個人や個店、小さな会社のための「facebookの使い方」の本、僕らは出版します | ジャーナリスト 石川秀樹

ジャーナリスト 石川秀樹

ちょっと辛口、時どきホロリ……。理性と感情満載、世の常識をうのみにせず、これはと思えばズバッと持論で直球勝負。
3本のブログとFacebook、ツイッターを駆使して情報発信するジャーナリスト。
相続に強い行政書士、「ミーツ出版」社長としても活動中。


来春には出版社を立ち上げる、とこの1年、折に触れ宣言してきた。
とは言え、11月まではもう一つの自分との約束である
法律関係の国家試験のための勉強に忙殺され、準備は何もしていない。


そんな折、僕は友達となったMさんの問いかけに答え、
facebookのビジネスユースについて説明することになった。
「広告」という意味では効果はそれほどでもないが、
「狭告(造語です)」としてなら可能性大、というのが僕の結論。


それらを2回にわたって「ノート」に書いたが、
説明し切れていないな、という感が強かった。
答えは分かっているのに、何かが足りなくて合格点に届かない。


■facebookで僕は“人財”を発見した

僕は“れっきとした素人”だ(変な言い方だが)。
facebookの機能について、深く知っているわけではない。
それでも、利用者の1人として、巷にあふれるノウハウ本について、
『ちょっと違うぞ』という感覚があり、
その感覚は多くの人に共通しているのではないかと思う。


だとすると、これは何とかしたい。
自分にできることは何か。
出版社を志す者として、最もまっとうな答えは……。
誰にも「いいね!」と言ってもらえる本を世に出すこと!!


しかし、いささか冒険だ。
出版社は僕の頭の中にあるだけであり、まだ影も形もない。
しかも、いきなり全国に流通する本をつくる…?
『冒険にもほどがある!』と心の声がつぶやく。


そんなことを思っていた矢先、僕のノートにコメントをくれた人がいた。
何気ない指摘だったが、『あっ、この人、分かっている』と思った。
僕はとっさに呼びかけた――
ふたりで本当に役に立つfacebook本をつくってみようか
相手は、静岡市のウェブデザイナー伊藤暢祥さんである。
彼は「ぜひ実現したいですね」と返してきた。


出版はタイミングが大切で、当たるも八卦…と言う面があるとはいえ、
上記の話、いかにも安易に見えたかもしれないが、僕は真剣だ。


■即決! ソーシャルメディア普及のための連携

その後、僕と伊藤さんはパワーランチをセッティングした。
双方にとって、(今度のプロジェクトは)冒険である。
互いに相手のことを知らないし、力量のほども分からない。


無手勝流のようだが、ふたりとも(たぶん)自分なりの計算がある。
僕にとって伊藤さんは「利用甲斐」のある人だ。
ホームページやfacebookページをつくるのはお手のもの。
イラストだって描けそうだ。
それより何より、僕よりはるかに深くfacebookの機能を知っている。
僕が足りないものの大部分をもっている。
僕のリスクは、出版費用の負担くらい……。


伊藤さんにとっては、自分の本が出版されれば仕事に直接役立つ。
本を読んだ人が顧客になってくれるかもしれない。
そんな直接効果でなくても、力量を示せば信用を獲得できるだろう。
リスクとしては、膨大な手間と時間がかかること、
そして当面、その手間に対する報酬は得られそうにないこと……。


つまり双方リスクはあるものの、成功への期待感と、
互いの夢、ソーシャルメディアを普及させたいという夢、
を実現させるための第一歩になるという「計算」。


で、真剣勝負のような会食をしたと思われるだろうが、さにあらず。
互いを値踏みすることなく、いきなり本題に入った。


■本づくりの過程をfacebookページで見せます

真っ先にふたりで一致したのは、
この『冒険的なプロジェクト』をすべて可視化することだった。
つまり、本のためのfacebookページをつくる。
打ち合わせや、本のコンセプトに対する意見交換、議論の様子から、
実際の原稿やイラストなども全部見せてしまおう、ということである。


なぜそんなことをするのかと言えば、
ふたりのコラボレーションそのものが、いかにもfacebook的だからだ。
「成功事例」をたくさん本で紹介したいと思っているが、
自分が利益を得るためだけのPRの大半はスルーされてしまう。
いいね!がたくさんつくのは「読む人の役に立つ情報」を発信したときだ。


僕らの例で言えば、本にする原稿を見せてしまえば、
本を買ってくれなくなるというリスクは当然ある。
しかし、反論、異論、賛同の意見をもらえれば、原稿の質は上がる。
質問も受け付ける、というより、よい質問を得ることが肝(キモ)だ。
それにより、思ってもいない「視点」が示されるかもしれない。


どんどん読んで、出版以前からどんどん役立ててくれればいい。
実践して、その結果をフィードバックしてくれれば、
そのコメントもまた活字にできるかもしれない。
これは将来の読者とのコラボレーション(協働)である。


だから僕らは、優良な情報を惜しみなく出していく。
手の内を見せれば真似される可能性だってある。
しかし僕は、結果としてfacebookの発展に資することなら我慢できる。
先を越されても、読者の役に立ってくれればいい。
良き書き手が現れることは、facebookにとって損なことではない。
僕らはその本を超える知恵を出すだけのことである。


以上が、ランチを食べながらふたりで話したことのあらましだ。
伊藤さんと対座していて、僕は『やれるぞ』と思った。


■「三角跳びの反応→友達を味方にせよ」

伊藤さんはアンドロイド携帯から、一つの文書を見せてくれた。
facebookをいかに生かすかの「メモ」だった。
その中の一文――


「友達には売り込まない。友達の友達を期待する」
「トライアングル(三角跳び)での反応→友達を味方にせよ」
「自己開示と積極的な交流」
「おもてなしの心(実店舗と同じ接客態度が必要)」



メモなので少々、判じ物めくが、
勘のいい人は、彼の思考回路をご理解いただけたのではないだろうか。


まず「友達には売り込まない」の意味。
伊藤さんはウェブデザイナーだが、
友達には商売抜きで、惜しみなく知識や技術を提供する。
facebookでも同じ。
困っている人がいれば、惜しみなく情報提供し助けの手を差し伸べる。
1円にもならない“仕事”(親切)だが、見返りがないとは言えない。


■facebookでは「種まき」がすごく大事だ

僕は「種まき」と称しているが、彼と同じ感覚を持っている。
毎朝のつぶやきは主に「ニュース」に対する感想だ。
妻や息子に語りかけるように、僕は書いている。


新聞社にいたからといって、専門知識があるわけではない。
ニュースへの感覚以外、語るほどの有用な知識を持ち合わせない。
しかし、ニュースについては常にそのど真ん中にいた。
四六時中天井から流れてくるニュースを瞬時に価値判断する。
そんな職場にいたから、家庭でもよくニュースの話をする。


妻や息子の反応は、僕の判断と微妙に食い違う。
それが勉強になる。岡目八目がけっこうあるのだ。
ツイッターを始めてしばらくしてから僕は、
食卓で話すと同様のことをタイムラインにつぶやくようになった。


ツイッターは「つぶやき」だから、何をしゃべってもいい。
しかし僕は同じ時間を使うのなら、意味のあることをつぶやきたい。
たまたま出来ることが「ニュース」をネタにすることだった。


無論、お金とは無縁。その上、リスクもある
僕の判断は独自だから、いつ火だるまになるか知れない。
それでも時々、(僕の視点に)感謝してくれる人もいる。
まだまだ少数だが、「信頼感」が生まれるならば望外の幸せだ。


■自分の夢のために僕は「ニュース」をつぶやく

僕の究極の目標は「人の本づくりのお手伝いをする」ことだ。
伝えたい、残したい思いを持っていても、
書けないためにあきらめている人がいるかもしれない。
会社の事跡を社員や関係者に見てもらいたいが、書き手がいない。
そんな場合でも、僕なら本にすることができる。
取材、インタビュー、あるいは資料から物語をつむぎだすこと。
もちろん、断片的な思いやメモを文章にすることもできる。


僕が考えている『自費出版』は、手持ちの原稿を本にすることではない。
不十分な原稿でも、あるいは書いたものが何もない場合でも、
人や会社に強い思いがあれば、それを本の形にすることができる。


そういう仕事は、力量人間性を信頼されなければ任されないだろう。
大切なものを託すに足る人、と思われなければ成り立たない事業だ。


当初は、やむを得ずニュースをつぶやいていたに過ぎないが、
長く続けることによりいつの間にか、
僕を「ニュースのハブ(HUB=車軸)」のように見てくれる人も出てきた。
その「個性」が信頼につながれば、僕は夢に一歩近づくだろう。


伊藤さんが「惜しみなく提供する」と言うのも、多分同じことなのだろう。
彼の得意はウェブ関連のこと。彼はその技術を
お金に換えなければいけないのだが、友達には惜しみなく与える。
facebookでも同様の意識で書き込み続ける。
「彼の評判」は、黙っていても、友達がつくってくれるだろう。


■「評判」は人が伝えてくれるもの

facebookでは、直接的な利益を得ようとする人が多すぎる。
自分をいかに言葉で飾っても、ストレートに信用にはつながらない。
評判は「ひと」が伝えてくれるものだ。
という少々回りくどいが、
人の心理を突いた理念がfacebookの根底には流れている、と思う。


だから「友達の友達を期待する」が意味をもってくるのだ。


「自己開示と積極的な交流」「おもてなしの心」
facebookでは自分を隠さない、うそをつかない。
バーチャルだからと言っても、手抜きは厳禁。
見えないときこそ、細心の気配りで人と接しなければならない。
そして、(当たり前のことだが)実際に人と合うこと以上の交流はない。


伊藤さんのメモを意訳すればこうなるが、僕もまったく同感である。
だから、『声を掛けたことに間違いはなかった』と思ったのだ。


■僕らとコラボレーション(協働)しませんか?

以上が、僕と伊藤さんの物語である。
ふたりとも、本格的に本を執筆するのは初めてだ。
意欲だけはある(伊藤さんには知識も)、というのが僕らの売り。


このプロジェクトは、絶対に成功させたい
使っている人の視点で書かれたfacebook本はまだない。
facebookは確実にビジネスに使えると思う。


しかし成功事例は海外のものばかり。
日本の例は大企業や有名人のものばかり。
個人や個店、小さな会社こそ、facebookを使って成功してほしい。


僕らは、その方法を本で示すつもりだ。
事例を既に見つけているわけではない。
逆に言えば、成功事例を僕らの方法論でこれから作っていきたいと思う。


まず、今度の本のためのfacebookページを立ち上げる
そこに多くの人が参加してくれれば、このプロジェクトは前に進むだろう。
将来の読者とのコラボレーションを、僕らは強く望んでいる


一緒に、本をつくりませんか。



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