国民の9割が突き付けた「ノー」を「精神論」と言う首相、パニックに陥っているのは君だ! | ジャーナリスト 石川秀樹

ジャーナリスト 石川秀樹

ちょっと辛口、時どきホロリ……。理性と感情満載、世の常識をうのみにせず、これはと思えばズバッと持論で直球勝負。
3本のブログとFacebook、ツイッターを駆使して情報発信するジャーナリスト。
相続に強い行政書士、「ミーツ出版」社長としても活動中。

孫正義さんが興味深いアンケートをしている。
大飯原発再稼働についての3肢択一の質問だ。
今現在の”投票”結果を列記してみる。


期間限定で夏季のみ稼働すべき  1672票(9.3%)
継続的に稼働すべき       1712票(9.6%)
再稼働すべきでない      14505票(81.1%)




国論を2分しているどころではない。
国民の9割以上が、昔のように原発が動き出すことには反対しているのだ。
「原発推進政策よ、お前はもう死んでいる!」と先日僕が言ったのは、
こういう背景を直感してのことだ。
国民の生命と財産、安全と、名誉と誇りを守るのが政治の務めだとすれば、
野田首相の再稼働に前のめりの姿勢は、国民に対する明確な裏切りである。


野田首相がカネに屈したとは思わない。
彼なりに国民生活の利便性と原発事故の確率とを秤(はかり)にかけた結果だろう。
だがその判断は、肝心なところでピントがズレている
「利便性」を犠牲にしても原発はノーだ、と大多数の国民は覚悟を決めている。
どうして政治家はこのことを過小評価するのだろう。


さらにもう一つ見誤っていること。
それは、原発に対する国民の嫌悪感だ。
放射能は不気味な存在である。
「ただちに今、健康に影響がない」ものであっても、いつがんを誘発するか分からないし、
遺伝子に与える影響も大きい。
最も忌むべき”時限爆弾”だ。
だが国民の原発への嫌悪感は、とうにその初期状態を超えている。
現在の嫌悪感の由来は、一にかかって政府の重ねてきたウソと、
加害企業である東京電力の不誠実で傲慢な対応に対する怒りなのだ。
──政府も東電も鉄面皮である!
国民はこう感じている。


故に、民主党は次の衆院選で大敗北を喫するだろう。
これは再稼働があってもなくても同じこと。
ならば野田首相がすべきことはただ一つ。
菅直人前首相の行動に倣(なら)うことだ。
菅氏は総攻撃を受け退陣を余儀なくされたが、
浜岡原発の稼働を全面的に止めた
暗愚だ、無責任だ、統治能力がないと散々なことを言われながらも、
この1点において、彼は日本の歴史に名前を刻んだ


野田氏は君子豹変して、大飯原発の再稼働を止めるべきだ。


□   □   □

午前中にこのように書いていたところ、車に乗ると国会中継が聞こえてきた。
大飯原発の再稼働について答弁した野田首相は、原発再稼働忌避の声を
「精神論」と言って切って捨てた。
僕はステアリングを思い切りたたいた。
──ばかに付ける薬はありゃしない
帰宅してツイッターを見ると、有田芳生さんが次のようにつぶやいていた。


現実への危惧を「精神論」という者こそ精神論だ。
政治イデオロギーの呪縛のもとでは何とでもいえる。
まさにオウム事件当時に流行した「あー言えばジョーユー」だ。
何を持って上位価値とするか。
人間的根源の生命である。
オイルショック時には深夜テレビはなくなり、新聞も薄くなった。
英知への怠惰だ。



ジャーナリストで現職参議院議員でもある有田さん、
あくまで「言葉」で戦う気構えだ。


現実への危惧と言うのは、原発事故がまた起きやしないかという僕らの不安のこと。
それを野田氏は「精神論」と言った。
有田さんは「政治イデオロギー」と言ったが、そんな高尚な理念ではないだろう。
ただ一直線に、『再稼働させなければ経済界から何を言われるか分からない』
そのことへの恐れが、見るべきものを見ない、
見えているものも見えない状態にさせているのだ。


現実に停電が起きてもいないのに「計画停電」を唱えるのは国民へのブラフだ。
テレビ局、新聞社に電気を使わないよう自粛要請できないのは、
矛先転じて己れが標的になりやしないかという恐怖心。
「停電したら国民生活が立ち行かない」?
ばかも休み休み言えってんだ。
一度立派に停電させ、国民がパニックに陥るかどうか見定めてから策を練りやがれ!

パニックに陥り、ジタバタと頼みもしないのに見苦しい姿を見せているのは
首相をはじめ政治家、官僚、東電幹部など
いわゆる「エリート」と言われてきた者どもだ
恥を知りなさい!!


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