★第3極ブームと浜岡原発、政治の思惑で「大事」が左右される危惧 | ジャーナリスト 石川秀樹

ジャーナリスト 石川秀樹

ちょっと辛口、時どきホロリ……。理性と感情満載、世の常識をうのみにせず、これはと思えばズバッと持論で直球勝負。
3本のブログとFacebook、ツイッターを駆使して情報発信するジャーナリスト。
相続に強い行政書士、「ミーツ出版」社長としても活動中。


乾坤一擲(けんこんいってき)野田首相が衆院解散に打って出たのは、タイミングとしてはやはり「絶妙」だったのだろうな。


きのうの日本維新の会と石原・太陽の党との合流劇を見ていて、そう思った。
はでな代表2人の会見に、マスメディアはこぞって参集した。
しかしその華やかさの裏で、肝心の衆院選立候補予定者たち(公認を受けた者たち)の立ち位置は不安定で“微妙”である。


僕の住む静岡県でも「静岡維新の会」ができているが、静岡8区から出馬することになったG・K氏は「静岡―」と事前にすり合わせすることなく橋下氏側と接触するなど、足元がどうもおぼつかない。
時間があれば、志を同じくする者同士、盤石な協力態勢をつくれるかもしれない。
だが選挙まで1カ月を切っている今、それを望むのは難しかろう。


この状況をつくることこそが「野田戦略」だったことがわかる。
第3極がブームとなれば民主も自民も影響を受ける。
「風」を起こさせないことが一番の対策だ。
それはやはり功を奏しているといわざるを得ない。


みんなの党が、維新の会と合流することをやめた。
しっかりもののみんなの党が合流すれば、国民の期待感は上がったと思う。
しかし、みんなの党にしてみれば拙速に合流すれば「野合」との非難を浴びる。
またここのところ、橋下徹氏へのネガティブキャンペーンが思いのほか効いてしまったことも誤算だったろう。(既成のエスタブリッシュメントからすれば「計算通り」) 
そんなこんなで、数を求めて合流するより、単独でいる方が国民の支持は堅いと読み切った。
さすがである。


一部の地域を除いて、マスメディアが期待しているような第3極ブームは起きないのではないか。


そんな中で、静岡県民としてはひとつ気になることがある。
全国のみなさんにも多少は関係のある話だ。

世界で一番危険といわれる浜岡原発の地元選挙区になる衆院静岡3区で、日本維新の会から出馬する人がいるというのだ。
浜岡原発再稼働をめぐる県民投票実現に向けて条例づくりに奔走した会の代表者だったS・N氏である。
この選挙区は自民党のベテラン柳澤伯夫氏が長く牙城としてところだが、前回は民主党が勝利を収めた。
今回自民党は新人を立てる。磐田市議をやってきた人だが、民自どちらも盤石というわけではない。
そこに維新・原発廃炉のS氏が立とうというのである。
S氏は元磐田市長だから政治の素人というわけではない。
確かに勝機がなくもない。
みつどもえの興味深い選挙になりそうだ。


「県民投票の会」の名誉のためにいっておけば、会は政治とは無縁である。
だから出馬するとすればS氏独自の行動ということになる。
会の中にはS氏の真意をいぶかる人もいる。


本音をいえば、『まあ、1カ所くらいは第3極旋風が起きてもいいか、いや、吹いてほしい』とは思う。
しかし、どうもなあ、浜岡原発を廃炉にすべきだという思いとはかみ合わないのである(自分の中で)。
「廃炉にすべき」は自分の論理と、良心から来ている。
時の政治に左右されるものではない。
S氏が勝ってくれれば現実的に少しは脱原発に有利になるかとは思うが、負けたときには「ほら、脱原発なんか非現実的だろう、生活者は必要だといっているんだ」との妄言に根拠を与えてしまいかねない。
奇妙な形で「脱原発」が強調され、擬似県民投票のように思われたら、「それは違う!」と、いいたいのである。


マスメディアがここまで状況を掌握したうえで「みつどもえの戦い」を報じてくれればいいが、皮相な解釈であおりたて、上滑りそうな気がする。
僕は考え過ぎているのだろうか。


みなさんはどう思われますか?




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