★Facebookにもリスクはある、それ以上に「Fbを使う価値」がある | ジャーナリスト 石川秀樹

ジャーナリスト 石川秀樹

ちょっと辛口、時どきホロリ……。理性と感情満載、世の常識をうのみにせず、これはと思えばズバッと持論で直球勝負。
3本のブログとFacebook、ツイッターを駆使して情報発信するジャーナリスト。
相続に強い行政書士、「ミーツ出版」社長としても活動中。

先日、ソーシャルメディア活用本のためのFacebookページ(このページ)で、「Facebookの負の側面」について「クエスチョン」した。
Facebookのテキスト本を読むとたいてい、「アカウント設定」が冒頭に来て、その後ろに「プライバシー設定」が出てくる。
そもそも「プライバシー設定」とはなんだろう。初心者にはよくわからない。それでていねいに見ることもなく、デフォルトの設定のままにして次に進む人も多いだろう。
しかし実は、「プライバシー設定」は重要である。
実名投稿のSNSだとは言っても、悪意の者はいる。人をだますためにFacebookを利用している者も確実に存在している。だから「プライバシー設定」で、まず入口のところでこうした犯罪行為に巻き込まれる可能性をシャットアウトしておくというのが良策だ。
しかし、はじめからそれを言うと読者が引いてしまうと考えるのか、具体的な被害事例を説明して注意を喚起している本は見かけない。


一方、“過敏”なくらいに「プライバシー」を気にする人たちもいる。
そういう人の多くは、はじめからSNSに近づかない。僕の娘などもその1人だ。Facebookを奨めても乗ってこない。SNSは今後、社会に根付いていくと思うし、その中でも実名投稿のFacebookの将来性を考えると、こういう選択はとても残念に思える。


「危険を感知する」センサーは人によりかなり異なっているようだ。
Facebookで遭遇するかもしれない「危険」とは何なのだろう。
また、どんなことをされると人は「不快」と感じるのか。 これは実際に聞いてみるのが一番だ。それでクエスチョンを行ったのである。
まずは、数字をご覧いただきたい。
(先頭の数字は票数。■印の選択肢は回答者が加えたもの)



クエスチョン<facebookの負の側面>

実名投稿のFacebookにも「負の側面」はあります。今までにFbで嫌な経験をしたことがありますか?(1、2) それはどのような内容ですか?(A、B、C…) 頻度はどれくらいですか?(①、②、③…)。コメントも下さい。

118   1.ある
215   2.ない

  0  ①毎日
  0  ②たびたび
  6  ③ときどき
 77  ④ごく、たまに

  6  A.ウォールにひどいことを書かれた
  0  Bつきまとい投稿をされた
  0  C.セクハラ的な投稿  ※
  0  D.友達や他人のウォールに自分の悪口を書かれた
  9  E.投稿の言葉を誤解されケンカになった
  3  F. なりすましをされた
  0  G .Fbを離れて嫌がらせされた
  0  H.プライバシーを侵害された
  0  I. Fbをやっていることで(やっていない人から)陰口された

※ ↓ 以下、追加の選択肢
 31  ■実名以外の基本情報についてほとんど公開されていない方もあり、
     友達リクエストに承認するかどうか躊躇する時がある
 14  ■実名であるが故に参加をためらう人々(例:主婦層等)が、
     日本には確実に存在します
 10  ■メッセージのやり取りで相手の方に誤解があったようだ
  6  ■理知的な議論を期待していたが、相手の思い込みと決めつけの強さから、
     不愉快な想いのみが残った
  4  ■勝手にGROUPに加えておきながら、投稿していたらある日突然
     ブロックされた!
  4  ■勝手に削除された
  3  ■FBページに「いいね!」下さいまではフレンドリーで、
     押した後はプッツリとか
  3  ■身に覚えなきアクセスブロックがあった
  3  ■サヨナラも言わないで友達切っていかれた時
  1  ■誤って2度メッセージ送ったらスパムに申請されて謹慎
  1  ■知的所有権に無関心な野蛮人に出会い、非常に不愉快な思いをした
  1  ■自分のウォールの写真を誰かに意図的に削除された
  1  ■バツイチの知人(女性)がFB始めたとたん見つけられしつこくされた
  1  ■明らかに振り込め詐欺と思われる内容のメールがわんさと入る

hidekidos かく語り記-Facebookの負の側面を聞いたクエスチョン


◎Facebookの実名投稿ルールに抵抗感も
Facebookの「負の側面」を感じているのは3人に1人強。その頻度も「ごく、たまに」が圧倒的に多い。「毎日」「たびたび」は0人だから、表面的に見ると意外に少ない。

「嫌な思いをしたこと」の具体例を問うたところ、最も多かったのは「実名でない人がいることへの不快感・戸惑い」(31票)だった。「実名だから参加をためらう人がいる」も14票。この選択肢の書き方からすれば、Facebookの「実名投稿」というルールそのものを「facebookの負の側面」と捉えているのだろう。だから、そのルールを守らなくても堂々とアカウントを得られていることへの不快感・戸惑いがこれほど多い(31票)。 不快感だけでなく、コメントでは「顔写真なし、略歴なし、匿名、動物名などの、正しい記載をしない者に、正直者が誹謗・中傷、言いがかりなどをされる」と、実害を強調する人もいた。
この点、Facebook管理者はルールを徹底させるべきだ。


◎言葉の行き違い、いわれなき「ブロック」
──感情に歯止め掛けにくいSNSの特徴も
「言葉のやりとりでのトラブル」も25票あり、言葉のみでの交流は時に深刻なトラブルに発展することがある、というSNS特有の傾向をうかがわせた。
これに関連して「ジョークが通じなく、激怒された」「相手の名前を間違えて送り、ブロックされかけた」などのコメントがあった。
もう1つのトラブルは、マナーの問題だ。「身に覚えがないのにブロックされた」「理由も告げずに友達を解除された」など、される側からすれば多少なりとも自尊心が傷つくケースが散見された。「同じメッセージをうっかり2度送ったためにスパム申請されてFacebookから謹慎処分を受けた」などの例もあった。
ネット中心のやりとりは、時に必要以上に言葉や(言葉への)リアクションが先鋭になることがある。カリカリしなければよいのだが、相手の人格まで否定し歯止めが利かなくなることがある。「突然のブロック」も何かでカチンと来てやってしまうのではないだろうか。
実は僕も、歯に衣着せずに書き、コメントもぶっきらぼうの場合があるので「舌下事件」は1度や2度ではない。だから最近は、言葉遣いにはよくよく注意する。それでも怒らせてしまうことが、たまにある。そういうときには、ちゅうちょなく謝り、状況を説明する。
誤解であろうとなんであろうと、不快感を与えたとすればこちらの責任である。


◎Facebookでも起こる嫌がらせや犯罪行為
「クエスチョン」をさらりと読み解く限り、Facebookでは深刻な事態が起きていないように見える。質問への回答率を見ても6.7%(747人中54人)と低く、あまり関心を引かなかったようだ。逆に言えば、Facebookは実名投稿なので今までのところ大きな問題は起きていないようにも見える。
しかし、実態は違うのではないか。


数は少ないが、嫌がらせや、犯罪行為と思われる例も見られる。
当初の選択肢に加えた「つきまとい」「セクハラ」「友達のウォールへ自分の悪口を書かれる」「Facebookの外での嫌がらせ」はいずれも0票だった。非常に健全に見える。しかし、「なりすまし」は3票あったし、追加の選択肢や、同時にいただいた投稿からは次のような記述もあった。


▼ウォールから写真を意図的に削除された
▼友人(女性)がしつこくされた
▼脅しのような書き込みをされた
さらに、
▼メッセージ・チャット・Eメールでのストーカー行為
▼友達承認後、ウォールにある友達リストを使って片っ端から販促メールやメッセージを送りつけ、露見する前にブロックして“逃亡”(典型的な「なりすまし」の手口!)
▼手の込んだ振り込め詐欺行為、有料課金サイトへの誘導
「さらに」以下の例は、完全に犯罪行為だと言える。


◎美女になりすまし情報泥棒、メッセージでデートの誘い
例えば、美人のプロフィール写真にはご用心!
実在しない女性に「なりすまし」てあなたの友達の情報をのぞき見する、などというのが典型的な手口だ。
そのプロフ写真を検索するとアジアの女優であったりする。ていねいな友達申請。それなのに、自分のウォールには本人の書き込みがなく、友達の承認をした男性らの「よろしく」コメントばかり…。
このくらい典型的だと見抜けそうなものだが、相手のプロフィールを確認せずに友達申請を承認する人も多いらしい。そこから「友達情報」がダダ漏れすることになる。

さらに最近は、Facebookのメッセージを使って法外な課金サイトに誘導するような手口まである。
これは僕も経験した。 タレントのマネジャーを自称する女性(?)からFacebookのメッセージで、「彼女が会いたがっている。あなたの投稿を読んで心を動かされたらしい」と。言葉は巧みだが冷静に読めば、女性がいきなり見も知らぬ男性に会いたいなどと言うはずがない。それで「なぜ僕にですか?」と返したら、それっきりとなった。この稿を書くためにネットで検索していたら他の“経験者”の体験が載っていた。詐欺だろうと見抜いたうえで誘いに乗ったふりをしたところ、最終的には法外な課金サイトに誘導されたとのことだった。
いきなりカネの話をせず、相手の気を引いてから巻き上げようとしてくるところが「Facebook版詐欺」の手がこんだところだ。
とは言え(現段階では)こうした詐欺を見抜くのは難しくない。
言葉が巧みすぎる、しかも状況がふだんあり得ないもの(相手がタレントだなんて!?)であるなら、100%それは詐欺だと思っていい。
リアル社会もSNSの世界も、電話でも、おいしい話などあるはずがない。
それでもこの手口はまだ続いているようだから、「自分だけは例外」と思う人はいるのかもしれない。


◎Facebookにもプロの犯罪者が紛れ込んでいる
性善説で成り立っているFacebookのコミュニティーの中で、プロの犯罪者が紛れ込んでいる。だから対処法を心得ておくことは非常に大切だ。
犯罪者たちにFacebookが踏み荒らされないよう、自衛策を講じなければならない。
まず、水際で食い止めよう。
おいしい話など絶対にないと思っていても、向こうも研究しているから、最近はもっと巧妙に「普通の人」を装うかもしれない。美人の写真を使わない、ウォールへの書き込みもある程度する。種まきをした上で、何人かに友達申請をされたら、まず気づけない。そうして友達となってから、ウォールに不用意に掲出されている「友達」の個人情報をのぞき見る。 自分では全く気づかないまま、友達に迷惑をかけてしまう可能性。これを防ぐには、こちらも用心深く対処する必要がある。だから僕は現在、「友達」を見ることが出来る人は「親しい友達」に絞っている。


また詐欺とは少し違うが「集客のプロ」などと称する輩の中にもおかしな連中がいる。 例えば、集客のツールと称して「無料でビデオをあげる」と言う。信じてビデオをクリックすると(押した人のウォールに)勝手に「いいね!」が投稿されたり、勝手にタグ付けされてそのビデオコンテンツがウォールに貼り込まれたりする。これを「強制口コミ発生のツール」などと言うのだが、人の迷惑など考えない悪質ツールである。こんなものを使えば、友達から総スカンをくらうのがオチ。友達に迷惑をかけ、自分も信用を失う。
こういう行為はFacebook側できちんと禁じるべきだが、今のところFacebookの管理者は野放だ。やはり自衛するしかない。
これも原則は同じ。
ツイッターだろうとFacebookだろうと、ゼロ円でアッと言う間にお客を増やせる魔法のツールはないし、SNSはそんなことをするためのシステムではない。
(投稿の積み重ねで自分の存在を認めてもらい、結果としてそれが集客や販売促進につながる場合があることを僕は否定しない。真剣にSNSに向き合うことと、欲得でSNSを手軽に使ってカネ儲けしようすることは、全く別である)


◎悪質な手口を出来る限り明るみに出し、情報を共有しよう
こうした例に限らず、手を変え品を変え新手のだましの手口(または違法すれすれの手法)を編み出している連中が、今現在もFacebookの利用者の1人として存在していることは事実なのだ。 残念ながら僕が把握しているのはごく一部にすぎない。
出版する時までにできる限り手口を掌握して、公表したい。実例を多く載せることができれば、クサイと思われる手法の多くは防ぐことが出来るからだ。


怪しいと思った事例、不幸にして引っかかってしまった例など、教えてほしい。
皆で情報を共有することが最良の防御策につながる。
今回の「クエスチョン」の回答では深刻な事例は見られなかった。
しかしだます側は間違いなく研究している。楽観できる状況ではないと思う。
Facebookという若い伸び盛りの樹を、正しく立派に成長させたい。
白アリから樹木を守るため、情報の提供を切にお願いする。



★コメントはこちらへ(facebookに発言集を特設しました)
http://www.facebook.com/meets001/





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