とうとう野田首相、ルビコン川を渡ってしまった!
経済界と政界、官界の意向だけを受けて大飯原発3、4号機の再稼働を政府が決定した。
『この夏の電力を原発なしで乗り切らせたら未来永劫、原発は再稼働できない』との妄想に駆られたのだろう。
まじめな男の思い込みほど怖いものはない。
この間、一貫して首相は「再稼働ありき」だった。
民主主義もへちまもない。
たった4閣僚の合意で、消えかけた原発に火を付けてしまったのだ。
「無理心中!!」浮かぶのはこの言葉のみだ。
「政治家よ!」という一文を書きかけていたが、頭に来て消してしまった。
ばか者共に付ける薬はない。
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このようにfacebookのウォールに書き込んだところ、親友のK君から突っ込みが入った。
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秀樹さんのような言論人に、「馬鹿につける薬はない」と言わせ、虚無感を感じさせることそれ自体が、「原発ムラ産官政共同体」の狙いです。
気を取り直して、どうか連中の「思うツボ」に嵌らないで!
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K君にそう言われると弱いな。
僕は決して「政治」に虚無感を持ってはいない。
日本人は忘れているけど、政治は巨悪にもなれば巨善にもなりえる(滅多にないけど)。
絶対にナメてはいけない。
その気になって、言論を封じ込める気になれば、法律一つでそれはできる。
止める手立てはただ一つ、物理的な実力行使しかない。
実力行使と言うが、戦後民主主義の日本では、ただ一度だって阻止できなかった
(最もその状況に近かったのは「60年安保」だろうか)。
原発再稼働阻止は戦うに足るテーマだと思うが、
国会を国民が取り巻くほどの熱気になっていない。
みんな「再稼働」は原発ムラの利権のせいだと思っているが、
僕はもっと根が深いと思っている。
だって、見てご覧よ。利権と全くない人々だって、
「浜岡原発再稼働の是非を問う静岡県民投票」の条例制定のための署名を求められれば
二の足を踏んでいる。
「原発に反対するのはタブー」みたいな空気がいまだにある。
奇怪至極だ。
しかし、これは事実だ。
条例案を請求するには6万人の署名が必要だが、1か月たって集まった署名はまだ1万人。
福島原発でこれほどの災厄に見舞われても、日本人は声を上げることを恐れている。
野田佳彦はいやしくも一国の総裁だ。
(思わず言ってしまったが)バカなわけがない。
消費税増税にかける姿を見ていれば、過剰なほどの「信念の人」だよ。
だから、千万人といえども我往かん、でルビコン川を渡ってしまった。
彼に誤まりを気づかせるのは、数千万の国民の怒りの行動しかない。
でなければ彼は「国民の方こそ間違っている。反対があっても俺が信念を貫き通し、国民を迷妄から覚ましてやる」と思い続けるだろう。
問題は1960年から延々50年以上も続けてきた「原発こそエネルギー政策の要」という国策、
その>呪縛から自由になれるかどうかだ。
蔓延してきた「原子の灯は希望の象徴」と言う政官財学・メディア挙げてのキャンペーン、
このキャンペーンが作ってきた空気にどうやって水をさすかだ。
しつこく言い続けてきた結果、国民の大多数が、影に回れば(大きい声でないにしろ)
「この時期の再稼働はないよね」と言い交わすようになってきている。
原発にモノ言えぬ空気も、もはや空気穴がそこここに開き始めている。
大きなケンカをするチャンスはまだある。
言わずと知れた総選挙だ。
信念を持った人には大きなチャンスとなる。
ここ数カ月の政治家の言動を、僕は決して忘れない。
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石川秀樹@hidekidos
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