「脱原発」にうなづく政治と、否決する政治 県民総監視で道を開こう | ジャーナリスト 石川秀樹

ジャーナリスト 石川秀樹

ちょっと辛口、時どきホロリ……。理性と感情満載、世の常識をうのみにせず、これはと思えばズバッと持論で直球勝負。
3本のブログとFacebook、ツイッターを駆使して情報発信するジャーナリスト。
相続に強い行政書士、「ミーツ出版」社長としても活動中。


家内が朝刊を読みながら
「週刊朝日がね、『本誌は大飯原発の再稼働に反対します』だって!」
「どれどれ」
確かに、目立たないけど、上の方にそんな見出しが。

以前から論調は「脱原発」だったから驚きはしないが、これはすごい。
週刊誌とてマスメコミの一角ゆえ、スポンサーを敵に回すのは上策ではない。
各メディアどうするかと言えば、
編集と営業とは別(同じ会社であっても考え方は違う)」
と言った奇妙な理屈を弄して、“怒らせない程度の批判”をして見せるのが常だ。
その意味でこの週刊誌の「宣言」は退路を断っている。
だから、勇気があると言うか、潔い姿勢だと思った。

■   ■

妻に言われて読んだ朝日新聞朝刊第2社会面、なかなか興味深い。
最上段に「中部電への『脱原発』提案 浜岡の隣接市、賛成へ」とあった。
この意味は―――
牧之原市が株主提案で出てきた脱原発6案のうち「4案に賛成する」ということである。

浜岡原発の地元はもちろん御前崎市だ。
このまちは原発依存度が4割、故に「脱原発」は言いにくい。
これに対し、牧之原市は「隣接市」ということになる。
中電の株主の一人だが中電寄りという訳ではない。
同市の市収入における原発依存度はたった1%。
気にすべき相手はむしろ工場を市内に持つスズキ自動車だ。
そしてスズキ自動車は「放射能」で風評被害があれば「大いに迷惑」だと思っている。
故に大手を振って言いたいことが言える。
だから今回「脱原発案」に乗ることができた。

議案そのものは否決となる公算だが、
浜岡原発の再稼働検討時には「隣接市の意向」も考慮される。
だから牧之原市の意向は”重要な意味”を持つ。
僕のように、「脱原発」こそが日本の生きる道と考える人間には、
同市の判断はありがたい。

■   ■

「うん、うん」とうなづきながら記事を読んでいたら『うんっ!!?』となった。
2段1本見出し 「原発投票 都議会委が否決」
なんと!(と言っても予想通りだが)東京都議会の総務委員会は、
「原発都民投票条例」の制定を求める32万都民が署名して提出した条例案を、
反対多数で否決した

委員14人のうち、自民、公明の7人と、民主の1人が反対に回った。
(民主は自主投票で党議拘束はなかった)
つまり1人の差で32万人署名は風前の灯となった。
(条例案は20日の本会議でも否決される見込みだ)

各党いろいろな理屈はつけているが、一言でいえば「民意つぶし」である。
そう言えばきのうの新聞で、原発を廃炉にすると「資産価値がゼロ」となり
東電を含む3電力会社が債務超過になる、とあった。
やれやれ、議員さんたちはこういう会社には大いに配慮を働かせるらしい。

民意を先取りして「脱原発イエス」と言う政治もあれば、
民意をつぶして恥じない政治もある。
希望と悲観(絶望ではない!!)の両方が、奇しくも同じ紙面に載っていた…。

■   ■

さて、静岡県もうかうかしていられない
目下、「浜岡原発再稼働のぜひを県民投票で決めよう」と言う署名活動が始まっている。
目標は有権者の50分の1の「6万人」。
首尾よく集まったとしても「県議会」が難物になるだろう。

Facebookを見ていれば、民意は明らかだが、
都議会が露呈したように、
この国の政治家は地方・中央を問わず、平気で民意を踏みにじってくれる
県議会で一蹴されないよう、県民総ぐるみで監視しプレッシャーをかけなければならない。


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