■東電社長、会長辞任へ それでも水に流せないものがある! | ジャーナリスト 石川秀樹

ジャーナリスト 石川秀樹

ちょっと辛口、時どきホロリ……。理性と感情満載、世の常識をうのみにせず、これはと思えばズバッと持論で直球勝負。
3本のブログとFacebook、ツイッターを駆使して情報発信するジャーナリスト。
相続に強い行政書士、「ミーツ出版」社長としても活動中。



「東電社長、会長 辞任へ」
静岡新聞朝刊1面に黒ベタ見出しが躍る。


昨夜僕は、東電の電気料金値上げについて
「(原発事故に対して東電は)誰一人、引責しないではないか」と書いた。
返す刀で「政治家」に向かって挑発もしてみたが、結果はむなしかった。
振り上げたこぶしの下ろしどころをなくしていたら、このニュース。
少し溜飲が下がった。
他紙には載っていないから、共同通信の特ダネだろう。

■   □

誰が考えても、あれほどずさんな事故を引き起こしながら、
刑事責任はともかく、結果責任を誰一人負わないのは奇怪だ。
重大事故=責任者の引責、は世の中の常識である。
ここへ来て、ようやく東電も常識に目覚めたか、と言いたいところだが、違うようだ。


記事によれば、引導の渡し役は一応「原子力損害賠償支援機構」になるらしい。
公的資金(税金)を受けるのに「責任不問」は道理が通らないと、
さすがに政府サイドも考えたのだろう、
「経営責任の明確化」が検討されることとなった。
いわば「クビと引き換えに」「詰め腹を切らせる」という発想。
公的資金による資本注入を受けたいなら、
原発事故発生時に代表権を持っていた経営陣はすべて辞任させよ、ということである。
至極当然の話だ。


代表権を持っていた者だけでなく、事故当時役員をしていた者は総退陣すべきだ。
と、かねがね僕は主張してきた。
すると、記事には「現在の取締役17人が全員辞任する可能性もある」とあった。
それが実現すれば、まあこの国も少しは救いがあったね、ということになる。

■   □

しかし、もうひとこと言っておきたい。
泣く泣く辞めさせられることになる役員たちに追い打ちをかけるようで悪いが、
辞める時にはぜひ退職金額を明らかにしてほしい。


前の清水社長の時は5億円だったか?
顧問就任年収9千万円という話があった。
これも世間の常識からはかけ離れた感覚だったから、あえて言わせてもらう。
その後清水氏が全額返上した、などという話はついぞ聞かない。


役員たちも数億円の退職金と「手厚い身の振り方」を手にするだろう。
どうせ「法にのっとっている」と主張するだろうから、それについてはどうこう言わない。
しかし、事実だけは明らかにしてもらいたい。


なぜか。
そのことを僕ら国民は、よく覚えていなければならないからだ。


東電は「責任を取りました。さあ、今度はあなたがた(国民)が負担する番だ」と、
電気料金の値上げを言うに違いない。
そのとき思い出そう。どういう「責任の取り方」だったかを。
そして、「法外な退職金を払う金があるなら、
まずそれを原資にせよ」とキャンペーンしよう。


大マスコミも「カネであいつら東電に買われているから」などと言われないよう、
筋の通った論を唱えるべきだ。
それができなければ、
東電問題に誰一人踏み込んだ発言をしない「この国の政治家たち」とまったく同じレベルである。

■   □

カネで買われて何も言えない図式が、こと原発に関しては多すぎる。
原発立地は言うまでもなく、学者、政治家、行政、マスコミ…。
人間としてもっともいやしく、かつ卑屈な光景だ。


いい加減に目を覚まさないと、この国は本当にだめになる!!




ペタしてね   読者登録してね