★個性的なfacebook論、でもちょっと刺激が強すぎる?  ───これが僕の本のコンセプトだ! | ジャーナリスト 石川秀樹

ジャーナリスト 石川秀樹

ちょっと辛口、時どきホロリ……。理性と感情満載、世の常識をうのみにせず、これはと思えばズバッと持論で直球勝負。
3本のブログとFacebook、ツイッターを駆使して情報発信するジャーナリスト。
相続に強い行政書士、「ミーツ出版」社長としても活動中。


このところ、ちょっとFacebookを離れていた。
夏風邪をひいて体調を崩していたのが主な理由だが、少し離れたところからFacebookを見つめ直したかった。
昨年の暮れ僕は、なぜ「Facebook活用本を書きたい」などと言ったのか、そのことを考えていたのだ。


あの時点で、たくさん読んだFacebook関連本の大半に『俺のとは違う』と感じていた
Facebookへの評価、可能性、もたらす影響、分析…、全部違う!
あき足らなかった。
それ以上に、『これ以上間違った情報が流されると、Facebookの日本における普及が危くなる』とも思った。
自分はFacebook研究者ではないし、特別にすぐれた洞察力をもつ人間でもない。
Facebookの一利用者にすぎない。
ただFacebookについては(ちょっと異常ではないかと思うくらいに)可能性を強く感じている者である。
そんな僕から見て、『著者はどこを見てテッポウ撃っているんだ』という本が多かった。
水準をいってると思ったのは樺沢紫苑さんの一部の著書だけ(これは参考になった)だった。
いや、もう一人いた。
直接のFacebook関連本ではないが、名刺の達人・高木芳紀氏の「営業いらずのソーシャルメディア人脈術」
これはすぐれた着想と著者の熱意が感じられ、参考になった。


僕も出版業の端くれだ。
できれば自分で書くより、書ける人を発見したい。
でもその時点で、僕の不満を解消してくれそうな書き手はいなかった。
あれから早、半年以上がたってしまった。
この半年で状況は変わっただろうか。
さらに本を買って読んでみたが、事態はむしろひどくなっていた。
『やはり、自分で書こうか』それを、じーっと考えていた。


僕はFacebookの「口コミ影響力」というものを限定的に考えている。
他のSNSに比べれば優れているが、魔法のツールではない。
広く多方面に拡散していくかと言えば、むしろ逆で小さく「塊りをつくるツール」だと考えている。
大きな企業、有名人には使いやすく効果満点のビジネスツールだが、
僕を含めて大多数の『ごく普通の』Facebookの使い手にとって、
Facebookを使ってなんらかの成果を得られるかと言えば、それもかなり限定的だろう。


誤解されないように言っておくと、Facebookで成果を上げることはもちろんできる。
しかし、寝ていてもうまくいくなんてことはないし、効果が出るには時間がかかる。
偶然(運不運)にも左右されるし、Facebookの原理原則を熟知して使うのが前提で、
相当な気力と能力、アイデアを駆使して、ようやくなんとかなるかもしれない。
Facebookとはそういうツールだと思う。


しかし、考えても見てほしい。
HPは出現してからもう20年にもなろうと言うのに、個店や中小企業の成功例がいくつある?
情報発信は誰でもできる、世界中に発信できる。
多くの人が作ってみた、世に出した。
どれほどお客さんは増えただろうか。
メルマガも同じ。ブログも同じ。
ツイッターも「ビジネスに使える」と騒がれた。
多くの人が参入する。力つきて半ば放棄、になっていないか。
個人がメディアとなって発信するツールは昔からある。
試みる人は、多くの場合、重なっているのではないか。
ツール変われど人変わらずだ。
どのツールも大企業、有名人に有利! 普通の人が世の中に知られるのは難しい。



当たり前ではないか。
そうしたツールの中で、Facebookはモノが違う、と僕は思う。
難しくてクセがあるけど、仲良くやれれば多くのものを返してくれる。
単なる勝った負けただ、得しただの話ではなく、人生を変えるかもしれないとさえ思う。


どうだろう、こんなことを本に書いてもみなさんはつまらないだけだろうか。
今までのFacebook関連本が伝える結論は、楽観に満ちている。
有名人の事例や、自分の特殊な事例をあたかも成功譚のように書いているが、
普通の僕らにはそんな事例はゴミのようなものだ。
何の参考にもならない。
この数か月、僕が試してきたことは失敗の連続だ。
自分をブランド化するなどと簡単に言ってくれるが、どこかに立派なプロデューサーがいてくれるわけでもない、
その道のりは「ものすごく大変だよ」と言うしかない。


僕が書くと、Facebookの夢語りでは終わらない。
Facebookの現状を語り、機能が限定されていることを伝え、難しさを説くだろう。

「成功」と言っても小さな成功、それがいつまで続くという保証があるわけではない成功、
絶えず工夫や努力が必要な成功。
そういう成功事例なら僕は書く気満々だ。
あっ、それと「本気さ」が問われるね。
見込み客に向かって、ツイッターとFacebookとアメブロを使ってゼロ円集客!
な~んてことは、間違っても書かない。
Facebook関連ビジネス本で書かれていることを真似しようなど思っている人がいたら、
「99%うまくいかないよ」と僕は忠告してあげたい。
だいたい、Facebookの友達のことを「見込み客」のように書き、その人たちの思いや行動を好きに動かせる、などと思うとしたら、それは著者の下品さしか証明しないだろう。


僕も成功事例を探している。
でも「僕のイメージ」は彼らのとは全然、違う。
例えば、こんな風だ──


友達なんて多くなくてもいい。
彼女のつぶやきは1円の利益を産むわけでもない。
でも僕はたまに見かける彼女の投稿をとても愛している。
時には勇気づけられる。
若い子のホッコリとしたやさしさ、それでいてたくましいエネルギー。
そういうものを感じて、『いいなぁー』と思う。


もちろん、そんな話ばかりではない。
ビジネスにおけるFacebook活用成功事例も入れるつもりだ。
しかしその成功は、ユニークであり、その人の個性と一つのものであって、真似られるものではない。
Facebookにおける普遍的な成功法則なんてないし、あったとしたらつまらない。
あるのは創意と工夫、努力と粘りと、少しばかりの運のさ。
そして、Facebookの力を信じる気持ち。


僕のアイデアも随所に入れるつもりだ。
だから、この本はものすごくユニークだが、個性は強い。
定価も安くはしない。
僕の持っている発想力、分析力のほとんどすべてを出し切るつもりだ。
こんな本を読んでくれるだろうか。


この数日、こんなことばかり考えていた。
おかげで、だいぶ本の構想がまとまってきた。
決して万人向きではないが、値段が張る本を買ってくれた人に損はさせない。
真剣に読めば1つや2つ、人生を変えるかもしれないヒントが詰まった本

───それが僕のコンセプトだ。





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