★電力社員をやりながら、ぬくぬく議員に 非常識な業界を嗤(わら)う | ジャーナリスト 石川秀樹

ジャーナリスト 石川秀樹

ちょっと辛口、時どきホロリ……。理性と感情満載、世の常識をうのみにせず、これはと思えばズバッと持論で直球勝負。
3本のブログとFacebook、ツイッターを駆使して情報発信するジャーナリスト。
相続に強い行政書士、「ミーツ出版」社長としても活動中。

朝日新聞朝刊、新聞記者の視点がきいたいい記事が載っている。
「電力社員兼議員 99人」というのだ。
うかつにして、知らなかった。
現役社員のまま市議会議員などの地方議員になれるなぞ、普通の人には想像もできない。
しかも、電力会社から給料までもらっている議員が91人もいるそうだ。
総括原価方式がまかり通る以上、この者たちの給料分まで国民(電気使用者)は払わされていることになる。
原発事故以来、電力会社というものは非常識者の集団だと思っているが、これほど誰の目から見てもおかしいと思えることになんの疑問も感じないとは、驚きを通り越していうべき言葉も見つからない。

hidekidos かく語り記


高級官僚だって、県の幹部だろうと、一流企業の若手有望株だろうと、ひとたび「政治をやろう」と決意すれば、職を辞して裸になって勝負をかける。
人はそういう潔さに感じ、決意と意欲を汲み取り『この人なら』と思うのである。
それを電力議員は、社員のまま立候補しているなんて。
みなが白兵戦で生きるか死ぬかの戦いをしているときに、自分だけ弾を通さないシェルターをかぶって戦場に出ているようなものである。


そして彼らが守るものは何か。
原子力ムラの利権である。
市民、国民の側を向いていない政治は唾棄すべきものである。
ツバを吐きかけられて当然の、卑しい行為とされているのだ。
だからどんな議員も、一応は(腹の底は違っていても)国民の側を向いている振りくらいはする。
電力議員はどうか。
そっくり返って議員歳費と電力会社からの給料を懐にし、ひとり電力会社の利権を守ることのみに汲々としている。
こういう者を議員と呼んではならない。
ただのバカ者である。
地元議会で「脱原発」の意見書に声を大きくして反対するのはこういう輩だ。
こんなやつらが暗躍して、ようやく道筋ができかけた「2030年原発ゼロ」という政府方針をうやむやにして、しゃにむに原発再稼働にまで走ろうとする。
こんなバカ者どもを僕らはいつまで野放しにしておく気なのだろうか。


僕は電力議員たちをあえて口汚くののしっている。
彼らであっても人格、識見にすぐれている者はいるだろう。
電力社員だからといって、政治をやってはいけない、選挙に立つなというのではない。
ガケっぷちに立つこともなく、120%の安全を保障された中で(給料・地位の保証、票取りまとめの確約)選挙を戦うのはルール違反だといいたいのである。


批判は議員個人に50%、あとの50%は電力会社に対して向けている。
どんな組織、会社であっても、たとえわが組織・わが社の利権を守るためであっても、いったんは退職させたうえで立候補させる。
世間体をおもんぱかれば当たり前のことである。
それさえしないということは、世間など意に介さない、我がよければ他はどうでも構わないという高慢があるからだ。
そんな特権は、誰も認めていない。
それでも平然としているのは、電力会社が鉄面皮だからである。


ここまで人の心を読めない民間企業は、ふつうはつぶれる。
電力会社はつぶれはしないが、もはや「終わっている」というべきだろう。
地方経済界の中で、今も賢者のような顔をしているかもしれないが、誰も尊敬していないことだけは確かである。


電力会社は自ら、即刻、襟を正すべきだ。
わずかばかりのけじめさえつけられないようなら、会社丸ごと退場を願うしかない。
特に東京電力よ、国有下にある君たちは他の誰よりも公正でなければならない。
それもできない役員会であるなら、全員退陣せよ。
それが国民の声である。





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