡野雄一さんが出る場面はないんですか。「寺町坊譚(ぼんたん)」など聴きたいですよ。


それは出てもらう予定です。
具体的にどこに出そうか、検討しています。
「寺町坊譚」の歌は主演の岩松了さんが今コピーしてですね、映画の中で歌うようになります。


岡野さん自身が一番面食らっています。
今年1月には、(自費出版で)500部売れたらいいと思っていた人ですから。
前回、何年か前に出した本は500部出して300部売れた。
まさかここまで大ヒットするとはね。
人生何が起こるかわからない、を地で行っています。
1月にはほんと、1冊売れたらいくらなんて計算していたのが、半年たってみると億単位のプロジェクトを抱えるはめになっている。
びっくりしますよね。


岡野さん、テレビも出まくっていますし、NHK教育テレビでこの前、30分、岡野さんの特集をやったんです。
サンデー毎日も特集を組んでいます。
「なぜ『ペコロスの母に会いに行く』がブレイクしたか」というような特集ですね。
来年以降もっと、どんどん加速していくと思います。


【共感できるストーリー】
――村岡さんは音楽プロデューサーだから、人を売り込む手法にはたけていますよね。
ペコロスと出会ったときに、そのムシがうづいたとか?


そうですね。
62歳の岡野雄一、今まで売れたことのない長崎のローカル誌に4コマ漫画をちょこっと描くような漫画家が、一気に、アメリカンドリームじゃないですが、上っていく。
こういうこともあるんだということが皆さんに共感して喜んでもらえる要素のひとつかなというのはありましたね。
還暦過ぎて、そろそろみんな夢を見るのをあきらめて余生を過ごすことを考え始めているときに、いきなりこんな大ブレイクが起きることもあるんだという、しかもこんな介護みたいな地味な話で……。


それは取りも直さずFacebookというところに結んでいくんです。
みんないいものを持っているし、持っている人はいる。
しかしそれを広める手段を今までのメディアはもっていなかった
それをFacebookという新しいメディアによって、直接ダイレクトに届けられる


だから岡野さんのそういった成り立ちについても、発信していくと皆さん興味深く見てくださる。
ほんともう、ただのハゲチャビンですけども、このおやじがいつの間にか売れっ子になっていくというプロセスを、みんなが楽しんでいる。
Facebook上では62歳も20歳も同じ。
それができちゃうのがすごいと、僕自身が思いますよ。
それを広めるためにはもちろんテクニックなり、技術はあるんですけど。


商品化して「これいいでしょう、いいでしょう、おもしろいでしょう、おいしいでしょう」といくらいわれても、そこには何の共感も得られないわけじゃないですか。
もちろん「いい本である」というのは前提として、なぜいいのかという理屈付け、理論付けが必要ですし……。ストーリー性ですよね。


僕がFacebookを書くときに、この本はこれこれこうだからいいですよ、という説明は基本的にしてないんです。
認知症のお母さんを介護する息子の話っていうくくりで、ボケることも悪いことばかりじゃないですよ、というメッセージを伝えることくらいしか書いてないですね。
岡野さんのファンであり、僕のファンであるということが、おもしろがってもらえる一番の要素なんだと思います。


この人たちが何かやろうとしている。
そのムーブメントに関心をもってもらえれば、ということですね。
動き自体を追っていく、映画がどのような経緯で提案され実現していくのかという流れ、ペコロスは今、こんな段階なんだなとか、岡野さん注目されてきたよね、とか。
そこですよ。


岡野さん本人も売れたから何か変わるという人ではなく、ほんと、おろおろしているだけなんです。
それをみんなが見て、温かく見守ってくれているという状況。
そこをうまくFacebookでうまく表現できたら、と思います。
岡野さんはこれほど売れてきても、話の半分は下ネタばかりだし、NHKに出て辛いのは「下ネタ話せないこと」なんていう人ですから。


【Facebookとの出会い】
ちょうどFacebookが広がっていくという過渡期に始めたんです、一番いいタイミングで。
広告を1、2回試してみると、通常の倍くらいの人が見ますね。
「投稿を宣伝する」というやつで、2500円くらいでやってみたですけど。
「ペコロス―」の記事を上げると普通は3000から6000インプレッションくらいですよ。
広告を上げると1万から1万2000くらいに上がります。


――Facebookページでも「10%」の反応があるページは少ない。


中身ですよ。
みなさんがおもしろがるような中身がないと難しいでしょうね。
でないと、「ただの広告かぁ」で見過ごしちゃいますから。


去年の夏、福岡の屋台で飲んでいるときに、オーストリア人で講談社の記者をやっていたという男が来て座って、友達になったんです。
1週間くらいうちに泊めたんですが、彼が帰るときに「日本はまだFacebookが普及していないけど、絶対にやったほうがいい」というセリフを残していった。
それで始めました。


秋ごろから本格的に。
友達が増え始めて2000とか3000人とかになっていく。
そのとき、これはやはり続けていくことによって何かしら生まれるかもしれないと。
人と人のつながりをこんなにポータブルにハンディーにつくれるシステムはない。
mixiもやっていたんだけど、mixiはあくまで匿名なのでいくら知り合ってもどこの誰かもわからない。
Facebookは実名で、どこどこの会社の誰だれさんだってはっきりわかる。
実名だからみな適当なことはいわないですよね。
mixiは友達との連絡ツールとして使っていて、そこから友達を広げていくということはなかった。
で結局、mixiはやめてしまったんです。
 

昨年11月ごろから、『Facebookって、これはとんでもない、なんかすごいものなんだぞ』と思い始めたですよ。
例えば、Facebookを通じてマイクロソフト社長の成毛眞さんだとか、YMOの高橋幸宏さんだとかに普通に僕がお話をしている状態が生れている。
今までのリアルタイムの状況なら、そこにたどりつくまでに何段階ものステップがあった。
カシオ計算機の樫尾さんとも「おはようございます」というと「おはようございます」が返ってくる。
これは一体何なんだろうと思いましたね。
ものすごく不思議。
有名人も会社の大社長も同じ人間としてFacebookの中ではつきあっている。
ひょっとするとこれは、すごいことなんだな。
今までの自分たちの生きてきたリアルな世界を飛び越えたすごいことが起きているのかもしれない、という実感をもったんです。


【資金集め】
『ペコロス―』の運営資金としてFacebookを通じたつながりの中で資金の提供をお願いしています。
アメリカ流のクラウドファンディングと違って、一種の寄付ですね。利益が出たら一定額を返すというのではなくて、試写会に参加する権利とか、前売りチケットだとかポスターなどがついたファンド、基金です。

1口3000円から最高99万9999円まで。
3000円、6000円という方が多いです。
金額的には約400万円くらい集まっています。
最終的には1000万円くらいにまでもっていきたい。
99万9999円の方もおひとりだけいらっしやいます。
これもFacebookを使ったやり方の1つで、映画界などでも注目して、記事に取り上げられています。


これとは別に、人間のつながりをもつた方々に相談してお力添えを願うという形でも資金を集めています。
これが1億円弱くらいですね。
1000万円の方が何人かいらっしゃいます。
会ってお話をして、熱く語ってこの本を読んでもらって、予算を説明して僕らのこの思いに協力・協賛してくださいと。
ほぼ全員がFacebookを通じてお会いした人たちです。
紹介の紹介まで含め、そういった形で広がってきています。


今まで会った人の数というと数え切れない、オフ会、励ます会を含めますとね。
励ます会は東京、大阪、名古屋、北九州、福岡、長崎。
九州の3会場はいずれも300人以上が集まってくれて、ホテルの大宴会場貸し切ってみたいな形になりました。


【「1番」に意味】
――Facebook活用事例第1号の商業映画、という戦略は今のところ当たっているようですね。
メディアの反響も大きい。


僕もそれは意識しています。
映画関係のFacebookページのファン数も、いまは『のぼうの城』とか『3丁目の夕日』が1、2番だと思いますが、来週にはそれを抜いて1番になるんだとかね。

Facebookページのファンを増やすというのは、有名人でないと難しいです。
友達になったばかりの人に「今度こういうページをつくったから」と知らせても、「いいね!」を押してくれる人は少ないです。
でも僕の友達、5000人の方々は、村岡がやっていることなら応援するよ、という方が非常に多かった。
だからペコロスのFacebookページを立ち上げたときに、増え方はすごかったですよ。
1か月で5000いいね!を達成しましたから。


ただ、数字に変にこだわるとおかしなことになるので、それは肝に銘じています。
例えば去年の秋からフィード購読というのが出てきて、その数の多さを誇示しようとする人が出てきた。
今、僕の個人ページには5000人くらいフィード購読してくださる人がいます。
これを1万人にすることはそんなに難しくはないんです。
友達をフィード購読に移行させればそっくり乗っかるわけですから。
セミナー講師はそんなことを教えるんですよ。


――まったく意味ないことを……。


意味ないんです。
村岡と友達になったと思ってくださっている方々を「きょうからあなた方は友達ではなく村岡のファンになりました」というのは、ちょっとできんなと思います。


――最近、Facebook自体がおかしくなってると思いませんか? 
「友達になる」なんてところに若いタレントのような女性が次々出てきたり。


フィード購読者数ランキングなんか見ると、100人のうち50人くらいがそういう人たちで占められてたりしますから。
友達申請すれば、自動的に「フィード購読」になりますからね。
承認するしないにかかわらず、フィード購読者になる。どんどん数が増えていきます。


――数字のまやかしをなぜ誇ろうとするのかね。勘違いしている、日本人は。


【共感を得れば広がる】
数は力ということはありますけども、数がどれだけ「実数」かですよ。
どれだけ血の通った数なのか


数の話をすると、僕が今年8月のロンドンオリンピックの時、上げた投稿に11万いいね!がつきました。
サッカー男子の3位決定戦があったとき、韓国選手が(竹島は韓国のものという)プラカードを上げて大騒ぎになりましたが、その翌日に、日本人の観客はスタンドのゴミ拾いをして掃除をしていましたという写真を上げたんです。
それで11万いいね! 
個人(のウォール)で11万というのは日本記録じゃないかと思ってます。
シェアは5600くらい。
シェアにシェアを重ねて、どこまで行ったかわかんないくらい。


――Facebookは小さくまとまるツールだから、広がりは難しいといったんだけど、極端に共感を呼ぶネタの場合は、こういうこともあるんですね。


それこそ感動、心の共有ができたんでしょうね。
韓国選手は勝ち誇ってあんなことをしたけれども、日本人の観客は次のお客さんのためにスタンドをきれいにしようとしていた、これが日本人の美徳であると。
その写真をネットで見つけたときに、『これはアップしなければ』と思いました。
アップしたら、見る間にバァーと来ました。
それ見たときに『あーっ、つながっているんだ』と実感しましたね。
おそらくその10倍くらい、100万人に広がったのかな、と。


友達の友達を通して伝わっていくとすると、ペコロスで既に8000人のいいね!(ページのファン)がいる、これを単純に友達の平均125人を掛けて計算すると110万人につながりをもっていることになります。
それなりにいいコンテンツを発表すれば、そこまで広がると思えます。


※当日の村岡さん原文
『サッカー日韓戦の終了後のスタンド。グラウンド内ではいろんなことが行われていた間、日本人サポーターは自分たちのエリア周辺のゴミを黙々と清掃していた。この姿に外国人記者が感銘してこの写真が撮られたらしい。負けたことの腹いせにイスを壊したりモノを投げたりの暴挙に出るやもしないのに、ただ冷静に清掃する日本人サポーターの姿こそ我々が誇るべき美徳ではないだろうか。』
<10万6470いいね! 1406コメント、5629シェア>


――Facebookページだと「何人に表示されました」と出ますが、何人くらい出ますか?


3000人~6000人くらいですね。多いときは1万人もあります。
ファンの数より多い場合があります。
]ここぞというネタは、個人ページとFacebookページに同時に上げます。
誘導するより同時に載せた方が効率的です。


【ペコロス以前の村岡さん】
福岡でたった1人でやっている会社ですから、フリーでひとりぼっちでやっています。
去年の秋に、何か1人でやれることないかと思っていたときにFacebookに出合ったわけです。
『ひょっとしたら、これを頑張ることによって何か2012年開けるんじゃないか』ただの勘ですけどね、そう思った。


嫁にも友達にもいわれたのが、「毎日、朝から晩までFacebook見ている」と。
いろいろ何かおもしろいネタとかを探して上げているわけだけど、親戚からも「毎日Facebookばかりやっているようだけど、仕事しないで大丈夫なの?」といわれました。


なんかヒントないかなと、とりあえず研究してました。
魅かれて読むフィードは「なるほど、なるほど」というのがありました。
こういったことを書くとみんな喜ぶのか、とか。
こういったネタというのは逆に反感を買うのか、なんて。
自分の見せ方とか、「村岡克彦」というキャラクターの作り方とか。
時々、エッジのきいたことを書くと、直接、電話を調べて掛かってきたり。


書いているうちにマイクロソフトの成毛さんとかYMOの高橋さんだとかからコメントをもらうようになりました。
福岡の何もないフリーのこの僕にコメントを返してくれたり、投稿をシェアしてくれたりとか。
成毛さんはつながりのある人でなければ友達申請受け付けませんという人ですが、向こうから僕に申請してきてくれましたから。
その時はどういう人か知らなくて、後から調べたらすごい人だったんだと気づいたくらいです。樫尾さんの場合もそうですよ。後からカシオの取締役と知りました。


【大変なことになってしまった】
――撮影現場にはずっとおられるですか?

基本的にはいるべきなんですが、僕らおカネを集めなければならないじゃないですか。
やっている間でもおカネがどんどん出ていく。
おカネを稼ぐという作業を全国回ってます。


岡野さんは撮影現場にいて方言指導をしてます。
カネ集め以外に今やっていることだと、9月に撮影したものを編集するのと、冬の撮影に向けてのプランニングですね。
僕は8月まで、音楽のコンサートとかそんなことばかりでしたから、映画というものにかかわったことがなかったんですよ。
今、何カ月かたってこの億単位の映画を率いる立場になってしまった。
とんでもないことになってしまったな、というのが実感です。


井之原はもちろん経験がありますが、今は井之原と同じ立場で2人でやってますから。
僕もプロデューサーなんですね。
井之原と2人でおカネ集めから全部動かしているんですよ。
協賛を約束してくれても、企業ですから入ってくるおカネが後になっちゃうことがあります。
年度末にとか、映画ができてからとか。
だから、とりあえず現場を回すおカネを至急集めなければならないわけです。
すでに1億以上のおカネが出ていますから。


企画を立ててスポンサーを見つけておカネを集める。
キャストを決めて、その枠組みをつくる。
Facebookを始めたことによって、フリーのこの僕が先頭になってやっているというのがなんとも不思議です。
映画は観るものでしかなかったのに、いきなりプロデューサーとなって旗を振る立場になっているなんて。


――ペコロス以降の展開は?


ペコロスのアニメ版も考えています。
声優は本人たちにやってもらいます。
長崎も坂本龍馬(NHKの「龍馬伝」)以来何もなく落ち込んでいますから、長崎市としても映画のヒットを願っています。
ランタンフェスティバルなど現在の長崎のお祭りをどんどん取り入れていますから、観光の目玉としてね。


【Facebookはツール】
井之原プロデューサーがいなければこの映画はなかった
そして彼にいわせれば、僕がFacebookでこうやって広げるネットワークをもってなかったら「やっていなかったかもしれない」といってます。


いいもの、いい本というのはどこにでもあるものなんです。
探せばいくらもある。
それを生かすためのツール、ネットワークがそこにあるかどうか。
「ひょっとしたらいけるかもしれない」と見切ったのはそこです。
すでに動いている人に乗っかる、連動していくということですね。


「Facebook発」というキーワードが、2チャンネルで「電車男」がヒットしたような感じなんですね。
いずれにしても、Facebookは手段です。
Facebookを使って何をしようとしているか、というのが大事です。





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【筆者から】
このブログの元になっているのはFacebookへの書き込みです。
主にFacebookページ「ジャーナリスト 石川秀樹」に投稿しています。
ミーツ出版(株)という小さな出版社の社長をしていますが、ジャーナリストであり続けたいと思っています。また、61歳で行政書士の資格を取り今年8月に開業しました。さらにこの数年は「ソーシャルメディアを愛する者」として熱く語り続けています。
FacebookページはFbのアカウントを持っていなくても見ることができます。しかし本来は、ブログも語り合ってなんぼです。Facebookのアカウントを取ってご意見をお寄せいただいたら、こんなにうれしいことはありません。


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